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凰太郎WORLDノベル

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【無料マガジン】 このマガジンでは『長篇』と呼ぶには短く単発的で、一方で『掌編』と呼ぶには『連続もの』と構成されているタイプの『小説』を雑多に収録していきます。 本来は〈小説投稿… もっと読む
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記事一覧

作品紹介:かしまし幽姫

【作品紹介】 伝説の幽霊三人娘──。 『四谷怪談』の〝お岩〟──。 『牡丹灯籠』の〝お露〟…

凰太郎
4か月前

かしまし幽姫と都市伝説 其ノ一

「いらっしゃいませ~♪ 」  今日も明るい笑顔で接客接客♪  此処〈和風喫茶ヨシダ〉は、わ…

凰太郎
4か月前

かしまし幽姫と都市伝説 其ノ二

「アタシ、最近気付いたんだがよォ?」と、ブラックコーヒー啜りに切り出すお岩ちゃん。 「う…

凰太郎
4か月前

かしまし幽姫と都市伝説 其ノ三

「本当にやりますのね」  げんなりと醒めた抑揚のお露ちゃん。  三人揃って、垣根の植え込み…

凰太郎
3か月前
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かしまし幽姫と都市伝説 其ノ四

「……え?」  唐突な展開に、女の子は戸惑いを染めていた。  緊迫の糸が切れたのか、その場…

凰太郎
3か月前
2

かしまし幽姫と都市伝説 其ノ五

 正座させられた。  公園ベンチの前に、シュンと正座させられた。  口裂けちゃんが……。 …

凰太郎
3か月前
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かしまし幽姫と都市伝説 其ノ六

「お岩ちゃん、ダメ!」  背後から羽交い締め! 「止めんな! お菊! イライラしてんだよ! とにかく誰でもいいからブン殴りてぇんだよ!」  この幽霊、生理が本当の意味で〝危険日〟なタイプだ。 「ダメだってば!」 「昨日、競馬で〈於岩稲荷〉の賽銭を擦ってんだよ! 六万も! だから、ウサ晴らしてぇんだよ!」  トンデモない理由が白日の下に曝されたわ。 「それこそ八つ当たりじゃない!」 「アタシは、いいんだ! 世界はアタシを中心に回ってる!」 「違うよ! お皿だよ!」 「アラアラ♪

かしまし幽姫と都市伝説 其ノ七

 やっとこさ井戸の底から這い上がって来たわ。  全身ズブ濡れグロッキーなわたしとお岩ちゃ…

凰太郎
2か月前
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かしまし幽姫と都市伝説 其ノ八

 と、それまでクスクス含み笑いに徹していたお露ちゃんが、徐に口を挟んだ。 「いい考えがあ…

凰太郎
2か月前
2

かしまし幽姫と学校の怪談 其ノ一

「……本当にやりますのね」  げんなりゲロゲロテンションなお露ちゃん。  わたし達は三人揃…

凰太郎
2か月前
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かしまし幽姫と学校の怪談 其ノ二

「で? まずは何だっけ?」  校庭へ入るなり、お岩ちゃんが指針を求めた。 「まずは〈走る二…

凰太郎
2か月前
2

かしまし幽姫と学校の怪談 其ノ三

「ケケケケケケケケッ!」  耳障りな高笑いで廊下を駆け抜ける異形!  餓鬼のような上半身だ…

凰太郎
1か月前
2

かしまし幽姫と学校の怪談 其ノ四

 『笑う音楽家』は、全員、お露ちゃんに〈ビジュアル系バンド〉へと路線変更された。  『見…

凰太郎
1か月前
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かしまし幽姫と学校の怪談 其ノ五

「此処ですわね」と、お露ちゃん。  花子さんから教えられた一階男子トイレの前だ。 「まさか一階だったとはなぁ」 「完全に無駄足だったね……これまでの流れ……」 「そうでもありません事よ? 花子さんの話によると、相手は〝トイレ個室なら自由に行き来が出来る〟──つまり〈トイレワープ〉を行えるのですから、その〝自室〟を探り当てるのは大きな意味がありますわ」 「そうだね……って〈トイレワープ〉って何ッ!」 「おそらく便器同士をワームホールとして繋げて──」 「プロセスなんて聞いてない