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「成長教」という悪魔。成功に必要なのは運か努力かに結論つけようではないか。

早いもので2022年も9月、残るは4か月のみとなりました。

「人生は何事をもなさぬにはあまりに長いが何事かをなすにはあまりに短い」

中島敦 「山月記」

山月記の主人公が言っていましたが、時間が足りないと感じているのは、まぁ暇だと感じているよりは良いのかな、なんて思っている今日この頃です。

そんな感傷に浸っている私が担当する本日は、「成長教という悪魔」というテーマです。僕が昔からずーっと思っていて、でも刺激的な内容だから発信できないなーと思ってもやもやしていた内容を、やっと書いてみようと思い立ちました。共感してもらえると嬉しいし、共感できない人も全然いると思うので、それはそれで良いかなと思います!

たまには多少刺激的な話題も。それでは始めます!共感してもらえると嬉しいのですが。

努力か運か

成長教」というのは勝手に僕がネーミングしたものですが、敢えて定義づけるとすれば、

「成功すること」を信仰対象とし、「努力による成長」という修業・経典を経てそこに至ることを目標としている資本主義が生み出した考え方。「成功していない」=「努力が足りない」という考え。ビジネスマッチョ達が大好きな考え方。

世の中、「俺はこんなに努力してるのにお前らは全然頑張ってない」的なマウンティングに溢れているような気がしていまして、僕はこの風潮が苦手です。正確には、そう思っている人は勝手にそう思っていたらよくて、不特定多数の他人に強要してくれるな、という感じです。(一方で、もしかしたら自分もそっちサイドに思われていないか不安ではあるのですが。。。)

なにより、「努力が足りない」というメッセージを盾にして、(意味のない)情報商材だったり、(一部の悪質な)サロンだったり、(内容のない)自己啓発本だったりというものが大量に生み出され、消費されているのが耐えられないなーなんて思っています。日本全体の自己肯定感だけ下げて、結局何も解決しないよなーと感じてしまいます。

実際に、いわゆる世間でいうところの「成功者」と会って話せば、殆どの方が「運のおかげ」「偶然が重なった」みたいに、自分の成功に占める割合のうち、努力以外のパートをかなり重要視しているのは、話したことがある人であれば皆が感じていることだと思います。

売れてるミュージシャンと売れてないミュージシャンの違いは歌やギターの上手さではないし、ましてや練習した量でないことは明らかですよね?親から受け継いだ才能、時代の流行りと自分の音楽性、最初にメディアに取り上げられたアングル、そういった「コントロール不可能」な所まで全部ひっくるめると、成長教が信仰の対象としている「努力」って、そんなに大きいポーションじゃないのでは?なんて考えてしまったりもします。

運や偶然と努力は、実は同じだったんだ

で、ここからが本題です。成長教を疑問視している僕がなぜこれを今まで発信できなかったかというと、「とはいえ1%でも自分の目標を達成する可能性を上げるために出来ることは努力くらいしかない」と思っているからです。ちょっと自己矛盾しちゃうというか、上手に整理が出来なかったんです。

生まれた瞬間、時代、人脈、運命。仮にそういったもので99%が決まっているんだとしても、あまりにも小さい「僕」という存在に出来ることは、残りの1%を必死に手繰り寄せることくらいしかない。ならばそれを頑張ろうではないかと、他人に強要するつもりはないけど、自分では思ってしまうんですね。

たぶん成長教を布教しているビジネスマッチョの方々も、これを理解したうえで、分かりやすくするためにそう言ってると思いますし、そこに対しては僕もそうだなと思っています。

僕が最近整理することに成功した考え方をシェアします。そもそも「運や偶然ってなんだ?」と考えると、もちろん天賦のものもありますが、ほとんどは「確率的に発生している上振れ」なのではないかと考えるようになりました。確率的に発生しているので、試行回数が増えてくると、時々とんでもない幸運が重なったりするんです

ギャンブルをやる方は分かると思うのですが、「異常にツイてる日」みたいなのが時々訪れます。なぜそれが訪れるかというと、「たくさんギャンブルをしているから」なのです。麻雀で言えば100半荘でも200半荘でも、競馬で言えば1000レースでも、賭け続けているんです。

記念すべき初めての競馬で上手くいかなくて、それ以降人生で一度もギャンブルをしていない人は、この「異常にツイている」という確率の上振れを経験することが出来ません。

このギャンブルにおける「試行回数」こそが、人生における「努力」だと解釈しています。努力をたくさんすると、確率の上振れを体験する確率が上がるんです。ギャンブルとの違いは、ビジネスの場合は人生で1回でも「異常にツイている」というものを引き当てれば、他の99敗が消し飛ぶくらいにプラスが大きいというところでしょうか。

毎日同じ人と、同じような仕事を、同じようにしている、という状態は極めて試行回数が少ない状態であることは間違いなく、そこから脱出したいなら、何らかの形で試行回数を増やさなくてはならないよね。というメッセージ自体は、間違っていないのかもしれません。

ということで結論

まとまり無く恐縮ですが、僕が考えている結論を書きます。(異論反論大いにウェルカムです)

1 結局、目的が達成できるかどうかは、運や偶然のポーションがかなり大きい。
2 運や偶然の正体は「確率の上振れ」なので、試行回数(≒努力)が多い方が遭遇しやすい。
3 これを分かったうえで、成長教を積極的に布教してお金稼ぎするのはやめにしませんか?と言いたい。

というのが今のところの結論です。明日からはまたマーケティングの話題に戻ります。引き続きよろしくお願い致します!

本日も有難うございました!

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本内容は、石井が自社のプロジェクトを完全無料公開しているFacebookグループへの投稿から内容を抜粋したものです。グループでは、マーケティングに関する話題や、石井およびプロジェクトメンバーが感じていることを毎日これくらいの分量で発信しています。グループ作成から1か月たたずで1000人弱まで拡大しています。興味がある方はぜひ以下からご登録してみて下さい!

一切お金はかからないのでご心配下さい、僕は成長教を使った金儲けには興味がないので。。。それでは!


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