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ブランド・エクイティとは -作り方と伸ばし方-

前回のホワイトペーパーに引き続き、新しいホワイトペーパー「ブランド・エクイティ -作り方と伸ばし方- 」を作成しました!

「ブランド・エクイティ」という言葉に聞き馴染みがある方も、聞き馴染みがない方もいらっしゃると思いますが、ブランドビジネスに携わっている方は、よく聞く言葉なのではないでしょうか?

今回はブランド・ビジネスの中枢を司る「ブランド・エクイティ」について、これまでの経験をもとに極限まで噛み砕いて説明します。資料の後半では、ブランド・エクイティの具体的な作り方と伸ばし方についても解説しています。ぜひ最後までお読みください!

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(以下、ホワイトペーパー本編)

はじめに

マーケティングにおいて、「ブランド・エクイティ」という単語ほど、みんな知っているのに意味がよく分からないものはないと思います。
 
グロービス経営大学院によると、ブランド・エクイティとは「あるブランドが顧客、取引先、または社会全体に対して持つさまざまな無形的な資産価値」という意味だそうです。学術的な定義として何となく分かる気はするものの、自分のブランドに置き換えた時にこれが具体的に何を意味するか分からないという方が大半だと思います。僕自身も、読んでいてあまり意味がわかりません。
 
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11950.html
 
一方で、商品の差別性がなくなり全ての商品が同質化し、競争が激しくなりますます経営資源が限られ、高い効率性が求められる現代のマーケティングにおいて、ブランド・エクイティを正しく理解し、それを形成することは極めて重要になっています。
 
ブランド・エクイティをしっかりと作ることができれば、そのブランド・商品が消費者に選ばれる確率を高めることができるだけでなく、社内の業務や思考プロセス、部門間のコミュニケーションを効率化することができ、日々の仕事を楽にすることさえできてしまいます。

ここでは具体例を用いてブランド・エクイティの本質に迫り、どのように形成すればいいのか、そしてどのように伸ばすことができるのかについて解説していきます。

ブランド・エクイティとは

2-1. ブランド・エクイティとは何か

ブランド・エクイティとは、WHO(誰に)・WHAT(何を)・HOW(どのように)届けるかというマーケティングの基本フレームワークにおいて、WHATの中核を担う重要な考え方です。
 
定義を一言でいうと、定めた消費者(WHO)の頭の中にあるそのブランドのイメージのこと、ともいえるでしょう。

スポーツブランドであるナイキ(NIKE)の例をとってみます。ナイキについて、どんなイメージを持つでしょうか。「スポーツ」・「ナイキのブランドロゴ」・「Just Do It.」・「厚底マラソンシューズ」・「マイケル・ジョーダン」・「最先端」・「かっこいい」・「黒」・「気分が高まる」など、いろいろなイメージがあると思いますが、これらの我々の頭にあるナイキに対するイメージのことをブランド・エクイティと呼びます。もう少し正確に言うと、ナイキにとってのターゲットである消費者が持つこれらのようなイメージがブランド・エクイティとなります。

 では、なぜブランド・エクイティが重要なのでしょうか。それは主に以下の3つのメリットがあるからです。

最も大切なポイントは、消費者のプレファランス(好意度)が高まることです。例えば、ランニングを始めようとシューズを買いにスポーツ用品店に行ったとします。ナイキやアディダス、ニューバランス、アシックス、ミズノなどのシューズが棚に並んでいる中で、あなたはどれを選ぶでしょうか。
 
このとき、純粋にシューズの機能や履き心地、値段だけをフラットに見て決められる人はまずいません。「機能性が高そうな」アシックス、「スニーカーで有名な」ニューバランス、「おしゃれでかっこいい」ナイキのように、必ずそのブランドのイメージが思考のプロセスに入り込みます。ここで、消費者にとってプラスのイメージがある場合、そのブランドの購入確率が高まるのです。
 
ターゲットの消費者の頭の中で、ブランドに対する理想的なイメージが形成されていれば、ブランドが選ばれる確率はぐんぐん高まっていきます。これがブランド・エクイティを正しく形成・醸成する一番のメリットといえます。

2-2. ブランド・エクイティ・ピラミッド

それでは、どのようにブランド・エクイティを形成すればよいのでしょうか。アプローチはたくさんありますが、ブランド・エクイティ・ピラミッドを用いて解説していきます。
 
ブランド・エクイティ・ピラミッドとは、ブランド・エクイティの重要な要素を階層に分けてまとめたものです。ブランドの方向性を定義し、商品やコミュニケーション開発の基礎として活用できるフレームワークです。これに基づいてあらゆる活動がなされることで、ブランド・エクイティを強めることが可能になります。
 
ブランド・エクイティ・ピラミッドは、5つの階層によって成り立ちます。

  1. ブランドのパーパス(目的):ブランドの存在理由。コアのベネフィット(便益)と紐づいており、かつ消費者にとって重要なことでなくてはならない。

  2. コアのベネフィット(便益):消費者にとって重要なことをブランド特有の表現に落としたもの。

  3. アイコニックなアセット:ロゴなど、ブランドを象徴するもの。覚えやすく、コンテクスト(文脈)の外から見てもそのブランドと紐付けられ、長期的には認知や親しみを醸成する。

  4. POD(差別化要素、Point of Difference):そのブランドのコアのベネフィット(便益)を強固なものにする要素。カテゴリによってはPOP(最低限必要な要素、Point of Parity)も必要。

  5. ブランドの性格・特徴:消費者が想起するブランドの性格のようなもので、How(最終的に消費者が見るもの)に一貫性をもたらしてくれる。 

抽象的な説明はここまでにして、ナイキの例を使ってブランド・エクイティ・ピラミッドを考えてみます。

 このようにまとめてみると、いかにナイキが一貫性を持ってコミュニケーションしているか分かるでしょう。ブランド・エクイティ・ピラミッドは、そのブランドが消費者の頭の中でどのようなイメージでいたいかを示す指針となり、あらゆるマーケティング活動の軸として機能していきます。ブランド・エクイティ・ピラミッドが消費者にとって有意義なものである限り、結果として、消費者のプレファレンスが高まり、マーケティングの成功確率が上がっていきます。
 
それだけではなく、マーケティング活動の軸としてのフレームワークが、経営層から現場の営業パーソン、ひいてはバックオフィスのメンバーまで共通認識として言語化されるので、業務や思考のプロセスが効率化されていきます。したがって、一つ一つの施策でゼロから迷ったり、行き場の無い議論をすることが少なくなり、日々の仕事を楽にする役割も果たしてくれます。

ブランド・エクイティ・ピラミッドの作り方

ブランド・エクイティの伸ばし方

(ここからの内容は本編のホワイトペーパーをダウンロードして頂くことで読むことが可能になります。もしご興味を持っていただける場合には、ぜひ以下リンクよりダウンロードをお願い致します。)

資料は以下よりダウンロードできます。


さいごに

ブランド・エクイティの構築において、消費者の声に耳を傾け、消費者を理解することはマストです。定量調査(アンケート)に関しては、セルフアンケートツールが発達し、比較的簡単に行えるようになったものの、定性調査を簡単かつ早く行えるツールは今までになく、結果として消費者との接点が限られ、消費者のインサイトを存分に踏まえた、ブランド・エクイティを作ることが難しかったように感じます。

 このような課題を前職時代からずっと考えておりました。「消費者が神様なのに消費者と話すのが難しすぎる、と。そこで、「ないならならば自分で作ろう!」と立ち上げたのが、弊社で運営している「リサーチDEMO!」です。「リサーチDEMO!」では、1回あたり3万円~、最短で翌日に消費者インタビューをすることができ、セルフアンケートツールと併用すれば、非常に安価で、そして早く消費者に話を聞き、分析を行うことが可能です。モニターは50万人以上おり、どのような属性の人ともすぐに話すことが出来ます。

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弊社ではこれら調査含め、様々な武器を活用したハンズオンのマーケティング支援も行っておりますので、もし事業でお困りのことがあれば何でもご相談ください。お待ちしております。特に、ブランド・エクイティ構築の戦略作り、WHO-WHATの見直しが急務な方は、お気軽にご連絡下さいませ。

お読み頂き、有難うございました!

株式会社MD 代表取締役 石井賢介

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