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「ニコニコ超会議」にはあって「大阪・関西万博」にはなさそうなもの

 昨日(4月27日)は、2日間にわたって幕張メッセで開催される「ニコニコ超会議2024」の初日に参加をしてきた。

 この「ニコニコ超会議」は、日本最大級の動画配信サービスである「ニコニコ(niconico)」のコンテンツを地上に再現するというコンセプトのもとに、ユーザーが主体となって開催するイベントだ。

 また、その模様はインターネットでも配信されており、世界中のどこからでも参加をすることが可能となっている。

 今回のテーマである、
「ひとりのこらず主人公。」
 という言葉は、この「ニコニコ超会議」が目指すものを端的に表現しているといえるだろう。

 音楽、ダンス、ゲーム、コスプレなどのクリエイターやパフォーマーとして参加する者たちが「主人公」であるのは当然だ。

 しかし、一般の来場者たちも「推し」が登場するイベントに参加をして盛り上げたり、「つくり手」たちと交流したりすることを楽しみに集まっているのだ。

 この「ニコニコ超会議」へ能動的に参加をしている者たちは、たしかに「主人公」なのである。

 こうした能動性や「つくり手」と「受け手」との関係は、「ニコニコ動画」のコメント機能に代表される双方向性や一体感が基になっているのだろう。

「ニコニコ動画」はYouTubeなどと違って、動画にリアルタイムでコメントが表示され、視聴者も動画の一部となってそれを盛り上げることが可能なのだ。

ニコニコ動画のコメント

 この「ニコニコ超会議」は、そうした「ニコニコ動画」の特長をリアルな世界で再現しているのである。


 ・・・来年4月に開幕をする「大阪・関西万博」だが、その機運はあまり盛り上がっていないようである。

 膨れ上がる一方の予算、パビリオンの建設の遅れなど、理由はいくつもあるだろう。しかし、「大阪・関西万博」には「ニコニコ超会議」のような双方向性や一体感が期待できないという点も無視できないように思う。

 とりわけ、コンサートやスポーツなどのイベントに慣れ親しんでいる若者たちに、「博覧会」というコンテンツがどのように受け止められているのかについて、もっと敏感になるべきではないだろうか。

 無論、2日間開催の「ニコニコ超会議」と半年間にわたる「大阪・関西万博」とを同列にして考えることはできない。また、前者が主にサブカルチャー好きのためのイベントであるのに対して、後者の主要な客層は家族連れだろう。その客層が満足できるような内容であれば、双方向性や一体感に拘る必要はないのかもしれない。

「大阪・関西万博」が「東京ディズニーランド/シー」や「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」と張り合うようなコンテンツを提供できるのであれば、特に心配をする必要はないのだろう。

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