かくれんぼ

陽太は、かくれんぼ日本一を目指して、今日も裏山で鍛錬に励んでいた。23歳になった今も、幼い頃から変わらない夢を追い続けている。


幼少期、体が小さく運動神経も良くなかった陽太は、近所の子どもたちから鬼ごっこでいつも悔しい思いをしていた。そんなある日、偶然かくれんぼに参加することになった陽太は、天性の才能を発揮する。木の枝や葉の影に巧みに溶け込む姿に、周りの子どもたちは驚嘆した。


中学、高校と、陽太はかくれんぼで無敵を誇った。しかし、全国大会に出ると、壁にぶつかった。全国には、陽太よりも巧妙な隠れ方をする者がいた。悔しさに歯を食いしばった陽太は、更なる鍛錬を始めた。


山奥で野生の動物の動きを観察し、木の枝や葉の影に溶け込む方法を学んだ。瞬時に周囲の環境を把握し、最適な隠れ場所を見つける訓練も繰り返した。


そして、数年後、陽太は再び全国大会に出場した。経験と鍛錬で培った実力は、圧倒的な差となって現れた。陽太は、誰にも見つからずに巧みに隠れ、鬼を翻弄し続けた。


決勝戦の相手は、前年度の優勝者であり、鬼神と呼ばれていた男だった。陽太は、男と一進一退の攻防を繰り広げた。男は、陽太の巧妙な隠れ場所を見破ろうと必死に探したが、陽太は影のように姿を消し続けていた。


制限時間終了。陽太は、ついに日本一の座を手に入れた。


喜びと達成感で胸がいっぱいになった陽太。長年の努力が、ようやく実を結んだのだ。


しかし、陽太はここで満足しなかった。日本一になった今、彼は世界一を目指すことを決意した。


世界中の強豪と競い合い、真のかくれんぼ日本一を目指す。陽太の挑戦は、まだ始まったばかりだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?