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ひよこ日記。ロンドン、タウンハウス⑥、木曜日。

火曜日、水曜日はあっという間に過ぎていった。課題が多すぎてクタクタで街歩きとか帰りにお茶飲んでー。とかそんな余裕ぶちかましている暇が無い。とにかくやたら宿題が多いのである。

一晩で仕上げてこいとか無茶苦茶もいいとこだよな。とギヨームとカイも他の研修生たちもげんなりしていた。

他の研修生たちとも少し話すようになった。
キラキラエリートにみえていた彼ら彼女も
他の研修生たちがやたらエリートに見えて内心焦りまくってたようだ。

良かった同じ!とホッとしていたらカイが

ひよ。。同じようで少し違う。

おま、ほんとそういうとこピュアだよな。
先にいうが褒めてないからな(笑)

ギヨームが笑いながらほらよ。とコーヒーカップ渡してくれた

えー、信じるなってこと?

そもそものレベルが違うってことをまず知っておかないとな。

でもわたしたち底辺でもMKHDに入ってんじゃん!

それな、ほんとそれ。マジで奇跡だな。うん。

研修に行かされるてことは少しは見込みがある。てことにしたいわ。

…ひよ。さすがだ。見習おう俺たち。カイがふうふうコーヒーを冷ましながら言った

おお、ひよのピュアピュアしいとこにあやかろう。

バカにしてるでしょ?

ぜーんぜん。

金曜日はさすがに気分転換しないと詰むな。どっか飯行かね?あいてる?

金曜日は…アルが来るって言ってた

お前のダンナ様はどこまでも嫁推しが熱いな。課金がすげえ。ほんとアルベルトさんをとっ捕まえたお前すげえ。

とっ捕まえたて(笑)

いやいや、マジな話だ。ひよ、お前ラッキーだぞ?

逆。アルベルトさんがラッキーなんだよ
カイがつぶやく。

あ?

ギヨームにはまだわかんねえだろうな。
ひよ、大事にしてもらえ。まあ、されてるけど。こんなん序の口だ。たぶんまだアルベルトさんはまだ遠慮してる

あれで?!ギヨームがぎょっとしてる

なんだよー、カイ。なんか知ってんのか?

まあ、推測だけどな。アルベルトさんのひよ推しはあんなもんじゃ済まないだろう。

ひよ、照れるな照れるな。

照れてない

ウソつけ顔真っ赤だぞ

あんたたちがからかうからでしょっ!

俺は事実を述べただけだ

それでだ。

息抜きしよう。マジ詰む。ヤバい。大事な事は2回言う。マジヤヴァい。

フレッドこっちくるみたいよ?お家の用事で。

マジ?

うん。あの人が用事ないなら美味しいものご馳走になればいいんじゃない?

ぶははは。でた。奢ってもらえばいいじゃんをナチュラルに言うあたり(笑)

いいね。さらっと言うあたり。かなりいいね。
ツボった。

ふたりは何故か大爆笑している。

ああ、でもなあ。俺プライムリブステーキ食いたいんだよなあ。

俺は、特上のローストビーフがいいなあ。無茶苦茶うまいグレービーソースに付け合せはクリーミィなマッシュとグラッセにスープで煮たグリーンピース。

ひよなら払える

は?

お前なら払える。

持ってないってば(笑)

今わたしが払えるのはフィッシュ&チップスにギネス1杯くらいだっつーの!

それ俺もだな
同じく。

そんなことを言いながらエントランスに降りて行くと腕組みしたフレッドがいた。

あれ?

迎えに来たぞ

ポールさんは?
あそこにいるだろ

フレッド先生に用事ある二人がいますよ?

おう、カイ、ギヨーム、絞られてるみたいだな

フレッドさん。。マジ詰む…ヤバい。詰む。
助けて

飯行くか?

行く!

何がいんだよ。

ああ、俺プライムリブステーキ食いたい
俺はー、特上のローストビーフがいいなあ。無茶苦茶うまいグレービーソースに付け合せはクリーミィなマッシュとグラッセに
スープで煮たグリーンピース

…お前ら遠慮つうもんを知らんのか
まあ、いい。それでいいんだな?

それがいいでっす!
ひよこ、お前は?

もちろんご馳走になります❤

こんなときだけかわいこぶってんじゃねーっつの(笑)恒例のワシワシ。グシャグシャにされた髪

ちょっ!

息抜き。

見慣れた光景すぎてふたりは何も言わない。


行くぞ。車のれ。

みんな入るの?

あ?ポールの方にカイとギヨーム。
俺の車にお前乗ればいいだろ。

車できたの?キョロキョロするがいつもの車が見当たらない。

こっち。

わ、すっげぇ
カイとギヨームが目をキラキラさせてた。

ポールさんに行き先を話てるフレッドがなんというか館の主人ぽい。

ねえねえ、プライムリブステーキて高いの?

は?

値段知らないから。

まあ、まあまあするんじゃねえ?

へええ

お前、勉強どうだ?

尋常じゃないくらい課題が多すぎてクタクタ。

だろうな

カイとギヨームが底辺なりにがんばってこうて3人で約束したわ。

ハハハっ

底辺じゃねえんだけどな。

カイとギヨームが底辺ならわたしどうなるのよ

だな。

そういや部屋気に入ったか?

うん。びっくりした

気に入ったならいいんだ。うん

お風呂がすごいんだけど!

ああ、。あれは結構細かく注文したからな

そうなんだ?

まあな。気に入りゃいんだ。うん

バスグッズがね!

ああ、うん。だと思った

それからわたしたちは延々とバスグッズの話をしていたのだった。

お店はまだオープンしていないのでひとまずタウンハウスに立ち寄った。

カイとギヨームは目が点になった。

これタウンハウスて名前がかなり似つかわしくないぞ?

いや、ギヨーム、俺ら城に招待されたアレがあるからこっちはタウンハウスで間違ってない

…何なんだいったい

わたし詳しくないからわかんない。

お前、お気楽だなあ。

だってほか知らないんだもん。

お前ら玄関でいつまで話してんだ、こっちだ。

スタスタと歩くフレッドに付いてくふたりを横目に自分の部屋に荷物を置きに階段を上がっていった。





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