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落ちこぼれを教えてた日々:後編

こちら前編を読んでいただかないと、よくわからないと思いますので、ぜひこちらから


続いてのケースは登校拒否児の男の子(中学2年生B君)

こちらも問題児ということで個別指導として担当が回って来た

受け持つ前に聞いていた前評判は最悪で、ヤンキーではないが、自閉症で登校拒否気味、コミュニーケーションが取れない、というもの


またまたハードル高いの来たなオイ

うちの兄も

「お前、Bの担当になったんやって?大変な生徒ばっかり持たされてんな(笑)前任者が手に負えへんくて辞退したらしいやん」

と言ってくる始末


マジかよ

とか思いながら

初対面の日、部屋で待っていると


入って来たのは、小柄で、ハリーポッターみたいな可愛い男の子ではありませんか


こんな可愛いらしい子がその問題児??

確かに若干落ち着きなく、ちょっと挙動不審で、コミュニケーションは苦手という感じはありましたが


基本的には素直な良い子、というのが第一印象


帰ってから兄と「Bめっちゃ普通やったで。誰かと間違えてない?」

兄「へー、そうなんや。良かったやん。なんか見た目はハリーポッターみたいやろ?」


という会話をしたのを覚えてます

それからも、B君との個別指導は続きました

まぁ、勉強はあまり教えてませんが(笑)

講師経験のない私でも、勉強したいと思ってない子、勉強する意味がわからない子に、とりあえず教科書開かせて、勉強させようとするなんて愚行はさすがにやりません

まずは単純に彼のことが知りたいという好奇心に身を任せて

ひたすら日常会話

するとアイシールド21を読んでるという話になり(※当時少年ジャンプで連載していたアメフト漫画)

私がアメフトやってるという話で大盛り上がり

私「高校入ったらやったらええやん」

彼「アメフトある高校なんてあるの?」

私「少ないけどあるでー。でも、その高校に入るのは勉強せなあかんなー」

彼「勉強かー。嫌やなー。」

私「アメフトやりたいなら、勉強やってみたらええやん」

彼「入れるかな?」

私「それはお前の頑張り次第やわ(笑)簡単ではないよ。頑張るんやったら、俺も頑張って教えるわ」

なんて言いながら勉強への興味を引いて

たまにはちゃんと勉強を教える(笑)
(もちろんこの程度で成績向上するはずありませんが)


私「今度ここの近くのスタジアムでうちのアメフトチームの試合あるけど見にくるか?」

彼「え、タダで見れんの?」

私「中学生以下は無料で入れるからおいでや。残念ながら俺と話す時間はないかもしらんけど。」

彼「わかった。行けたら行くわ。」

それ関西人の来ないパターン(笑)

でも、蓋を開けてみると当日、ちゃんと会場に来てくれていて、2-3時間もある試合を一人で最後まで見ててくれてました。

残念ながら、私がやられて負けちゃったんですけどね、その試合(笑)

試合終了後、フィールドから控え室に戻る私を見つけて、客席最前線まで降りて来て声を掛けてくれたB君

彼「なんかヘルメット被ってるからどれかわからんかったし、ルールもよくわからんかったけど、面白かったわ!」


単純に可愛い子供だなと思ったのを覚えてます


この話を後日、塾長以下他の講師に言ったらメチャクチャ驚かれましたね

あのBが一人で見に行ったんですか!?

それ凄いですねー!!

と言われましたが

私からするとBは初めから素直な良い子だったから、そんなに驚くことなかったんですけどね

単純にウマが合ったんでしょう


その後、間も無く学年が上がり、バイトする余裕もなくなったので、奨学金に切り替えてその塾を辞めました


辞めた後も、しばらくはメールアドレスの変更連絡が来て、軽くメールを交わしたりすることもありましたが、自然と連絡も途絶え


B君がその後どうなったのかはわかりませんが、幸せに暮らしてくれてればなと思います。


このように落ちこぼれと言われるような子供達

何かしらの問題を抱えている子が多いですが

しっかり大人が時間をかけて対話すれば、何とでもなるんじゃないかなと思った経験でした

本来それは親がするべきで

それを親が何かしらの理由で出来ない、する能力がない、そもそもしないとなった場合に

他人が、そこまで親身になって、その子供たちと対話が出来るかっていうと

非常に難しいのも事実です

私もあくまで、仕事で給料を貰ってたから、その時間だけやってたわけですしね


ここで講師というものを経験したことで

教師ってのは、志があるだけじゃなく、ホントに才能がある人間じゃないと務まらないなと再認識しました

というのも

ここで講師をしていた人は、地元に貢献したいという熱い学生か、教師を目指しているような学生がほとんどで、バイト感覚で来てるのは私ぐらいだったのかなと思いますが

僕より教育ということに意識高い人達、ましてや教師を目指しているような人達が

この塾では、子供達に舐められてたり

嫌われてたりで

授業をまとめれなかったり

中にはB君をギブアップしちゃった人もいるくらいで

私としては

「おいおい、教師になりたいんじゃなかったの?

君が言う教師って何よ?

自分のことをわかってくれる優等生達の前で、自己満の授業するだけの存在を指してるのかい?

教師なめんなよ

小中の教師ってのは、ホンマにその生徒一人一人の人生変えるだけの影響力あるんやぞ」

と思いましたね


個人的な見解ですが

たぶん教師の才能って、本人が子供の頃に既に出てると思うんですよね

小中学生時代に、もうその片鱗が出てるはずなんですよ

要は子供の時に既にインフルエンサーやファシリテーターのような存在でないと

大人になってから急に教師になりますってのは、無理なんじゃないかなぁと

B君をギブアップした人は、いかにもマジメそうでおとなしくて、勉強が好きそうな人でしたが、友達おるんかなこの人?ていうのが第一印象でしたからね

残念ながらそういうのって、子供の方がよく見てるし

舐められますよ

かくいう私は

たまに教師に向いてると人から言っていただけることがありますが


残念ながら私は向いてないと自覚してます

なぜなら

好き嫌いが激しくて、態度に明らかに出すからです(笑)

まぁ、そんな人間が教師になって良いわけありませんよね(笑)


カリスマ教師の兄からもお前には無理と言われてますし


教師は向いてませんが、こういった形の講師なら出来るんじゃないかなとは思ってるんですよねー

ハイパーライフアドバイザー的な新しい職業でも作りますか(笑)


PS:貧困だ格差だなんて騒がれてますが、現在小中の教師がこういったところまでフォロー出来なくなってる(過剰な体罰問題やモンスターペアレント)のも、一因としてあるんじゃないかなとボンヤリ思ってみたり。

成功している人たちの中には、「努力で何とでもなる。人生なんて自分次第、やるかやらないかだけや!」という人もいますが

それは同じ環境であることが前提だということをわかってほしい。

親は選べないし、子供にとっては与えられた環境がすべてです。

#カウンセリング #塾講師 #アメフト #登校拒否児 #教育 #貧困 #教師

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