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「追悼 水木しげる『ゲゲゲの人生展』」

 京都大丸ミュージアムで開催されていた「追悼水木しげる『ゲゲゲの人生展』」を観に行ってきた。

 展示内容は、水木氏の人生とそれに伴う作品や資料、水木氏の貴重なコレクションの展示が主で、全部で6章に分けて展示されている。
 なかでも私が興味を惹かれたのは、水木サンが仕事をしている背中を映すプロジェクションマッピングだ。手前では水木サンが仕事をしたり、眠ったりしている、その奥のモニターにはずらりと資料のスクラップブックが映し出されている。そこへ、たまに妖怪たちがやってくる……そして水木サンが目を覚ますと消えてしまう、と言うものだ。
 手前の映し出しも斬新で面白かったが、やはり奥の資料棚から顔を出すキジムナーや、大勢現れる妖怪、鬼太郎たちの演出が面白く、二回ほど観た。意外とレパートリーがあり、全てを見るのに5分はあったと思う。
 ほかにも水木氏の居間の再現なども配置されており、想像以上のボリュームが展示されていた。
 直に原稿を鑑賞できるため、原稿の前で数分以上立ち止まることもしばしば。幾ら時間をかけても足りないほどの内容で、何度か会場内を行ったり来たりした。

 来場者数が多く、またその年代も幅広く、水木氏がいかに大衆に愛されていたか。それを感じることができたように思う。
 また、詳細は控えるが、エピローグである第6章での奥様のメッセージ、そして各著名人からのメッセージには思わず目頭が熱くなった。
 実際涙を浮かべている観客も幾人か見かけた。

 図録(2,300円。購入をオススメする)には、展示されていなかった原稿なども収録されており、単なる展示の目録ではなく一冊の読み物として完成されていたことも報告しておく。

 いかに水木しげる先生が愛され、そして愛していたかを知る、貴重な時間を過ごすことができた。
 京都での展示以降はどこで開催されるか不明だが、開催されたのならば是非、足を運んでいただくことをおすすめしたい。
 会場限定グッズもかわいいぞ!!

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