全てのマネジャーに読んでほしい話。


皆さんって最初の上司ってどんな人でしたか?

会社内でのハイパフォーマーを分析すると、
その人の学歴や採用時の評価よりも、
最初の上司の育成力との相関が高いとよく言われます。

最近、僕もある先輩経営者から、
「加藤さんの前職(組織人事の支援会社)の人で出世したり、外で活躍している人ってOさんの部下だった人が多いよね?」

と言われて、振り返ると確かに僕も2年間だけ2つ上の上司のAさんから、
仕事に関しては非常に大きな影響を受けたな、と思い出したのです。

純粋にAさんは当時どんなことを考えていたんだろう、
という好奇心が湧いて、
4年ぶりにAさんを飲みに誘って、教えてもらうことにしました。

私:「Aさんのメンバーで活躍している人って多いですよね?」
Oさん:「確かにそうかもしれないねぇ、唯一アキヒロだけは活躍しなかったけど」

と明るく笑いながら、当時のことを思い出しながら話を聞きました。
その中で、彼が意識していたことは、2つだけだと言ってました。

●部下を機能としてみない
●部下の成長にとって何が大事か考える

あと、その前提として、
自分より優秀なメンバーを採用していると信じているので、
成長しなかったら自分のせいだと思っていたとのこと。
だから採用は本当に大事なんだ、と。

でも、僕自身が彼からもらったものはそれだけじゃないと思って、
15年前に遡り、Oさんの言動を思い出しました。
その辺りを徒然と

●顧客への価値、顧客の成長を考えて提案し続け、
メンバーにも考えさせ続ける
Oさん:「アキヒロ、A社の組織がどうなったらもっとA社の事業って伸びると思う?」

●顧客の前でなるべくメンバーに提案・プレゼンさせる
1年目で、人事部の役員以下10人いる中で、1人でプレゼンしに行かせて頂いたり、2年目で大手のプロジェクトのファシリテーションをやらせて頂いたり。
上司がなんとかしてくれる、じゃなくて自分が相手の期待を上回らないといけないという危機感と、やってやるぞ、という当事者意識が猛烈に出てきたんですね。

で、「毎回のアポごとに今日のアポ自分で何点だった?」と自分で内省を促した上で、良かった点、改善点をフィードバックしてくれる。
甘やかすというだけでなく、厳しい指摘もしっかりくれる。

●そのために圧倒的な顧客グリップをする
でも、まだ経験や知識が少なかったりして、説明がわかりにくかったり、しちゃうんですね。でも、Oさんがめちゃくちゃ顧客グリップをしているので、クライアントもあっても暖かい目でみてくれてたんですね。
むしろ、日を追うごとにファシリや説明がうまくなっていく自分をクライアントがみて、
メンバーをこうやって育てていくんですね、と感心していました。
その時も「自分の力だけで成長したんじゃない。顧客に育ててもらったという感謝を持ちなさい」と言われてました。

●言葉遣いや立ち振る舞いを細かく注意してくれた
クライアントに対して、社内でも失礼な言い回しをした時は結構怒られました。
(例)
(お客さんに)日程を投げる×→日程を提示する
(ワークショップ設計で参加者に)議論させる→議論して頂く
お客さんの文句を社内で言った日にはものすごく怒られている人がいました。

あとは、当時リクルートと協業していたのですが、
営業機能を担うR社のメンバーにいかに自分を覚えてもらえるかが大事、ということで必ずリクルートのオフィスに行く時は大きい声で挨拶したり、
ガラス張りの会議室であえて自分の顔がみんなに見えるところに座ったり、ホワイトボードで積極的にファシリテーションをとるように、と指導されていた。
「だって、あいつ若くて面白そう、イキがいい奴って思われていた方が声かけてもらえるだろ?」

●メンバーからの質問に対して、常に反応がポジティブ
結構的外れなことも多かったのだけど、自分なりに仮説をもったことはなんでも質問していた。(的外れな質問も多かったと思うけど)
「アキヒロ、それいい質問だね~」
「お、いい観点だけど、こっちの部分はどう考えてるの?」
バカにすることなど一切なく、常に引き出してくれました。
あと、パソコンに向かって真剣な顔してても、声をかけた時は、いつも満面の笑みで「どうした?」とすごく質問しやすい雰囲気出してくれてました。

●人として、信頼してもらっていることが感じられる
俺は当時から凡ミスが多すぎて「粗削りルーキー」(今も粗削りのままなのだけど笑)と言われてたのだけど、
ある時期に、
大事なMTGで寝坊してしまったり、
(3時間睡眠×2か月休み無しなんてこともあったので、若くて体力あってもさすがに眠かった笑)
ミスが何度も続いてかなり周りの信頼を失っていた時に、

Oさんから電話がかかってきて
「アキヒロ、俺の息子が今度中学にあがるんだけど、私立と公立どっちがいいと思う?」
いや、なんで俺に聞くの?と思ったけれど、
自分は今仕事では信頼を失ってしまっているけれど、
仕事のパフォーマンスと人格を切り分けて、
人間としては信頼してくれている、この人のために頑張ろう
、と思えた。


●必ず相手の名前を呼ぶ
上述にも出てくるように「アキヒロは、、、」と必ず名前を入れる。
電話をかけても、「もしもし」ではなく、「アキヒロ、お疲れさま、どうした?」と必ず名前を言って電話にでる。
好意的な人間関係を作る上で、地味に大事。てか超大事。

●表情が常にポジティブ
もちろん真剣な表情の時もあるけれど、
基本的に常に明るく、幸せそうな表情をしている
これも幸せに生きたり、幸せに取り組んでいく上で地味に大事。てか超大事

●酔って電話をかけてくる
Oさんは朝型でだいたい7時にはオフィスにいた。
そして会食とかにいくと眠くなっちゃうのである。
で、時々飲んだ帰りと思われる感じで、電話がかかってきて、
「アキヒロ~、おまえ最高だよぉ!」とか言ってくれたりする。
これは、超大事かはわからない。人による。笑
自分は嬉しかった。

●世界、自分の周りを少しでも良くしたいと思っている
心の底から自分が関わったお客さんが少しでも幸せになってほしい、と思っている。
やっぱりそう思っていると行動にも出て、お客さんに伝わるし、メンバーにも伝わる。そうすると仕事が好きになる。


まあ、要は人間性が最高だということ。


私たちのフォワード社はマネジャー育成支援もやっているので、
アカデミックな部分だけでなく、こういった実践知をすごく大事にしています。

でも、
こういう上司になりたいな、っていう良いことも、
上司のこの部分嫌だなぁ、って思った悪い所も

自分がメンバーの時は思うのだけど、自分がマネジャーになったり、偉くなったりすると忘れがちになるんですよねぇ。

Oさんと飲みにって過去を思い出しながら、
話しているだけで幸せな気分になった、という話でした。

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