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ターニングポイント〜道案内の看板は、ずっと同じ地点を指していた〜


「あんたの後ろ姿、おばあちゃんにそっくり」

この言葉に、ものすごく怒りを覚えたのを今でも思い出す。

畑仕事をしていたわたしの背中を見て、
道路を挟んだ向かいのおばさんが声をかけてきた。


ちょっと小馬鹿にするような口調。

大体、
嫌味なおばさんなのだ。

投げつけられた言葉、ムカつく。


ばあちゃん。

いつも野良着姿で
朝から晩まで畑仕事
70歳を過ぎて認知症を患い
幼少期に戻ってしまった心で昼夜問わず徘徊しては
どこそこで騒動を起こしていた祖母。

そんな祖母と、高校生のわたしの姿が


「そっくり」だと?


家族共々馬鹿にされているようで本当に腹が立ったし、
今思い出しても苦い味しかしない。

いやいやオバちゃん、見てるがいい。
わたしは鹿児島を出るから。



 🥬


人 < 人以外の生き物

の超過疎の田舎だからこそ、人の行動が非常に目に付く。らしい。
暇を持て余したババアたちは人の噂がおかず、いや主食。


そんな地元なので

なんの後腐れもなくマチへ出た。




好きなのか
嫌いなのか、

農業について言えば、それは家族の生業で
やれと言われているから
やっただけ。


農作物は地方で作ってもらって、
高い給料もらって
都会で消費者生活を送ってやる。


そう思っていた。はっきりと。
でも
目線はもっとその先に沈む悲しみを見ていた。


手入れがなされず崩れる山林。
浜辺に下ってみれば
夏でも冬でも通っていた海は「磯焼け」で枯れている。


 🥬


便利さをいっぺんに集めた都会に出たけれど

結婚、
引っ越し、
転勤、、

人生の分岐ごとに、周りの緑が濃くなってきた。


   山ばっかり、海ばっかりの中で育った。

わたしの意識がそうでなくても、
わたしの感性に埋め込まれた自然は
ゆるやかに
身近な環境を整えてくれていたのだ。

そしてわたしは次第に緑を求め始める。

小さな鉢植えから始まって
ベランダを花のプランターで埋め尽くし
いまは湘南の片隅に
8畳ほどの畑を借りている。


たぶんわたしはずっと自然に話しかけられていたのだと思う。
畑なんてできない
と思っていたのは独りよがりだったのだ。

何も
元居た場所じゃなくていい。
言ったら
どこだっていい、そこに土があれば。

家庭菜園レベルでも、
自然栽培や有機栽培を軸にしている
数少ないこの場所に出会えたことが

わたしのターニングポイントだった。



あの日、
近所のおばちゃんが鼻で笑ったわたしの姿が
未来に目指す原型だったなんて。


🥬

今回の投稿は大好きな庵忠陛下主催の企画
清水カップ」?
ターニングポイント」?
あれ?タイトルどっちだっけ!??

・・・・への参加記事です。

最後の言葉尻にしっくりくる言い回しが思いつきませんでしたが、
現在進行形で船は進んでいます。

生きていて
どこかで「あれ?」と思う出来事は
スルーできない性分なのだと改めてわかりました。

自己分析の類としてもターニングポイント企画は
秀逸です。

こちらから入れますので、
ぜひいろいろな方の分岐点に立ってみてください。
もう戻ってこられないくらい、登場する皆さんの魅力にのめり込みますよ💖


それにしても寒ーーーーい!
みなさん、
暖かくして、
とにかくお元気で!!







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