「金髪の女の子 零 ③」


「そこの お嬢さん どしたん?」

「見りゃあわかるでしょ 今すぐ縄をほどいて」 

隆一は、縄を 後方に見える ハサミみたいな道具で 切る。

ザクザク
ザクザク

「ありがとう!助かったわ ところで デブゴンさん?なんでここにいるの?君はなにもんなん?」
零の デブゴンの一言に隆一は 咄嗟にツッコミを入れた。
「デブゴン言うなよ〜まぁ確かに オレって太ってるけどさぁ」
「じゃあ ぽっちゃりマンで(笑)」

「僕は隆一と言います。」
ムキになった隆一は あえて礼儀正しい姿勢で零に言って頭を下げた。

「アハハ 隆一さんね。
助けてくれて ありがとん」

今までの
いきさつを
倉庫の端の死角のような狭いフロアで 零は、隆一に話した。

とにかく隆一は、傷だらけで上手く歩けない零の肩を隆一の首に巻き付けて出口が どこなのか急いだ。
「おい!デブゴンさん。
どさくさに紛れて今
乳触ったっしょ?!」

「触ってなんかいねーよ。」
「なんか ベトベトしてるし 君〜臭うんだけど」
鼻に手をやる零。
「うるせーなーつべこべ言わない 零ちゃん」
そう言いながら
赤色の扉を見つけた。
「零ちゃん あの扉を開けて良い?」
「開けなきゃ。隆一さん。
でなきゃ前には進めないよ」

赤色の扉を開けたら、床が急に滑り出した

滑って 滑って いつの間にか 隆一と零は、穴に落ちた!
「なんのギミックなんよーーー
最悪ーー」
と零は隆一に八つ当たり気味に肩を叩いた。
しかし隆一の目は輝きに満ちていた。
それもそのはず
そうなって当たり前の状況だった

そこは、金 銀 宝石が たくさんあった。思わず その場に うずくまり 隆一と零は、宝石を拾った。
「零ちゃん
あまりいっぱい拾うなよ。ここを生きて帰れるかわかんないし」
「そだね……」
零は 沢山 手にした宝石のほとんどを手放し
ポケットに少しだけ入れたようだ。
しばらく進んでいると
また、階段が あったので隆一と零は、階段を上って行った。 上まで行くと 開けそうな薄壁が あったので 手で押し開け上の階へ到着した。

しかし、その後、隆一達は、身が竦んでしまった。

なぜなら、マフィア達数名が休んでいる部屋に来てしまったからだ。 
「なんでやねーーーん」
思わず甲高い声で隆一は叫んだ

しばらくお互い
膠着していたが、我に帰ったマフィアが 「侵入者だ 捕まえろ~」
と 言って銃を向けてきた

隆一は、ポケットやバッグから
拾った 宝石を投げて応戦した。


そして 相手が
意表をつかれて怯んでいる時に、逃げようとしたが マフィアの銃弾が零の胸あたりに 数発も当たった。

ズドドドド

「零さん…」

零は、倒れた!
隆一は、零を守れなかった悔しさと怒りで恐怖心さえなくなったようだ。

「てめてらぁー」

素手で
マフィア達に 戦いを挑んだ隆一。

多分
隆一は、怒りが頂点に達していたんで
火事場の神業パワーが 出ていたのだろう。
とても100k以上あるとは思えないスピードでマフィア達にアタックした。

相手の懐に飛び込んで パンチのコンビネーションで
マフィア一人目をKOした。
続いて 二人がかりで マフィアが隆一を攻撃してきたが、隆一は、マフィア達の攻撃を かいくぐり
一人には パンチをボディに連打して
もう一人には 右ストレートに対して
左フックのカウンターで倒した。
残り何人かマフィアがいたが 逃げて行った。
「なんやーーこのデブ……
こいつ バケモン並につぇええ
いったん 退くぞーー」

「零さ~ん(泣)」

隆一は、再び
零の亡骸?に向かって叫んだら、なんと零は、生きていた!

銃弾が胸に当たったが、運良く
零は、胸のブラジャーの真ん中に 魔石を入れていたので
助かった。

「私も死ぬかと思ったけど、全然平気よ!だから、まずは、出口よ」

「全く…心配させやがって」
安堵のため息をつく隆一

「とりあえず…隆一さん急ごうね。」 

出口らしき所を零と一緒に探す隆一

しばらく歩いていたら 出口らしき とこで上から いきなり四角の壁が 降ってきて隆一達は、閉じ込められた

縦も横も2mしかない狭い壁に
閉じ込められた

「ふふふ…
オレは、マフィアのボス オサハラ様だ! 貴様ら生きては帰さぬぞ。その壁の中で窒息死するがいいさ ふふふ…」
と姿は、見えないが オサハラの声が聞こえる

まさに今の状況は 絶体絶命ていった感じか? いいや 八方塞がりという表現が ふさわしいのかも?

「ねぇ… 私達 このまま ここで死ぬのかしら?」

「アホな事を言わんでくれ 最後まで 勝利をあきらめない者に神様は、微笑んでくれるから 大丈夫だって」

隆一は、格好つけたが、実は 泣きたいのは、隆一の方だった。

「私達 よく考えたら馬があうと 思わない?」

「確かにそうだね!奇跡的に魔石マジッククリスタルを見つけることも出来たし、なんだか 二人 ここにいるだけで 運命的な ものさえ感じる!」

「私ね このアジトで マジッククリスタルを 見つけた場所で 一枚の紙を見つけたんよ」

「何て 紙には書いてたん?」

「実は、このマジッククリスタルは、フランスの美術館から盗み出した物らしいんよね。
これを警察に摘発すれば、オサハラは 警察に捕まる事になるでしょうね。 窃盗罪でね」

「でもオレ達 奴らを警察に突き出す前に 死ぬんでは? 実際 息が苦しくなってきているし」

「確かに…しかし私が銃で撃たれた時、マジッククリスタルは、私を守った。なら 今 一度 マジッククリスタルが奇跡を起こすかも?」

「零さん そんな漫画みたいな話あるわけ あるわけ あっ…」

零がマジッククリスタルを天にかざすと 天井の壁が 降りてきた!

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