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【感想?レビュー?】ペルソナ3 この作品はバケモノだ

こんにちは。なるぼぼです。

今日ペルソナ3を一通りクリアし終わりました。
正直色々言いたいことがありすぎて全部言葉にできるか不安なレベルで凄い作品でした。
Discordでこの作品はバケモノだ、って言っちゃいました。
本当に色々と思うところがあるので、少しずつ形にしてお話していこうと思います。

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1. キャラの重み

ペルソナ3と言えば前作のペルソナ2から大きく方向性を変えた、シリーズの革命児的作品です。
システムからBGM、RPGとジュブナイル物語である点を除けばほぼ全部違うんじゃないかってレベルで変化させた作品でもあります。

ただ、この作品はシリーズから繋いできた「キャラを立てる」というコンセプトを一番忠実に表現している作品だったのではないか、と感じました。
コミュシステムなどによる各サブキャラとの関わり合いもあるのですが、何よりメインストーリーにおける仲間との交流が本当に大きい。

序盤では死ぬほどギスギスしていた仲間が、ペルソナの覚醒や出来事を通じて繋がっていくこと、目標が一つに収束していくことが上手く練り込まれています。
そんな仲間同士の関係性の進歩は、段々と「互いに背中を預けるような信頼感」のような形に見えてくるので、キャラへの愛着が他作品よりも強くわきます。

しかもそれが見事なまでにストーリーの根底にあるテーマと関わっているんです。
ペルソナ3のテーマは「死に別れ
近しい人の死を通じて彼らが変わっていく様はほかのどの作品のキャラよりも現実的で、ある種生き生きしていたのではないかと思うぐらいです。

特に真田先輩。
彼のペルソナ覚醒シーンほどに「覚醒」が似合うペルソナ使いはいないのではないでしょうか。

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また、各キャラクターの「生と死」のストーリーの流れもとてもきれいです。
それらはまさにオムニバス群像劇のようであり、「街-運命の交差点」や「428-閉鎖された渋谷で」のような繋がりを感じます。(もちろん根底となるシャドウや影時間といった存在もあるので、一概に街や428のような繋がりの驚きは薄いですが。)

上記2作品のような分裂したストーリーが少しずつ一つの目標、ラスボスの撃破に繋がっていくのはノベルとしても見事です。
彼らの不器用に、ただ確実に作られていく絆はとても大きなものであり、学生らしさは少し抜けるものの、ジュブナイル物語特有の感情表現が完成していたと思います。

それはP4なんかには強く感じられなくて、柔らかく作られていない、等身大の若者の強い想いやぶつかり合いが力強く形作られていたと思います。そういう面ではこの作品は唯一無二の魅力を持っているんです。

2. 「させない」システム

ペルソナ3をやって最初に驚いたのが、仲間に明確に指示を出せないところです。

一見すると驚くほど制限がかかっているように感じますし、自分も「ペルソナシリーズで一番縛られている」と感じました。
ただ、やっていくうちにそれは縛られているんじゃなくて、各人の意思を動かせないことを表現しているのではないか、なんて思うようになりました。

大雑把な指示を出せることはできるので、リーダーとしての役割を自分が認識することになりますし、戦闘中の臨場感が大きいです。
リアリティを追求した本作ならでは、と思いますし、独自性の面白さがあると思います。

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また、ダンジョン攻略中にも各キャラが散り散りになったり、敵が大量に出てきたりとローグライクRPG的なイベントが起こります。
本作では一貫してタルタロスの1ダンジョンのみを上り続けるだけになるので、これらのアクセントが加わっていることは飽きさせないという点で面白い試みだったと思います(全部P4Gの時点ではなくなっていましたが…)。

個人的にはあまり納得いかなかったです。
僕はシンプルなハプニングイベントはメリットとデメリットの天秤の上にあるべきであると思っていて、その点で見るとペルソナ3はデメリットしかないように感じました。

ただ、プレスターンバトルなどの導入により圧倒的に戦闘の緊張感が加わっているので、初期プレスターンバトルの理解にはもってこいなのではないでしょうか(緊張感としてはメガテン3の方が強い気もしますが…)。

3. 革新的なBGMの起こり

ペルソナ3と言えばBGM。
「ペルソナ3と言えばベイベベイベ」、なんて言われかねないぐらい、ペルソナ3はBGMに革新性を持たせたことで有名な作品です。

ベイベベイベでお馴染みの戦闘曲「Mass Distruction」をはじめ、ラスボス戦の「全ての人の魂の戦い」、P3Fアイギス編の代表曲「Heartful cry」なんかが有名ですが、個人的にはフィールドBGMの「When The Moon’s Reaching Out Stars」や、ダンジョンで一定の条件で流れる「セベクビル(アレンジ版)」が好みです。
フィールド曲の方がスタイリッシュでかっこいいイメージを受けるんですよね。一学期の学校BGMになる「Want to be close」とか。

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あと、BGMのチョイスも完璧だと思います。

例えば「Deep Breath,Deep Breath」という曲。最初のボスで流れる曲ですが、実は数か月後のギャグシーンなんかで使われちゃったりしてます。そこで使うか!?と思って思わず笑ってしまいました。

他にも、さきほど紹介した「セベクビル」を中心としたP1、P2アレンジ曲は、ダンジョン攻略中にサポートの味方がCDをかけてくれる、という設定で自由に流すことができます。
大胆なアレンジもいくつかあって、ダンジョン攻略のいいスパイスに繋がっていると思います。

4. 衝撃的なラストスパート【※ネタバレ注意!】

正直これが全てな気がしなくもないです。
12月頭からの流れが壮大すぎると言いますか…。まぁP2罪は町浮かせて世界滅ぼしてますから何とも言えませんけど。

12月に絶望の淵に叩き落されてからのメンバーの決意もそうですが、何より主人公に死の匂いが少しずつ漂い始めるのが恐ろしい所です。
1月頭の順平との屋上での話、僕は女教皇コミュが一番高かったので隠しセリフ的なやつを見ることができたのですが、アレ今思うと完全にフラグですし…。
3月の妙に疲れているという描写からも、とても嫌な雰囲気がしていました。

というかなんだかんだで予感はあったんですけどね。先にP4Uのノベルシーンとか見ちゃったんで。

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ただ、最後があまりにも安らかで。
アイギスしか生きている彼と対話することはできなかったけど、ED前の主人公は幸せに描かれていました。

それを見たときになぜか涙がこぼれて。
報われないという感情なんでしょうかね。
今の自分では彼の死に対する感情を言葉にすることはできないと思います。

ちょっと不謹慎だけど、身近な存在が死んだときに流れる涙ってこういうものに近いのかもしれません。
あのエンディングを作り出せるのも見事だし、そこで明らかな描写にせず静かに、静かに終わっていくのは本当に見事だと思います。

P2罪の舞耶の死とは違って、全てを終えた後の安らかな描写は「約束」の結末を見せないことも相まって、完成された美しさがあると思いました。
「彼」の存在は奇跡を起こすような凄い奴でありながらも、3月まで皆のそばにいた、ただ優しかった人だったのかもしれません。
エンディングは泣くところ。
正直数日経った今でも聴いたら泣きます。やばい。

5. まとめ

いかがだったでしょうか。

僕がペルソナ3を「バケモノ」と表現したのは、この作品が特異的であることと同時に、この作品が後の作品とは一線を画すような独自性を持っていて、それが僕の目には明らかに魅力的に見えたことにあると思います。

久しぶりにこんなに痺れるような感覚を味わいました。
多分最後だと2年前とかかな…。
滅茶苦茶凄い作品でした。

ペルソナ4や5をやったけど3はまだって方は、ぜひともプレイしてみてください。
僕は4→2→3とやって一番好きになったので、自信をもっておススメします。それでは今回はこの辺で。読んでくださりありがとうございました。

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