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ふり返りの言葉にどう反応する?

こんにちは。べびぃLabo☆Ceres 杉上です。
べびぃLabo☆Ceresの事業の一つに 妊産婦さんへのケアがあります。

過去の状況をお伺いして今とこれからをアセスメントすることは必須なので
お産の時のお話しもお聞きすることが多いです。(助産師なので全員にお聞きしてます)

お産のふりかえりってとても大事。
助産師なら皆そう思ってる。

ただ、そのプロセスにある
私たち助産師の思い込み、確信は
一旦横においとくほうがいいのかもしれないと思った出来事がありました。

私は大体
「妊娠中どんな感じでした?」
「お産はどうだった?」
と聞いていくことが多い。
それはからだケアを提供するからもあるけど
妊娠中からのつながりがお産だと思うから。

また母子健康手帳を見せていただけるときは
その情報をきっかけに話をする。
「出産時間8時間だったんですね」
「どんな感じでした?」

初産婦さん。出産時間2時間。吸引分娩。出血普通。
ここで最初になにを思うか?

よくある言葉は
「短い出産時間でよかったね。大変だっただろうけどスムーズに進んでよかったね。」

でも、これはステレオタイプ的な考え。
ここに書いてある時間以外に 
ほんとにいろいろな物語がある。
それにはいいも悪いもない。
決められるとしたら出産した当事者。つまりママ、赤ちゃん、そしてパパ。
助産師が規定してはいけない、とあらためて思いました。

あるママが語ってくれました。
ママ:「お産って陣痛に耐えて 痛い思いを何時間もして
    最後は何回もいきんで 苦しい思いをして産むんですよね」
私:(??)「っていうと?」
ママ:「トイレ行きたいな~~って思ってて、なんかしょっちゅうだから看護師に連絡したら 進んでるから分娩室いこうってなって。なんとなく力入れたくなったから 伝えたら ばたばたっとお産の準備が始まって」
私「うんうん」
ママ:「さあ、いきんで産むぞ! 何回もだから痛いだろうな~~、と思ってたら、1回いきんだところで、『吸引しますね』っていわれて。
ん?? っておもってるうちに準備が進んで陣痛が来て 
いきんだら、赤ちゃんでちゃって。」
ママ:「ほんとに でた・・・・・っていう感じで」
私:「うん。そうなんですね。」
ママ:「なんかあっけなく終わって。そのあとの縫合の方がずっとずっと痛くて大変だったんです」

いつもだと、こういうお話の合間にママの感情があふれてきて 
気持ちを想像するのが、とても分かりやすいのですが、この時はママの感情がよくわからなくて・・・・・

ぽつんといわれたのが
「吸引分娩になっちゃったから でたって思ったのかなあ」

吸引分娩の理由は聞いておられませんでした。(無駄に吸引分娩はしないDrだということは私は知っています)想像できる理由を助産師としてお伝えしました。
縫合が思った以上に痛い、時間がかかった理由も助産師としてお伝えしました。

いいも悪いも、楽だったとも大変だったとも何も伝えず、粛々とからだケアを提供していました。

これでよかったのか? わかりませんが
でも、ふりかえりはこちらの想いをはさまず淡々と聞くのがいいみたい
とオランダで産褥訪問看護師として仕事している友人が教えてくれました。
この方の場合 自分の想いを昇華するための言葉紡ぎのような感じがして
淡々と聞きました。

最後は「きてよかったです。」と晴れやかな表情でいってくださいました。

自分にとっての大きな出来事って
ふりかえっておきたいものなんだなあ。
それをどう感じるか、の手助けが必要なんだなあ。
思い描いていた状況と違った戸惑いは大きいんだなあ。

と真剣にしみじみ思ってしまった1日でした。

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