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ミスチル歌詞から紐解く アルバム全曲解説 18thオリジナルアルバム「REFLECTION」{Naked}⑧ [放たれる]

18thオリジナルアルバム「REFLECTION」{Naked}収録の8番目の曲。歌詞全文引用させていただきます。

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閉じ込められた気持ちが
今静かに放たれていく
重たく冷たい扉を開けて
微かな光を感じる

あきれめかけたいくつかの
夢 希望 憧れ 幸せ
朝顔が空に伸びるみたいに
その光をたぐり寄せる

右へ左へ 迷いながら
そのたびに蔓を巻き
陽のあたる場所に登りたい
あなたもそこに来て

もう一度その温もりに
その優しさに包まれて生きたい
払い落しても 消えない愛が
ひとつあるの
それで強くいられる

あるときはもっと滅茶苦茶に
自分を傷つけたい衝動にかられてしまう
誰のせいにも出来ない不運を目の前に

だけどたった今 わかったのは
誰もが「生きる奇跡」
産まれてきた ただそれだけで
愛されている証

カラタチの木の棘のように
あらゆるものに尖り自分を守った
でも今は恐れることは何もないと
強がりじゃなく思える

遥か遠い記憶の中で
あなたは手を広げ
抱きしめてくれた
まるで大きなものに守られている
そんな安らぎを感じる
今でも

もう二度とその温もりに
その優しさに触れられないとしても
いつまでも消えない愛が
ひとつあるの
それで強くなれる
だからもう恐れることは何もないの
心は空に
今そっと放たれる

<出典>放たれる/Mr.Children 作詞:桜井和寿

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桜井さんの解説も引用します。
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小林武史さんと一緒に作業した曲で、ライブでもやっています。ライブごとに演奏も良くなっていると感じていて、それは、僕がもっと柔らかい感じで歌えている部分もあるし、エコーの感じや拡がりの感じが、ホールやアリーナのような大きな会場によって作られるリバーブ感にすごくあっているようにも思えます。でも、音源にリバーブ感をたしてみたら、音源はレコーディングされた状態が良かったですね。ライブとは違う良さがあるというか。
<出典>Sound&Recording
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この曲は劇団ひとり監督の「青天の霹靂」主題歌です。楽曲制作にあたり桜井さんは台本を読んで、ケージの中で傷を癒した鳥が、再び空に向かって飛び立つ瞬間というイメージで。完成した曲については、「重く薄暗い場所にある誰かの心が、自由と明るさを取り戻す大事な場面に、ただ寄り添うだけの最良のBGMでありたい」とコメントしています。

このアルバムの中でも、どこか聞いた事あるような壮大で、綺麗な作りの曲だなと感じていたのですが、小林さんと一緒に作っているということを知り合点がいきました。ピアノはもちろん、オーケストラの楽器達が綺麗なバランスで鳴っており、シングルっぽい華のある曲だなと思いました。サウンドの要素に関して、私はずぶの素人ですが、桜井さんのインタビューや、曲を丁寧に聞くことを繰り返すうちに、なんとなく違いが分かってきました。

曲のイメージは「飛びたつ瞬間」としておきながら、このスローテンポとそれなりの尺がある曲の長さの対比が面白いです。瞬間といっておきながら、その瞬間を迎えるまでのプロセスを曲調に織り込んでいる気がします。

映画「青天の霹靂」は何度か見ましたが、出演陣の、大泉洋、劇団ひとり、柴咲コウと名演が光り、質の良い作品だと思います。エンディングで流れる「放たれる」はさすがのリンク率の高さ。全体の感動感が増すことは間違いないです。

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