ウルトラコンプライアンス
昭和のウルトラマンシリーズが好きだ。
いきなり何のカミングアウトなのかと思うが、たまたまU-NEXTの新作で、昭和のウルトラマンシリーズが上がって、懐かしくなり大人になった今、子供に戻って見直しているのだ。
ウルトラマンシリーズは好きだが特撮オタクというほどの興味がない。
戦隊モノでも、仮面ライダーでもなく、平成でも令和でもない昭和のウルトラマンシリーズのみが好きなのだ。
古き良き名残を残しつつ、当時の映像技術であの手この手で、リアルを追求していく所が好きだ。
子供の頃、ウルトラマンシリーズをBS放送を見て、彼らが怪獣退治をする姿にワクワクしていたのを覚えてる。
そのシリーズの中でも、何故かずっとウルトラマンレオが一番好きだった。ビームを出すのが苦手な設定で、キックやチョップでやっつける泥臭さや空手技を取り入れたスピーディーな動きが、他のシリーズにはない魅力を感じた。(途中からビームも出すようになる)
初期は必ず負ける→セブン(ダン)に怒られる→特訓する→勝つ
この繰り返しだった。
完成されてなく、人間臭く、泥臭い。
修行により強くなっていくタイプのヒーローだった。
大人になった今ちゃんと見てみると、設定が過酷だった。
主人公の故郷の星が滅ぼされ、変身できなくなったウルトラセブン(地球上ではモロボシ・ダン)による過酷な訓練、制作側の都合で、経費削減のためもあり、所属している基地も恋人も、家族的存在も失うのだ。
こんな孤独なヒーローを良く何も考えず見ていたなと思う。
修行がとにかく過酷だ。
滝の流れを断ち切る特訓ということで、真冬の滝での撮影は俳優の体調が気になる。
丸太を鉛筆のように尖らせ、ロープにくくりつけて、気に吊るし振り子のようにやってくる丸太を避ける訓練。
下手すれば大事故だ。
恐怖心を克服するために、ウルトラセブンであるモロボシ・ダンが運転するジープで轢かれそうになりながらも、むしろジープへ向かっていく訓練。
モロボシ・ダンは「逃げるな!向かってこい!」と叫ぶが、正気とは思えない。
いや、監督どうかしてるぜ!
大人になって見てみると、もう子供のころのワクワクよりも、どれだけコンプライアンス的にアウト過ぎるかヒヤヒヤして続きが気になる。
※特別な訓練を受けております
このテロップが必要な場面が多すぎる。
レオも見終わり今見ているのが、ウルトラマンAである。切断技が多種多様で、バラバラにしたり、真っ二つにする。
今なら保護者からクレームがきそうだが、僕はこちらのほうがリアルで好きだ。
時代もあるのだろうが、なかなか主人公がやんちゃだ。
相手にも非があるとはいえ、初対面の一般市民の女性にビンタする。
今のところ一番アウトな行動は、怪獣(物語では超獣)の調査で田舎の一軒家を尋ねると、その家の方からお酒をすすめられて勤務中に飲酒。
酔っぱらいながら戦闘機を操縦し、基地にいる上司に連絡しているところで飲酒しているのがバレて、1週間の謹慎処分。
むしろよく謹慎ですんでるよ。今の感覚で言えば懲戒免職かつ、お偉いさんの謝罪会見もののウルトラ不祥事である。
飲酒運転を超えた飲酒飛行をしてる。
なんとゆるい時代だろうかと思う。
もう子供の頃には戻れないなと思いつつも、楽しんでいる。
そんなウルトラマンシリーズにはふとした時に、大人になった僕の心にも響くような名言も言われる。
特訓中のウルトラマンレオ(おおとりゲン)ができないとくじけている時の、ウルトラセブン(モロボシ・ダン)の言葉だ。
「その顔はなんだ、その目はなんだ、その涙はなんだ。お前がやらずに誰がやる!?お前の涙で、奴が倒せるか!?この地球が救えるか!?」
「皆必死に生きているのに…!挫ける自分を恥ずかしいと思わんか!!?」
「やるんだ…!もう一度やるんだ!」
そう、みんな必死に生きているんだ。しんどいなと思うようなことがあった時、挫けそうな時に、乗り越えるべき壁と向き合うことの大切さを教わる。
自分なりにベストは尽くしていたい。
ウルトラマンエースでも子供の頃から覚えている名言がある。
「優しさを失わないでくれ。 弱い者をいたわり、互いに助け合い、 どこの国の人達とも友達 になろうとする気持ちを失わないでくれ。 例えその気持ちが何百回裏切られようと。 それが私の最後の願いだ」
ただこの名言は、大人になってみると、直前に超獣をバラバラに切り裂いているので、モヤッとした気持ちになってしまうが、何回裏切られようとも優しさを失うなと言うのは間違いない。
他のシリーズもこの年末年始の間に見直してみよう♪
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