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【感想?レビュー?】ペルソナ2罪 全ての始まり

※本記事は2020/8/24にFC2ブログに記載した内容の写しです。
内容としては変わりませんので、FC2ブログで閲覧した方は内容が重複していることにご注意ください。

こんにちは。

今回はペルソナ2罪のお話をしようと思います。
1999年発売のゲーム。だいぶ古いゲームではありますが、気楽に見てもらえると幸いです。

ペルソナ2罪をプレイするきっかけは、友人が4を始めたことにあります。
実は数年ぐらい積んでてしまったゲームだったのですが、ペルソナ熱の復帰と共に遊びきろう、と決意しました。
とはいえ間にペルソナ4スタート~クリアまでを挟んでいるのですが…。
ペルソナ4のレビューはSteamの方にアップしてありますので、気楽に見ておいてください。
それでは、そろそろ本編の方に行きましょう。

1.システム周り

ペルソナ2のシステム周りは何とも独特なものだ、と思います。
ペルソナ1にもなく、ペルソナ3以降にもない要素が大半を占めるので、この作品(罪、罰)が方向性の上で大きく変化したのは間違いないでしょう。
中でもペルソナ2の特徴として大きく挙げられるのは悪魔合体の廃止だと思います。

ペルソナ2は悪魔と交渉しタロットカードを回収していくことで、ペルソナを召喚することができます。
ただし、ペルソナを合体させてより強力なペルソナを作り出すことはできません。

これは、ある種「どの自分で戦いますか?」というペルソナのコンセプトの上で重要な意味合いを持っていたのではないか、と思います。
ペルソナ自体が合体するってよくよく考えると不自然ですからね…。
ペルソナ3以降では主人公だけペルソナ付け替えが可能になった(ワイルド)ことによって悪魔合体の要素を引き継ぎましたが、2まではシステム面での悪魔交渉の要素が強く反映されていたのではないか、と思います。


また、攻撃方法も結構特殊に感じました。
基本的な攻撃は合体魔法になり、複数人での全体攻撃で雑魚を倒すのが当たり前、というシステムでした。
序盤からガンガン強い魔法が撃てるので重宝しますが、終盤ではバフ系魔法と物理で殴る方が早かったりします。
最終戦はマハーバーラタ×ラクシュミーのバフ+物理攻撃で雑魚戦は全部解決してました。
ブラックホールとかはムドオンが初期撃ちできるようなものなので結構強いと思うんですけどね…。
結局雑魚のレベル上げ+ボス戦になると即死魔法もほぼ必中じゃないと使い物にならないので、僕は基本使ってなかったです。


レベル上げも中々変わっていて、ペルソナと人のレベルが別になっています。
ペルソナはレベルを上げる代わりにランクを上げて魔法習得をさせていくのですが、これが凄い厄介だった。

人のレベルが3上がるぐらいでペルソナのランクがようやく最高値になるので、中々育成に時間がかかります。クリアタイムの1/3ぐらいはレベル上げしてたような…。
一応、合体魔法で敵を倒すと確率でペルソナのランクレベルが2上がる、という救済措置はあるものの、中々でないので根気よくやり続ける必要があります。
後半のペルソナはSP消費が高いのもあってランク上げから苦戦しました。
まぁ主戦力にはなりましたが。実際結構強いですし。

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なんというかシステム面は「時代相応」だったのかなぁ、と思っています。
普段からRPGをあんまりやらないのでわからないのですが、レベル上げに2つの段階がある分時間がかかったような気がしますし、魔法自体もそこまで…という感じだったので。

個人的には後述する理由から中盤まではそこまで苦にならなかったのですが、流石に終盤はダレてましたね…。
ラクシュミー作らなかったらなんとかなったのかなぁなんて思ったりもしますけど。

2.世界観とBGM


システム面ではそんなにかなぁ…みたいな話をしたわけですが、じゃあ何がよかったんだよ!って思いますよね。
僕は世界観とBGMは断トツでよかったと思っています。
正直この世界観とBGMが上手く支えてくれてなかったら積んでたと思います。

世界観としては現代の架空都市、珠閒瑠市になります。
都会感あふれる街にしっかりと海岸や神社、山なんかが用意されていて非常にありがちな町になっています。

ただ、この時代背景にあるビジュアルバンドが流行っているとか、携帯電話がガラケー、しかもちょっと昔の雰囲気を保っているとか、高校生のジュブナイル物語なのにクラブに行くのが当たり前…とか、なんとなく90年代後半の学生の価値観を感じることができます。

これはペルソナ2、それも罪にしか感じられない要素だと思います。
ここまで完璧に当時の学生の価値観や大人の世界観を表現している作品はゲームだと中々ない気がするので。
ミッシェルの「ナウでヤング」 な考え方やイメージ、達也の持つ独特のカッコよさは90年代の若者を象徴するかのようであり、当時の若者感覚を味わうにはもってこいのゲームではないでしょうか。

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かつ、この世界観とストーリーの流れに見事なまでにマッチしたBGMが秀逸すぎる。
ペルソナ3以降からはボーカル曲がメインになりましたが、それ以前の作品、かつメガテン的なギター重視の要素を排除したBGMは「ペルソナ2らしさ」でありながらも、圧倒的なまでにペルソナ2罪と融合しています。

個人的には蝸牛山のBGMが一番好きです。
物語がキャラの過去と融合するのに合わせてフィールドBGMアレンジを入れることで、これからの物語の急展開を感じさせるような雰囲気になっています。正直あそこでレベル上げしてた時が一番楽しかったかもしれない。
ちなみにこれ以降はシバルバー浮上でBGMが変わるので聴けません。聞き納めがあそこだったとは…。

3.ストーリー ※ネタバレ注意!

ストーリーの方の話をしましょうか。

ペルソナシリーズのコンセプトとして、「キャラを立てる」というのがあります。
従来の女神転生シリーズとの差別化を図るためにジュブナイル物語を展開し、デビルサマナーとの差別化のために主人公以外のキャラにも味をつけていくことでペルソナシリーズは完成されてきました。

特に2罪は、「共通した過去」という観点からキャラクターを相互に連関させています。
新規ペルソナ軸はキャラの関わりが一点に集まることに加えて各キャラの関わりが混ざりこんでいましたが、この作品は一貫して共通の過去に主眼が置かれています。
そこから各キャラに派生する…といった感じでしょうか。

各キャラが個性的でありボケも交じっていくことで、全体的に明るく仕上がっているような気がします。
シバルバー到達後もギャグ要素が残っていたりなど、シリアスの中にもちょっと笑える要素だったり、それこそ舞耶のポジティブシンキングが上手く生きていたりと、常に暗い感じではないです。
ただペルソナ4とかみたいに突き抜けて明るいシーンは少ないような気がします。常に事件追っかけているようなものですし…。
そのあたりの絶妙な事件臭、シリアスさもストーリーの展開に上手く絡んでいたと思います。

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ただ、これらをまとめ上げたうえで描かれたエンディングはあまりにも衝撃的なものでした。
というかラスボスの執念が色々とおかしい。
倒しといて主要キャラ殺して「じゃお前らの負けってことでw」って言ってるようにしか思えんかったので…。

まぁいずれにしても、あの終わり方は罰に続くと知っていても中々驚くものだったと思います。
自分はどのサイトを見ても、罰への繋がりを見ても納得しませんでした。
ただ、攻略本に掛かれていた里見さんへのインタビューでようやく腑に落ちました。

「彼らはああいう生き方してあのような結果になりましたが、そういうことが貴方にもあったんじゃないの、って問いかけも含んでいます。今は忘れちゃってるかもしれないけど、何かそういう大変なことがあったかもしれないよ。そういうの、思い出してみてっていう。」(ペルソナ2罪 公式ガイドブックより)


この発言はあのエンディングは自分たちが辛いことに対してどうやって対処してきたか、プレイヤー自身の過去を思い起こさせるようなものだったんですね。
最近はメタを上手く使って視聴者に直接的にメッセージを伝えるゲームなんてのは多いですが、ペルソナ2は間接的にそれを表現しています。
あえて間接的に自分たちの見せたいメッセージを見せ、「リセットを起こしたのは達也たちの選択だったけど、あなたならどうした?」というオチに仕上げたのは見事です。
それの一つの答えが罰なのかもしれませんね。

4.総評

ペルソナ2、なんだかんだ言いましたが結構楽しく終われたと思ってます。
ひょんなことから積みゲー消化としてプレイすることになりましたが、ペルソナ2という新ペルソナと女神転生に近いペルソナ1の間で模索を繰り返しながらも、ペルソナらしく仕上げた本作の魅力にしっかりと触れられたと思います。
罰のプレイ前に3Fesを購入してしまったので、先に3から始めてしまいましたが、終わったら罰もプレイしたいです。達也のレベルも引き継いだしね。最後におまけの考察っぽいこと書いておきますので、お時間あったらどうぞ。

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5.おまけ-シャドウについて ※ネタバレ注意!


おまけの考察はシャドウについてです。

今作はシャドウが初めて登場したペルソナ作品です。シャドウと言ってもP3、P4の雑魚的なものではなく、どちらかというとP4のボス級にいる、自分の写し見みたいなやつです。
ただP4のシャドウとは違って、P2罪のシャドウはニャルラトホテプが作り出した手下として登場します。
なのでペルソナと明確な関連性はありません。
一応仮面党ペルソナ(アポロ、ハーデス、ヴィーナス、ヘルメス)の強化はするので成長にはなりえますが。

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シャドウは「ドッペルゲンガー」が意識されていたそうです。
当時からシャドウは「自分の見たくない姿」として現れますが、たとえ彼らを受け入れたとしても戦闘が始まります。

このシャドウの対処方法は最初にゆきのさんが明確に示しました。

それも自分である、として受け入れること。
悩む自分も、受け入れたくない自分も自分であるとして受け入れること。
これが大切なことだ、と。

この作品からシャドウのコンセプトは大きく変わっていないのかもしれません。

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ペルソナ2はシャドウを受け入れることで、「大人になること」「殻を破ること」をより将来的に表現していると思います。

ゆきのさんは自らのシャドウと対峙し、受け入れた後でジョーカーと戦い、仲間になった淳に自らのペルソナ能力を譲渡して市民の救出に乗り出します。
彼女は俊介さんの死を乗り越え(ドゥルガーを召喚し)、自身のシャドウと向き合い、ジョーカーを撃破することで、多感な時期を超え、一人の「大人」として市民を守ることを決意したのではないのでしょうか。

女神異聞録ペルソナからすでにペルソナ様を行い、ペルソナ能力に目覚めていた彼女はここでペルソナと別れることを決意します。
それは彼女の真の成長の瞬間でもあり、仮面を付け替えることの意味が失われた瞬間だったのかもしれません。

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ただ、シャドウと向き合っても、ペルソナに別れを告げることのできなかった大人もいます。それが舞耶です。

舞耶はシャドウに対して受け入れる姿勢を見せず、消してしまいます。
彼女がシャドウを否定した理由は父親との別れや火事による罪の意識など様々なものがありますが、ゆきのさんのような「今すぐ目の前にある試練」が存在しなかったことも理由の一つなのではないでしょうか。

彼女は大切な人の死別や自らを乗り越える機会が遠い過去の記憶として封印され続けていました。
それが原因として、今の自分を乗り越えるきっかけがなかったのかもしれません。
ギンコやミッシェルは今の自分が多感であることも含めて自らを乗り越える機会がありました。
ただ、舞耶に関しては今の自分を乗り越える上でのコンプレックスを肯定する心の余裕がなかった。
それが舞耶が「子供」のまま、仮面党のお姉さんとして抱えなくてはならなかったものなのでしょう。

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舞耶が最終的に殺されることは、選択されるべきものだったと思っています。
ニャルラトホテプからすればシャドウに対して否定的に向き合った舞耶はたとえグレートファーザーを倒したとしても「成長」できる存在ではなかったため、心の穴を付かれた、と捉えることもできると思います。
おそらく過去の中心にいた人物であることなども理由として挙げられますが、4人にとって一番大切な人であったことと彼女の心が一番「子供」であったことこそが、ニャルラトホテプが舞耶をターゲットに選んだ理由だと思います。

結果的に彼ら4人はリセットを選択しますが、もし他の人物が殺されて舞耶が残っていた場合には、別の選択を提案した可能性も考えられます。
彼女は死=破滅を望んでいたのだから。
それを見据えていたのはほかでもなく、彼女が否定したシャドウなのです。

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正直ここまできて何書いているのかわからなくなってきたのでこの辺で終わっておきます。

シャドウはあくまでボスの前座としての敵キャラとして描かれており、後続のペルソナ4ほどの意味合いを持ちませんが、僕なりに意味があるんじゃないかと思ってまとめてみました。
ただ罰のキャラにもシャドウが出るらしいので、正直この考察が正解かどうかも不透明です。
罪しかストーリーを知らないので…。
とりあえず今はこれが限界です。それではまた。

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