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2023年12月28日

表からトラックの停まる音と缶と瓶のぶつかり合う音が聞こえて、しまったと思い目が覚めた。
時計を見ると朝8時。一度、6時に目覚めた記憶がある。心地よい二度寝のループは、年内最後の資源ごみの収集を逃した落胆によってくだかれ、渋々私は寝床を出た。

父の3回目の命日だが、仏壇のガーベラの花びらがしなびていた。

米を炊く前に買い物に出かけ、帰宅してすぐに雪かきをした。生前の父は冬になると趣味のようにして雪かきをしていたから、これもきっと供養になると言い訳をして、買ってきたばかりの黄色いガーベラを玄関に放置してある。

汗をかいたので着替えをし、洗濯をまわして米を炊く。黄色いガーベラと薄いピンクのチューリップを花瓶に差し、林檎と柿を盆に盛る。炊きあがった白米を供え、仏さまは米の「気」を食べるから供えた白米がぱさぱさになるのだという三木和尚の話を思い出した。

線香を供えて手を合わせ、少しばかり話をして、線香が燃え尽きると米はぱさぱさになっていた。

生前の母が父の仏前にと買っていたラベンダーのにおいの線香が、もうすぐ底をつく。命日だから特別に多くともした線香のため、少しの間部屋中がラベンダーが充満していた。

食事をして、午睡に入った。
夢に母が出てきた。今の家の台所で一緒になにか作業をした。
目を覚まして母の写真に声をかける。さっき会ったね、と。

一日なにも働かない日、何も成さない日、食事は一回で良いのではないかと思うのだけれど、やはり腹がすく。少しばかり1900年のアルジェリアに出かけてから、今日は鍋にしようと考えている。


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