見出し画像

断片 夏のちょっと前の日々

 もう暑いし、たまにはクーラーをつけるのだが、まだ夏本番という感じではないのだろう。もっと暑いからね夏。えげつねぇからね。そんなえげつねぇ夏を少しでも楽しむこと、楽しんでやりすごすことが重要だ。私は毎年Tシャツで遊ぶ。50枚くらいあるTシャツをどれでも着て気分をよくする。そうやって真夏の期間、七月八月九月をやっていって秋になります。涼しくなったねえ。どこかに行こうかねえ。長袖だねえ。核兵器は廃絶しなきゃねえ。そんなような秋になるまで暑さには気をつけたいものだ。死者が出るほど暑いっておかしいでしょ。涼しい感じでいきましょう夏。クーラーつけて。

 金井はちょこちょこと執筆を始めているところ。前の日に書いたぶんを手直しして、メモ帳とか創作ノートとかを見て書いている。名作になるかどうかは知らんが、書いているぶんにはおもしろい。書き手のおもしろがる気持ちが読み手のワクワクにつながると聞く。つまらないと思って書かれたものは読み手にとってもつまらないと。じゃあもうノリノリで楽しんで書いちゃえばまずはオーケーだろう。おもしれー。自分の小説おもしれー。ひとりよがりにだけ気をつければサービスみたいなものとして提供できるでしょう。芸術、芸の術ならばそれで楽しませてなんぼのところか。そんな簡単でもないのか。どうなのか。

 美術館とかに行きたいと思う。企画展でなくても常設展とかで。そんなのふらっと行ってくりゃいいんだけど、腰が重いね。なんかめんどくせーんだよな。行けば楽しかろうと知ってはいても、めんどくせ、のひとことで予感が吹き飛ぶそのだらしなさ。たぶん日々やってることでキャパオーバーなのだろう。いまは美術館に行くべきときにあらず。やることあるでしょって話に落ち着きますけど。ああ、でも岡本太郎展には余裕で行く。リピートしてもいい。好きなんですよ岡本太郎。画集だけでは物足りぬ。現物を拝みたい。そうして彼の勝負に何かを想う。いいじゃないですかそれ。会場メチャメチャ混みそうなので、狙いは平日朝だな。開催は秋。

 ラヴェルの全集を聴いている。いいねえ。十代の頃、ラヴェルのピアノ曲のアルバムを入眠剤代わりにしていてかなり飽きていたが、この全集のサンソン・フランソワで聴いてみればまた楽しかった。イイじゃん。ラヴェルイイじゃん。全集の後半は管弦楽。これもまた、なかなか。瑞々しく透き通って華麗。これが美だ。フランスものも捨てたもんじゃねえ。無視できるもんじゃねえ。この流れでドビュッシーに行こうかと思うが、新しく開拓していくディスクも山とあるのであまり選ぶ余地はない。聴くべきものはたくさんあるのだったが、そのノルマを決めたのは自分であって、別に誰にも文句とかいわれないので変えちゃえば楽だったりする。じゃあここは半々で。必ず聴くべきものだけは聴こう。あとは自由に。

 前述のように少しずつ書いている日々である。同時によく寝ている日々である。脳のシワシワが伸び縮みしているのだろう、なんだか疲れている。頭から疲れがくる感じはあって、それでよく眠れるのなら別に構わないんじゃないのかと思うが。健康的でしょ、活動して疲れてぐっすり寝るなんて。実はこれ以上を望むなどとは強欲かもわからんよ。それでも望むけれども。お腹いっぱいで死ぬみたいな感じのとこまでは行こう。死ぬほどがんばってから死のう。みんながんばってるから私もがんばるのです。



サポートありがとうございます!助かります。