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なれないものにはそもそも憧れない/小説の売れ方

 そう、絶対になれないものとか、絶対にできないことには人はそもそも憧れないのである。貴族階級に生まれたかったといってもなれないし、庭を掘っても石油なんぞ出るはずないから掘らない。自分にはこれからなれそうだとかできそうだとか、そういうある程度の見込みがあって取り組んでいるのが夢追い人たちなんで、「絶対に無理」となるまではやはり諦めちゃいかんのではないかという話。やってる時点で可能性はあるんだから。

 どこかで聞いたことには、努力はギャンブルだという。努力しても報われたり当たったりするとは限らないが、努力を賭けなければ決して報われも当たりもしないっていってたな。北野武だなこれ、なんかあるじゃん名言紹介のショート動画とか。CMのようにネットに出てくるやつ。あれ作ってカネになるのかな。ならやりたいんですけどその仕事。まあいい。

 太田光が小説を書こうとしたときのこと、村上春樹を読んで「こんなもん俺にも書ける」と思って書いてみたらしい。そしたらできなかったっつって。春樹はなかなか偉大なんでしょうけど、それでも太田光だって作品を完成させて、本として売り出してたからたいしたもんで。レベルだの文学性だののあれこれはあるだろうけど、執筆で努力したんだからいいじゃん。小説を書いた上に商業出版だろ。イイじゃんそれ。太田光イイじゃん。

 また、星新一いわく、作家になる前に芸能人になれという。作家がただぽつんといるだけでは食えず、芸能人としてテレビで名を売ってからなら小説はさばける、みたいなことだったと思う。実はいまこれは簡単かもしれない。ネットというメディアがある現代、ユーチューバーになればいいだけなのだ。テレビからネットに活動の場を移す芸能人がいるくらいだから、Youtubeでのブレイクの仕方というのも十分に選択肢になるでしょう。もはや世はネット次第です。いまさらいうことでもなく、とっくにそうだったんだろうけど。

 そうしてこれ、noteというのもネットであるから、ここで読まれるなら本を出しても読まれるんじゃないのとは思う。SNSのフォロワー数で出版の如何を決める編集者もいるというしな。そういう場合なら別にユーチューバーにならずともいい。読んでくれる人がいるならば売れ方は問わないというものでしょう。

 あたくしは新人賞に送り続けてはいるけれども、賞を獲らずに本を出す方法がないものかとふと思う。いや、賞は認められたことの勲章だし、獲っといたほうがわかりやすい「作家」なのではあるが、なにしろとにかく受からねえのだ。どうしたものかね。金井さんもいましんどいところさ。

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