「違和感」

 ワイドナショーを視聴していると、島田紳助がYouTubeに出演したという話題に触れていた。引退前に親交のあったmisonoのダンナが闘病中ということで、自分がmisonoのYouTubeチャンネルに出演することで視聴数を稼ぎ、広告収入が増えるようにという思惑があったという。これはこれでイイ話なのだと思うし、紳助らしいなとも思う。スタジオのコメンテーターも、このニュース(?)には好意的な見方を示していたように感じられた。

 しかしである。紳助が引退に追い込まれたのは、暴力団幹部との付き合いが問題視されたためだったはずだ。しかも本人は引退会見の中で「もし、僕が暴力団幹部とのツーショット写真があるというなら出してくれ。もしそれがあったら、僕は皆さんの前で切腹する」とまで言い放ちながら、引退会見の数日後には見事に写真が雑誌に掲載されるというオチまでつけての引退だった。そして昨年には大勢の芸人が反社会的組織(詐欺グループ)のパーティーに出席していたという理由で、謹慎処分を受けている。

 個人的には、芸人にモラルを求める必要はないと思っている。彼らは基本的に興業の世界で生きており、興業が暴力団のお仕事であることは事実だからだ。芸人の世界のあり方を一気に変えることができない以上、興行主=やくざとの付き合いが発生するのは、一種の付帯事項のようなものだと思っている。しかし、テレビ界はそれを認めなかった。格闘技もそれが原因で地上波での放送を減らした。ならば、如何にニュースバリューがあろうとも、紳助の話題をオンエアすべきではないし、ましてや復帰を望むという発言も封じるべきなのではないか。

 テレビの存在感は確実に縮小している。番組が面白くないということが主原因ではあるだろうが、一方にはこうした筋の通らない姿勢が嫌われていることも事実だと思う。これに気付かなければ、テレビの退潮傾向には歯止めがかからないだろう。

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