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時代の変化に合わせて

 凸版印刷が10月1日付で社名を「TOPPAN」に変更した。それを伝えるCMがテレビでも頻繁に流れている。

 同社の事業内容は、すでに「印刷」という枠組みを超えて「情報コミュニケーション」「生活・産業」「エレクトロニクス」の分野など多岐にわたっている。今回の社名変更は、実態に合わせて「看板」を取り替えたということなのだろう。

 一方、従来の社名のまま業務内容を変えてきている企業も多い。たとえば、日本を代表する企業の一つであるトヨタ自動車は、「すべての人に移動の自由を」をコンセプトに掲げ、金融、IT、マリン、バイオ・緑化といった自動車以外の分野にも進出している。

 他にも、食品会社がバイオ・テクノロジーのノウハウを活かして医薬品の開発に着手をするなど、時代の変化に合わせて業態を変化させている事例は枚挙にいとまがない。

 いや、グローバル化や少子高齢化、テクノロジーの急速な進歩など、社会が著しく変化をしているのだから、企業の側もそれに合わせて変わっていくほうが自然だともいえるのだ。


 学校教育の分野でいうと、高校教育でこうした変化が顕著だ。
 たとえば、横浜市内で長い伝統を誇る市立横浜商業高校(Y校)は、以前から別科として理容師・美容師を養成する2年制のコースをもつなど、ユニークな学校として知られていた。近年は商業科の他に、2003年に国際学科、2014年にスポーツマネジメント科を新設している。また、2010年には商業科の中にビジネスリーダーを育成する少人数制のコースを設けた。

 他の自治体の商業高校でも、企業と連携したPBL(Project Based Learning)を積極的に取り入れるなど、学びの改革が進んでいる。

 工業高校の場合も、機械系、電気系、建設系などの伝統的な学科に加えて、ロボット技術、環境デザイン、情報テクノロジーなどの新しい分野を扱うようになってきている。
 学校の名称も、そうしたカリキュラムの実態を踏まえて、工業高校から「工科高校」「科学技術高校」などに改めるところが増えた。

 普通科の高校でも、地域密着型のプロジェクト学習を行ったり、企業や大学と連携した学びを推進したりするなど、特色を出そうとしている学校が多い。

 校名という「看板」を変えるか否かにかかわらず、高校も時代に合わせて変化をしているのだ。

 ・・・案外、昭和の時代からあまり変わっていないのは、「大学への進学実績」を重点目標に掲げた、いわゆる「地域一番校」なのかもしれない。

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