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偉大なる物語音楽、セクサリスサーガの終わりに寄せて

 はじめに

真典セクサリスを大分聴きこんだ。一般販売は6/26からなのでネタバレを避けて色々述べていく。

本文

 少女病との出会いは、東方アレンジのCDを買い集めていた頃、どこかの店頭で残響レギオンを見つけた事だった。
 出会った頃は既にローランだったので、物語音楽に抵抗はなかったしその後も見付け次第買いそろえていった。未だに「深紅のエヴェイユ」の衝撃は忘れない、ここまで激しく一貫した物語音楽があっていいのかと。
 以来、「真実の解放」で絶望を味わい、「廃園イデア」で退廃を身に受け、「不完全犯罪依存症」で救いを求め、「蒼穹に向けた透明な弾丸」に救われ、「Double Cast」 に圧倒され、「platonic colors」に励まされ、「黒紫のオーンブレ」を自らの葬式で流すつもりだ。
 そんな中、筆者が少女病に罹患した頃には既に少女病としての活動は停止しているタイミングであり、これだけ壮大な物語が止まったままなのはもったいないという気持ちを抱えながら、少女病の楽曲を日頃から聴く曲のレパートリーへと加えていった。
 ラストアルバムCF発表時には喜びと共に不安もあった。前作から経過した年数的に、大半の患者は恐らく擦り切れる程過去作を聴いている訳であり、耳は肥えている。患者から客観的に見て過去作を超えるとまでは行かなくても、並び立つものが出てくるのか正直かなり心配していた。
 杞憂であった。先行MVのexistenceはまさしく少女病の導入曲であり、アルバム版での魔改造っぷりには驚かされた。ネタバレを避けるためあまり多くは語らないが、素晴らしい物語音楽の終わりを見せつけられたし、物語音楽のページに大きな爪痕を残した大作となった。
 セクサリスサーガは壮大で、退廃的であり、悲劇的で、救いのある作品群だった。そして何より物語と音楽の両立に対して一貫して真摯に向き合っていた。
 未だにこれで終わりということに実感が湧かないし、別れは何事も寂しい。しかし明日はラストライブもある。これだけの作品群を生み出した人達に全幅の感謝をしつつ、この言葉で締めたい。
「さよならは、言わないでおきますね」

2022/6/25 セクサリスサーガの終わりに寄せて。 FFLJPN

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