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(旧キット作りてぇ〜)量産型リコ  第一話感想

昨夜から放送が始まったドラマ「量産型リコ」

最初に情報を知ったときは、「素組みでポン→ハイ完成!」みたいな
軽い触り出しかと思っていたら、先日公開された予告映像(1分)を見て衝撃を受けました。

主人公の小向璃子(演:与田祐希)が最初に出会ったプラモデルは
まさかの旧キット量産型ザク

「量産型」をテーマにした作品ということで、てっきりHGUCのザクⅡとかが登場するだろうと完全に油断していたため、意外なキャストにビックリ。

予告動画の35秒付近。
製作意欲をそそるニッパーでパチパチカットしていく描写から始まり、接着した箇所を手際よくヤスって合わせ目消し。ヤスリの粉をフッと払ったあと、大きめの平筆で塗っていくという工程がスピード感たっぷりに気持ちよく描かれているシーンは、わずか4秒ながら、おそらく全プラモデルファンが熱狂したはず。

というか、こんなガッツリと踏み込んだ製作をするなんて知らなかったので、驚くばかりです。

坂道系のアイドルとか全く興味のない僕ですが、これは絶対見ないと!!と、
放送前からワクワクしてました。


第一話感想

※プラモデルが中心に描かれるBパート(中間のCM以降)について語っていきます。

仕事帰り、小向璃子は薄暗い商店街を歩いていると、ショーウィンドウの中のたくさんのプラモデルたちが目に留まりました。
ドアには「矢島模型店」と書かれており、どうやらまだ開店中。
おそるおそる扉を開け、入店。
金管楽器によるBGMが、店内の不思議な雰囲気を演出しています。

するとどうでしょう。そこには数多くの種類のプラモデルが。

特にガンプラの品揃えがやばいですね。
HGが一通りズラッと並んでいるのはもちろん、今ではほとんど見かけないMSVシリーズなども置いていて、ただただ「いいな〜」と思うだけ。
(これが転売屋のいない平和な世界なのか…はぁ……)

その後、模型店の店長(演:田中要次)とアルバイトさん(演:石川恵里加)と一緒に、璃子が作る初めてのプラモデルを決めます。

まあ、ほとんどの場合、初心者には道具なしでも簡単に組み立てることができるEGエントリーグレードとかを勧められることが多いのですが、璃子が自らの意志で選んだのはまさかの旧キット量産型ザク

Aパートにて同期に言われた「いつの間に量産型の人間になってんだよ」という言葉が、璃子の心の中で引っかかっていたため、パッケージの「量産型」という3文字に反応してしまったのでしょうか。
(ところで「量産型」という言葉は一般的にはガンダムでしか聞かないので、もしかしてその同期もガンダムファン?…なんて)

ちなみに、僕が好きな量産型モビルスーツは「ボール」です(これはモビルスーツじゃなくてモビルポッドか)。


普通なら、プラモデルこれから始めます!という人に旧キットは絶対勧めませんが、そこは矢島模型店。お客さんの意志を尊重し、たとえ旧キットであろうと組み立てを手厚くサポートしてくれます。
こういった、お客さんを大切に扱う模型店は年々減少気味なので、もっと増えてくれると嬉しいんですけどねぇ。


ということで、店の奥にて、店長・アルバイトさんとともにザクを作ることになった璃子。
「ご開帳~」という掛け声とともに箱を開けると、そこには緑一色のランナーが。

地味なポイントですが、この「箱を開ける瞬間」を丁寧にカメラに収めてくれたのはほんとありがたい。「箱を開ける瞬間」こそ、作る前のワクワクを最大限に引き立てている時だと思うのは僕だけではないと思います。

続いて、店長に借りたニッパーを使って早速組み立て。
この描写ですが、海外のYouTube動画でよくある、切り出す瞬間だけを繋いでいくという構成を採用しており、なかなか芸が細かいなぁと思いました。とにかく見ていて気持ちが良いので、goodポイント。

当然スナップフィットではないので、接着剤も使います。

この場面を見て気になったのですが、最近のキットを組む上では必要のないプラモ用接着剤が当たり前に登場し、当たり前に使っているなと思いました。そもそも、なんでドラマの第一話という重要タイミングで、旧キットをわざわざ引っ張り出してきたのか・・・

これはつまり、「プラモデルとは、その状況に適した道具・材料を使い、創意工夫を凝らして自分だけの作品を作り上げるものである」ということを視聴者に伝えたかったのではと思います。

旧キットはいわばプラモデルの原点。去年リメイクされたHGUCのザクⅡを使わず、敢えて製作難易度の高い旧キットを登場させたのには、
旧キットこそ、プラモデルを作り上げる本当の楽しみが詰まっているからだと思います。

もちろん、ストレスフリーに組み立てできる最新キットも良いのですが、これを見た夜には、全視聴者が「旧キット作りてぇ〜」と思ったことでしょう。かくいう僕もその一人。

このドラマは、制作協力にバンダイスピリッツがついていますが、それは決して新商品の宣伝という目的ではなく、プラモデルの魅力を原点を通して伝えるために動いてくれたんだと信じています。
結論、良コンテンツですね。



(少しツッコミ)

本編では接着剤を使ったあと、もちろん硬化時間を待ちましたが、その待ち時間が短すぎるような気がしますね。待ち時間は完全カットされていましたが、大体1時間くらい?もっと短いか。
使っていたのが溶剤系の接着剤だと確認できたので、間違いないでしょう。
硬化時間が短いままヤスリがけに入ると、ほぼ100%合わせ目がヒケてしまうので、あまりお勧めしません。最低でも24時間は乾燥が必要だと思いますが、ドラマの演出上の事情なので、これはまあ仕方ない。「瞬間接着剤を使った」ということにしておきましょう。


まとめ

テレビドラマ「量産型リコ」の感想でした。

何かに夢中になれるって、何気ないことだけど素晴らしいなと思った第一話。

テレ東の制作ということで、内容も充実していてかなり面白かったです。(テレ東制作のドラマといえば、勇者ヨシヒコやゆるキャン△などがお気に入りでしたが、また一つ、素敵な作品に出会えました)

次回はなんとカーモデルが登場するということで、制作陣の守備範囲が広いですね。予告を見る限り、エアブラシを使う場面もありそうなので、どんな仕上がりになるか楽しみです。

それでは。





(「ネットもテレ東」ほか各種配信サービスで無料見逃し配信をやっているので、東京圏以外の方でも見ることができますよ!)

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