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主人公の「欠点」を決めれば誰でも物語を面白く出来る

これまでデビュー前の漫画家志望者の作品を50以上見てきました。
そして読んだあとによく思うことは「この物語にはなんの意味があったのだろう?」ということです。
物語の中では色々な出来事が起きるのですが、最初と最後で結局何も変わっていないということが多いです。
人物や状況の変化や成長がない物語が多い。

成長が無い漫画は、そもそも主人公に欠点がないことが多いです。
既に性格も問題なく環境にも恵まれている為、最初と最後で変化が付けにくい。物語に特に意味がない。

この「物語に意味がない問題」を簡単に解決する方法として、
主人公に欠点を付けるという方法があります。
例えば恋愛マンガで、主人公の女の子に好きな男の子がいる。
そして勇気を出して告白。ラストには二人は付き合う。
という話があるとします。

ここでやってはいけないのは「勇気を出して頑張っただけで付き合えてしまう」という事です。

勇気を出した結果付き合えたなら素敵な事じゃないか!と思うかもしれません。
もちろん現実世界ならそれで何も問題無いのですが、創作において「頑張っただけでなんとかなる」は危険な展開です。
なぜかというと、頑張っただけで付き合えるなら最初から付き合えたじゃん となってしまうからです。

つまり1p目の主人公でも告白出来るなら、何ページも割く必要が無いんです。
1p目の主人公に出来なかったことが最後にはできるようになっている。これが成長です。

成長を描くために必要なのが主人公の欠点です。欠点がなければ成長する必要もないですから…


まずやることは主人公に性格的な悩みや問題を付けること。
告白出来ない理由に何か性格的な悩みを付け、その悩みを解決したことで告白できるようになる という風にすると告白という行動と人物の成長をセットで見せることができます。
(悩みは性格的なものでなくてももちろんいいのですが、性格と絡めるとキャラクターの魅力や成長を表現しやすいのでオススメ)

勇気がなくて告白できない!ではなく
人見知りだから告白できない→自分の殻を破れるようになる
顔に自信がなくて告白できない→外見を言い訳にしないようになる
友達の意見を気にして告白できない→周りの意見を気にしない人間になる

こんなふうに、具体的な告白できない理由(=性格の欠点)を作るとキャラクターの成長の物語を描くことが出来ます。


欠点を作ることにはもう一つ大きなメリットがあります。
それは共感です。

欠点というと一見悪い感じに聞こえますが、欠点のある人間にこそ
人は共感できるものです。

多くの人に愛される人は欠点だらけだったりします。
欠点があるからこそ応援もしたくなる。
例えばかぐや様は告らせたいなんかはわかりやすいかもしれません。
エリートたちの恋愛…というだけでは嫌味な感じになってしまいますが、
超絶不器用な性格だからこそ読者は惹かれて、
物語はトラブルだらけで面白くなります。

欠点は平凡なもので大丈夫です。
人見知りとか、ビビリとか、自己中とか、取り柄がないとか…
自分自身が持っている欠点ならば、きっと共感してくれる読者もいるでしょう。
逆にスケールの大きすぎる悩みは共感しにくいことが多いです。
スケールが大きい物語でも、悩みは共感しやすいものに!


今回は欠点から話をつくる方法を描きましたが、物語の作り方は人それぞれ。
ただ欠点から作る方法は「共感しやすく成長を描きやすい」という創作初心者にはもってこいのやりかたです。
(そこで失敗する人が多いので…)
ぜひ試してみてください!


また直接的なアドバイスを誰かにもらいたいという方は
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