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2023年の27時間テレビ


4年ぶりの27時間テレビが復活

コロナ禍で放送が休止していた27時間テレビが久々に復活しました。
バラエティの部署にいるとやはり27時間テレビへの思いは強くなるものです。
バラエティに配属されたフジテレビ社員は、
まず研修で27時間テレビ預かりになります。
僕も2004年に入社し、座学研修のあとの6月に27時間テレビに配属されました。
2004年の27時間テレビは生活情報部が担当していた27時間テレビを
3年ぶりにバラエティ制作部の担当に戻し
それを「めちゃイケ」チームが中心に作ったあの回です。

そんな27時間テレビをペーペーのADとして目の当たりにした僕は
研修後もそのままめちゃイケに配属されることになりました。

そんなわけで制作人生を27時間テレビでスタートする人が多いことから
バラエティ制作の部署にいると嫌が応にも27時間テレビには思い入れを持つことになるんです。

その年によって27時間テレビに全く関わらないというスタッフもいるのですが、僕はめちゃイケにいたせいかほとんどの27時間テレビのどこかには関わっています。
チームとしてメインで関わることもあれば、深夜コーナーをめちゃイケチームが担当したり、どこかのブロックのヘルプとして関わったり、その形は様々です。

今年は「バラエティ制作センターの社員全員が27時間テレビに関わる」という部長の銘のもと、本当に全員がこの27時間テレビに関わりました。
コロナ禍入社の若手は初の27時間テレビだったり・・・。

チーム DE ファイト

僕は、ほぼごっつチームと鬼レンチャンチームが激突する「チームDEファイト」の演出を任されることになりました。
色々あって、この企画が動き出したのは春も終わるころでとにかく時間がありませんでした。他のタイムテーブルは全て何をやるか決まっていたのに、このコーナーだけ1ヶ月前になってもなにをやるのか決まっていない・・・。
総合演出の武田さんには「他が全部決まってるから、ギリギリまで待つ」と言ってもらえたので何とか生放送にこぎつけることができました。

子供の頃みていたほぼ「ごっつ」のメンバーと生放送で仕事をできることはとても光栄でしたし、しかも演出という立場で任されたというのも光栄なことでした。
とはいえ、ゲームコーナーということに毎日不安でした。

ゲームコーナーは生放送に向いてない企画です。
ゲームコーナーの収録ではやってみて上手くいかなかったら、小休止をいれてセットを直したりすることもあるし、長回しして奇跡待ちをすることもあります。
その中で撮れたベストなテイクをオンエアするのがゲームコーナーの基本だからです。
そんな撮り方をするから、お金もめちゃくちゃかかるし、怪我のリスクもある。コスパが悪くて今のテレビ番組ではなかなかお目にかかれないのが現状です。

そんな企画を生放送でやるなんて本当に無茶だ・・・と思いつつ
・何とか形にすること
・生放送中に出演者にケガをさせないこと
・放送尺に収めること

これをモットーに制作をしていきました。

特にケガをさせないことに関してはプロデューサーも美術スタッフも
かなりピリピリしていました。
どんなにシミュレーションをして安全性を確認していても
不慮の事故が起こるのがゲームコーナーです。
「バラエティの収録中にケガ」というニュースの大半がゲームコーナー収録中のような気がします。
それぐらいゲームコーナーにはケガがつきものですし、だから入念なシミュレーションをするのです。

それでも不安は消えません。
なにせ「ほぼごっつチーム」は60歳前後の方がたくさんいる。
さらにレギュラー番組や作品の撮影がある方ばかりなのでケガをさせて穴を開けたら大事になる。
「鬼レンチャンチーム」だって、このコーナーの後も20時間以上生放送が続いていく。
もしもケガをしたら、後続のコーナーに大きく迷惑がかかるし、
MCを務める6人が完走できなくなってしまうかもしれない。

そんな課題と紆余曲折がありながら何とか放送にこぎつけました。
自分でも、もっとできたよな・・・という思いもあるし
「酒のツマミ」を見た方ならなんとなくわかるかもしれませんが
松本さんも「もっとできたはず」という気持ちがあったと思います。

来年もしチャンスがあれば
改善点をクリアして臨みたいとおもいます。

24時間テレビについて

100キロマラソン企画があったり、お笑いに全振りしたこともあって
ネットニュースで「フジテレビが24時間テレビと真っ向勝負」だとか
「かなり日テレを意識して・・・」「打倒24時間テレビだ!と今年は鼻息が荒い」とか書かれていました。
間違っていたら申し訳ないですが
フジテレビのバラエティスタッフは皆さんが思ってるほど24時間テレビを意識していないです。いや、むしろほぼ意識していないと言った方がいいかもしれません。
共通しているのは長時間番組というだけで、
中身も意義も全く違うからです。
わかりやすくいうと、バラエティ番組の「酒のツマミになる話」が情報番組の「ZIP」を意識していないという理屈に近いかもしれません。当然「ZIP」だって「酒のツマミになる話」を意識していないでしょうし。
裏番組でもなければ、内容も違う。意識する方がおかしいというものです。

もっと戦略的なことを考える部署や営業的なセクションのことはわかりませんが、「24時間テレビに勝とう!」なんて言葉を聞いたことがありません。

正直にいうと僕はこの業界に入ってからゴールデンタイムの24時間テレビをちゃんと見たことがありません。テレビを作る人として最低限押さえているのは、誰がマラソンを走るかと深夜にどんな企画をやっているかぐらいです。
翌日に会議で「〇〇の企画が面白かった」と話題になったら全録で追っかけることはありますが。
僕のケースは極端かもしれませんが、それぐらい意識してないのです。
裏番組をやった「ドッキリGP」や「鬼レンチャン」のスタッフはもちろん研究のために見ているかもしれませんが
ネットニュースが書いているような「打倒!」とかそんな気持ちはほとんど無いように思えます。裏でこっちはこっちで面白いことしよう。ぐらいの感覚なんじゃないでしょうか。

なので月並みなことを言いますが、ネットニュースを鵜呑みにするのやめましょうね〜。ということです。
視聴率を持ち出して「打ち切り必至」みたいな記事もありましたけど、
僕らが見てる数字と違いすぎて本当にビックリします。
どういうカラクリなんだあれ?

今月、記事を書いてませんよ〜どうしましたか〜?
というお知らせがnoteから来たので
急いで思いついたことを書いてしまいました。
見直して恥ずかしかったりやばいこと書いてたら消します。


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