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銃声が苦手すぎてレ・ミゼラブルで耳栓を使ってみた話

舞台が好き。
生でお芝居が見たい。
でも、舞台の急な大きな音が怖い。
ビクッとして隣の人とかの注目を集めたくない。
でも、舞台は好き。
そんな私の話をさせてください。

いつかは治ると思ってたビビり癖

舞台が好きになった原点は、小学生のころ両親に連れて行ってもらったUSJのショー。
関西っぽいノリが楽しいモンスターライブロックンロールショー。
初めて観たブロードウェイ産のミュージカル ウィケッド(3時間のストーリーが30分にギュッと短縮。私のブロードウェイミュージカル体験の原点)

二つともオープニングの音が怖くて、始まるときは耳を塞ぎながら観ていました。


何度も見ても新鮮にオープニングにビビりながら、いつか大きくなったら大きい音にも慣れるのかなと心の片隅で思っていました。

でも、そんなことはありませんでした。


場面転換の音に毎回ビクッとしてしまうことが恥ずかしくて、幕間で帰ったナイロン100℃の「睾丸」
オーバーチュアの最初の音でビクッとして、隣の席の同い年くらいの方に二度見された「マンマミーア」
1回銃声がした時点で、話の流れよりも、またいつ銃声がするのかばかり気になった「ほんとうのハウンド警部」

「苦手だ」「ビクッとして隣の席の人に迷惑をかけたらダメだ」
ーそう思えば思うほど年々舞台の銃声やら急な大きな音が苦手になる負のループに自分自身でも嫌気が差していました。

ビビる要素が多いレミゼ

言わずと知れた有名ミュージカル「レ・ミゼラブル」
好きな作品で、何度も観劇していますが、チケットを取るときは、観たい気持ちとビビる要素がたくさんあって嫌だなという気持ちが拮抗します。

レミゼで思わずビクッとしてしまうシーンを書き出してみると

・一幕の♪ジャジャーンから始まるオープニング
・二幕頭のイントロ
・砦にバルジャンがやって来て、銃撃戦が始まったときに、下手の政府軍が放つ銃声
・ガブローシュが撃たれる銃声
・パルジャンがジャベールを逃すときの天に向かって打つ銃声(的確な表現がわからない…)


上記の中でも、一幕・二幕それぞれの幕開きの曲は、コンダクターを見ていると、タイミングがつかめて、ビクッとせずにすみます。(あくまでも私の場合)

しかし、銃声はここで来るとわかっていても、思わずビビってしまいます。

そこで、耳栓を使って観劇してみることに。


耳栓を使ってみた感想

レミゼは、2幕の前半のバリケードシーンにビビるシーンが集中しているので、2幕開演直前に耳栓を装着。

飛行機に乗ったときか何かにもらった耳栓でしたが、いい感じに音をマイルドにしてくれます。
おかげさまで、ジャベールを逃した後に、バルジャンが天に向かって発砲する(個人的に一番鬼門な)シーンもビクッとせずに済みました。

耳栓をしたからと言って、全く音が聞こえなくなるわけではないので、on my ownや bring him homeといった二幕前半の名曲もバッチリ楽しめました。

耳栓の遮音性については、購入時に、NRRというどれくらいの防音効果があるかを示した数値をチェックするといいかもしれません。(ちなみに、私が使ったものは、特にNRRの数値が書いていない耳栓でしたが、一定の効果はありました笑)

苦手なものは耐えて、克服しなければならない…?


義務教育の中で、「苦手は克服しましょう」と教えられてきて、苦手なことがあるのは恥だし、克服すべき対象だと考えてきたけれど、

苦手なものは何年経っても苦手だし(何ならその苦手意識がさらに苦手にさせる)、むしろ苦手なことを認めた上で、どうしたら苦手を回避できるか、嫌な気持ちを軽減できるかと考えて、自分自身を大切にする方が楽しく生きられるのかも知れない。

やたら話が壮大になりましたが、舞台を観続けて十数年経って、ようやくそんな風に考えられるようになりました。


耳栓を持参して、すぐ取り出せる位置に準備しておくだけで、「ビクッとして隣の人に不快な思いをさせたらどうしよう」という不安が随分と軽減されました。


私は、大きな音が苦手ですが、
暗いところが苦手とか、閉所が苦手とか、それぞれの苦手がきっとあるのかなと想像します。

「苦手があることは罪じゃない。」「苦手から自分を守る策を取っていい」
ーそんな思いが共有できたらいいなと願いつつ…。


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