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断片 失ったものよりも得たものを数えよ

 ここまで生きてきて、けっこうな数のなくしものをしてきた。こっそり盗まれたと思しきもの、間違って捨てたものと捨てられたもの、失うたびに嘆いた。それらは大切な持ちものだったのだけれど、諦めきれないからといってもここへ戻るわけではない。私の人生の中から永遠に失われたのだ。忘れることもできないが、それよりもいまある持ちものに喜びを覚えねばならんのではないか。失った以上に得てきたようないまである。本やディスクが山とあるここで何を嘆くのか。あれがなくてもこれがあるのだ。そう思うとちょっとは楽だな。得たものを数えよ。数え切れねえぜきっと。

 承前。失うのはそれだけ豊かに持っていたってことだろうし、なんかこう、うっかり積んじゃってた悪業の精算、罰、税金、そのようなものとしてなくしたんじゃないのか。私もあまり清廉潔白な身ではない。怒られるようなこともしたし、傷つけるようなこともしてきた。じゃあバチが当たって当然なので、手元のものが失われるという形で罪の贖いをしたんじゃないのかねえ。誰かに与えた苦しみが巡り巡って自分のところへ。業というのはそうしたものかもしれない。まああまり深刻に考えているわけではないのだが、人並みの善悪のバランスで生きられればと。そのように考えている次第であります。

 切り花のアジサイが十日以上元気に咲いていてくれて嬉しい。栄養剤もあげたし切り方も花屋で教わったとおりにしたし、手間をかけただけのことはあるな。このブルーの色彩がなんとも落ち着く。花の趣味も二ヶ月三ヶ月はやってきたか、まだまだ修行中であり勉強中、たまには花の図鑑も開いておりますよ。これから夏になってどんな花が店頭に出てくるか楽しみ。と、切り花のサブスクってあるんだってね。一回数百円で毎週、何本かの切り花が届くんだって。あれよさそうなんだよなーと思う。送料がかかるっていうんで二の足なんだけど。それと出不精を解決するための外出先として花屋へ行く、そんな事情もございますから。花。お花。

 ここ二日ほど趣向を変えてロックを聴いてたりした。クラシックに走る前はロックンローラだったんですよ。BABYMETAL、マキシマム ザ ホルモン、pillows、米津玄師、などなどとメタルからポップスまでの幅で聴いてみてみたらば、やっぱりロック、ポップミュージックもいいなあと。作業をノリノリでやれるような音楽たち、正直ずっと聴いていると飽きるんだが、そこはクラシックの奥深さが勝つんだけど、それでもわかりやすく聴けること、共振がたやすいこと、そういうことだったらポップミュージックのほうがどうしても強いんじゃね。Halloweenとかまた聴きたい。Korpiklaaniもいい。うるせーのがけっこう好き。

 ちょっと執筆その他をサボり中である。具体的には原稿そのものとネタ出しができていない。作業の条件が揃わないというのか、やる気がピンボケしているというのか、思うようにはいかねえなあ。でも代わりに資料の読み込みはしている。これで裏打ちすれば強いだろうっていう、とある人物の伝記だ。いや、伝記っておもしろいんだねこれ。誰か好きな偉人や芸術家がいたら、その伝記や自伝を読んでみたらいい。為したことや作品が好きだったら作者のことにもふれていく、その楽しみよ。書簡集なんかもいいよね。当人の生の声だもんな。そういうのが読めるんだからありがたい。本はありがたい。

 断片は次回で100件目です。イエア。



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