見出し画像

ココロとカラダを整える「彩色弁当」のデザイン

「どこが?」と思われるでしょうが、2019年 "ワークショップ Advent Calendar 2019" 用の投稿です。


僕が57歳にしてお弁当を作るようになったキッカケは、あるワークショプでした。

【持ち物】
・昼食として、菜食のお弁当をお持ちください。

食べる瞑想というワークに必要です。一定の時間、沈黙とともに、自然と人びととの繋がりを感じて丁寧にいただきます。はじめコンビニで塩むすびと漬け物を買って行ったのですが、里山の風景のなかでしっくりこない。その後、座禅会合宿の典座(食事係)の助手をやらせていただいたり、成田山で5日間断食して「人間食べてこその命!」と実感し、毎日自分で弁当作るようになりました。

平和で持続可能な社会を「お弁当作り」から始めよう!

「菜食」は、カロリーもコストも抑えられます。お肉を食べるより、温室効果ガス排出量も少なくできます。動物性脂肪を使わないので、弁当箱を洗う水や洗剤も少しで済みます。

「草食系男子」って、言葉の通りです。以前は、闘志を掻き立てるためにも肉を多めに食べてましたが、今は穏やかな気持ちで生活するために、1日1食でも「肉を減らして野菜を増やす」ことが「平和」への一歩だと思います。

菜食に限らず、自分でお弁当作れば、ごみを減らす工夫もします。外食やコンビニを利用するより食品廃棄を抑えられます。塩分、糖分、脂肪分、自分で調整できますから、社会もカラダも「持続可能」になります。

お弁当作りと「女子力」の切り離せない関係

お弁当を持って行ったり、SNSに写真をあげると、圧倒的に女性が反応してくれます。いい歳のおじさんに向かって「女子力高いわねー」という女性、少なくないです。彼女たちは「お弁当」に対して、僕などが理解していない特別な意味を感じているのでは?そもそも「女子力」って何よ?って話ですが、とどのつまり「母性」じゃないでしょうか。

ともあれ、毎日お弁当つくる母親たちは大変だなぁと、少し共感するようになりました。先日参加したワークショップのお昼どき、10歳の少年が「お母さん、キャラ弁は嫌だけど、もっと見た目のいいお弁当にして欲しい!」と訴えてました。お母さんは、そんな声に耳を傾けつつ、栄養バランス考えた上で残さず食べてもらうよう、日々研究してるんですね。そうして和やかだけど真剣な学びの場が生まれ、新参者である僕の弁当にも興味を持ってくれるんです。

「彩食」を支えるGRY+Bkの法則

「美味しさを求めると茶色くなってく問題 」があります。コクがあって、主菜になりうるものは「茶色い」ことが多いです。

それらに対して緑(Green)が生気を与えてくれます。小松菜、ほうれん草などの青菜のほか、冷凍のブロッコリーやオクラは狭いスペースにも入れ込めて便利です。大葉、サニーレタスをおかずカップの代わりにすると美しくなります。

画像4

緑が加わったら、赤(Red)があるとバランスがグッと上がります。トマトもいいし、赤パプリカを星や花の形に型抜きしてピクルスにしておくと、日持ちもしますし可愛らしくなります。

にんじんは、根菜なので煮物にしても味が染み、きんぴらなど炒め物にもなります。漬物ならシャキシャキした食感が出て、挿し色のためにも欠かせない気がします。

次はイエロー(Yellow)です。「お弁当のエース、卵焼き」を使えば良いのでしょうが、卵を使わないと黄色い食材は限られます。サツマイモの甘露煮などは紫の皮とコントラストが付きます。一度冷凍して解答するとしっとりした食感に変わります。

欲を言えば、黒いもの(Black)があると見栄えがグッと締まります。ヒジキや黒オリーブを僕は使います。

私たち祖先が未だ森の中から糧を得ていた頃、赤や黄色の木の実が美味しいこと。さらに、胡桃、栗のような茶系の木の実の栄養価が高いことを体験的に知っていて、視覚系に影響しているという学説がありますが、真偽はともかく現に彩は食慾をそそります。

画像5

彩りを邪魔しない調味料たち

冷めてもコクが出るので、僕はよく昆布茶を使います。煮物にも炒めものにも塩の代わりくらいに使います。出汁だと汁気を飛ばす必要がありますが、粉なので手間が省けます。昆布風味の出汁の素は、ベタついた味に感じてしまうので使いません。

たまには白だしも併せて使います。魚の節が何種類も使われるので、菜食と言えるか微妙ですが、旨味の素になるアミノ酸バランスが豊かになる気がします。

浅漬け、浅ピクルスをたっぷり使う

彩りの良いカブ、ダイコンなどの根菜、パプリカなどを多めに浸けておくと、彩りが楽に出せます。塩、多めの砂糖、クエン酸と昆布茶をそれぞれひとつまみ、少量の水に溶かして、味のバランスをみてから鷹の爪一本と共に加え、袋の上から揉んで一晩以上冷蔵庫に入れておきます。漬ったら余分な汁を捨てます。

浅漬け、浅ピクルスをたっぷり使うおかげで、楽して彩りを増やすことができ、ご飯の割合も削れます。お弁当作家さん達はあまり使わないようなので、この辺りが自分の特徴かと思います。

画像1

豆の力は、福はうち

豆を多めに入れるといいことがあります。

5色の豆が入った蒸し豆、サラダビーンズでお手軽に彩りを添えることができます。

一粒ずつ箸でつまんで行くと、ゆっくり食べるようになり、全体が低カロリーでも満足感がでます。香りのよい大豆なら、気持ちも落ち着いてきます。「食べる瞑想」と相性がいいと思います。

画像4

会社の保健師さんに「タンパク質が足りない」とご指導いただいたので、欠かさないようにしています。

斜めに盛り付ける


画像3

縦横におかずをおいてもいいですが、斜めに置くと立体感がでます。隙間に色のバランスを取るための野菜を置くこともできます。実際にはスペースが足りなくてそんなことを言ってられない場合もあります。あしらいでも良いので、緑のものを左が上になるよう置くと全体が締まって見えます。

朝は10分以内におさまるよう段取り付ける

週末に常備菜を仕込んだり前日に準備して、朝は5〜10分におさまるようにします。乾物、コンニャクなど下処理だけして冷蔵庫の中で味を滲み込ませる作戦もあります。精進料理の動画を見てると、意外にサッと仕上げるので参考になります。毎日続けていくには、大胆な手抜きが必要だと思います。手を動かし、脳を動かすことは、朝のウォームアップにいいですよ。

毎日をワークショップに

ま、無理矢理のようですが、限られたスペース、時間でお弁当作り込んで、LEGOワークのように喋ったり、写真撮って振り返ったり。遊びと実験の中で、ワークショップの要素を日常化して楽しむ。そうゆうことが大切!と思うのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?