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鎮魂

20代の頃、1年間同じ職場にいて よく一緒に遊びに行っていた人がいた。子育てが忙しくて会えずにいたけど そろそろ会えるかなって思ってた。独身だった私たちは、職場で毎日一緒にいるのに、休みの日も山に登ったり、買い物に行ったりした。とっても明るい人だった。いっぱい笑った。

でも、その人が少し前に他界していたことを知った。「久しぶり!最近どう?」ってメールをやりとりした頃ではないかという気がした。そのメールを確認したくて、あちこち探したけど、不思議とそのメールだけが どれだけ探しても見つからなかった。「私たちがお母さんしてるだなんて信じられないよね」って笑い合うようにやりとりしたメール。

坂本美雨の歌声を聞いたり、その人のことをいっぱい思い出したり、涙を流したりして 自分なりにお見送りをしている。ご家族に私のことを話してくれていたと聞き、それを思うたびに なんとも言えない思いがこみ上げる。大好きな彼女が、どんなに忙しくても遠慮せずに会いたいってもっと強く言えばよかった。

今 生かされている自分。
どうやって生きよう。再び彼女に会える日まで。
たくさん笑って、たくさん食べて、働いて、寝て、日常の些事を慈しんで、こつこつと日々を重ねていこうと そういうことをしていくだけだなと思う。



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