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【J2第5節】水戸vs大宮戦レビュー

先週末、ちょうど水戸vs大宮@NACK5スタジアムという好アクセスのゲームがあったので、スタジアム観戦してきました。

これまでG大阪vs大宮を観に行こうと思っても、上手く予定が合わなかったりで初めてのNACK5でした。良いスタジアムですね!参道を歩いてスタジアムに向かうのも落ち着いてていい感じでした。

試合結果はといえば、1-1のドロー。
スコアだけ見れば引き分けですが、先制して追いつかれた場面とか、同点に至るまでの押し込まれた展開とか、水戸はこれまでの調子よかった水戸をほとんど出せずに防戦一方の試合と言っていいでしょう。

【時間の無い皆様へは試合の要点を4つだけ!】
①水戸のハイプレスがはまらず
②4-4-2の弱点の間受けをモロにされる
③水戸のビルドアップ、頼みのサイド攻撃も機能せず
④大前のクオリティはやはり高かった
結果:1-1の引き分け

時間がある方は是非お付き合いください。

①水戸のハイプレスがはまらず

水戸は「4-4-2」、大宮は「3-4-2-1」のシステムを採用。
システムの噛み合わせとして、水戸の前線は2枚に対して大宮は3バックなので、2対3の数的不利が生じる状況。

本来であれば主力の黒川、清水が大宮からのレンタルのため契約都合で出場できないという不運もあり、いつも通りのハイプレスは出来ませんでした。メンバー都合、ならびにシステム都合で、初めからハイプレスは放棄していたのかもしれませんが、2FWはほぼプレスは掛けていません。(後半になってようやくそれらしいプレスが始まる・・)

②4-4-2の弱点の間受けをモロにされる

下図に関連しますが、水戸は比較的しっかりと4-4-2でブロックを敷いてゾーンで守っていました。しかし、ある意味ゾーンの弱点である最終ラインと2列目の間受けを狙われます。

少し不思議なのが、水戸はゾーンで守っているようで、人にも付くということだったんでしょうか?大宮の最終ラインは3枚で余裕持って回せるだけでなく、ボランチが落ちてきてビルドアップに絡むため、2対4のような場面もありました。大宮のボランチが落ちた際、水戸の前(8番)もプレッシャーを掛けるために前進します。
その時、ライン間で間受けを狙った大宮の選手がいるため、この2人に誰が付くのかを明確にしないといけませんが、2列目の木村(10番)は右WBを気にしつつ前選手のサポートを考えているため前目に位置取り、中央の選手は志知選手(7番)が見ることになっていたでしょう。
間で受けたのは茨田(8番)だと思いますが、中央から落ちてきた選手にパスしてシュートを打たれます。その際、右サイドを大宮の奥井 (19番)が駆け上がっていたので、サイドに展開されてクロスというオプションもあり、かなり自由に崩されていた瞬間と思います。

同様にシャドーのバブンスキー(11番)も中盤まで下がってビルドアップに絡むなど、水戸の最終ラインと2列目を広げられてスペースを作られてしまうシーンが目立ったように思います。
本当はどっちを意図したのか分かりませんが、ゾーンで守るはずだったのか?人に付くのか?併用するなら人の受け渡しをしっかり決めるべきだったのでは?、いまいちハッキリしない試合だった気がします。

③水戸のビルドアップ、頼みのサイド攻撃も機能せず

水戸は相当ビルドアップに苦労していました。大宮がしっかりとハイプレスを仕掛けてきていたというのが大きな理由です。
印象的だったのは、選手間の距離が遠くてサポートが間に合っていないということでした。水戸のボランチも無理に中盤で受けずに、最終ラインまで入って確実にビルドアップすることでもう少し落ち着いた展開に持ち込めたのではないかと。

一方で、大宮のディフェンスは意図が明確のようだった気がします。
それは、中央を固めるということ。何度か水戸の選手も前を向いてゴール前に迫る瞬間があったのですが、無理にミドルシュートを打たされたり、縦に突破できず横にスライドさせられたり、上手く崩せません。

中央を固められているのであれば、水戸のストロングでもあるサイドから攻撃できれば良いものですが、②で述べたように大宮の間受けや、WBの攻め上がりに対応するために志知選手(7番)もいつものように攻撃的になりきれなかったのかなと予想します。水戸の得点もセットプレーからで、試合の流れとは切り離された部分からであり、流れの中での得点が無かったことが少し残念でした。

④大前のクオリティはやはり高かった

59分、バブンスキーに代わって大前(10番)が投入。やはり、ここから試合の流れが変わりました。大前に中盤でボールを受けられ、ドリブルで持ち上がって中央やサイドに展開と、大前が起点になって広がっていくプレーというのが増えてきました。

同点に至る直前2つのシーンに注目します。

今節、大宮は執拗に左サイドを狙ってきます。大前が中央でボールを受けて一度味方選手に落とした後、リターンを受けて中央にドリブル。右サイドへの展開からクロスで終わります。大前を中心に崩されはじめます。

※動画はDAZN様の内容を元に研究目的として筆者が作成致しました。

続いても同点に至る直前のシーンですが、前のプレーから時間が経っていません。左サイドでまたも間受けされ、フリックでライン際にいる大宮の選手にボールが渡ると中央に切れ込みラストパス。得点には至りませんでしたが、左サイドを深く抉られる危険な瞬間でした。

そして終に80分に同点ゴールを許してしまう訳ですが、左サイドを何度も何度も崩され掛けていたので、とうとう崩れたかという失点だとも思えます。

簡単にまとめますと、
水戸において黒川・清水の欠場は非常に痛かった。ハイプレスができずビルドアップを自由にやられてしまっただけでなく、ゴール前の危険なスペースで大宮に良いようにボールを持たれてしまった、それはしっかりゾーンで守るのか、マンツーマン的に人を見るのかが曖昧になってしまっていたことが少なからず要因になっていると思います。

最後に、両選手ともにかなり走っていたんだろうと思うシーンがあります(下画)。試合終了の笛と同時にガクッと膝に手をつく選手が多いこと、特に大宮は相当に走っていたと思います。両選手ともにお疲れ様でした。

水戸としては負けはしていないものの、前節の千葉戦から続いての引き分けです。前節は0-1でリードされていた中、アディショナルタイムに同点に持ち込むので前向きだったかと思いますが、今節はその逆をやられてしまいました。

次節はホームで鹿児島戦。黒川・清水も出場できるので、次こそ勝って上位を維持したい!

※画像等はDAZN様より研究目的として引用させて頂きました。


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