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告白雨雲

雨男ならぬ雨雲男。
彼が現れるとなぜか急に空が暗くなる。
花を背負ったキャラクターは華やかだけど、雨雲を背負った男はなんとなくしっとりした色気があると思う。
「こいつ僕のペットなんだ」
彼がそう告白したのは3度目のデートの時のことだった。
雨雲連れの彼とは外でのデートより室内が良いと思い、家に呼んだのだ。
「雲ちゃん」
彼は雨雲を呼んで
「待て」
と言った。
雨雲はワンとは言わなかったけどおとなしく家の上で待っていた。
「迷子の雨雲をね。拾ったんだよ。僕が小学生の時。綿飴かなぁと思って口に含んだらビリビリして。あれって静電気だったんだね」
とケラケラ笑う。
「それからずっと雨雲連れて歩いてるんだ?」
「そう。雨の日の結婚式は縁起が良いらしいよ」
「へえ」

それから10年。洗濯物は乾きにくいけど、風呂に水はためてくれるし、雷で電気代はかからないし、雨雲ちゃんはなくてならない我が家の一員だ。

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