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2年ほど就活してる話

私は、内定があったのにもかかわらず機械工だったが故に、同業の父に縁を切るレベルで反対されて辞退し、大学を卒業後から今まで職を探している状況である。今のところ、就活生と言えば聞こえはいいが、言い換えればニートである。

食事や掃除などの家の事や定期的な親の送迎をしているので、何もしていない訳じゃない。しかし、それでも仕事を探さねばと最初の頃は頑張ってみた。ハローワークで相談し、様々な転職サイトに応募して、上手くいけば面接で落ちるという半年を過ごしてきた。

ところがお世話になっていた職業案内所の職員と歯車が合わないのではないかと思い始めたのだ。向こうから進められた仕事に応募するかどうか聞かれ、応募すると言って翌週に書類を持っていくと「本当に大丈夫?仕事かなりきついよ?」と根掘り葉掘り聞かれる。これがどんな仕事でも毎度起こっているのだ。

確かに即返事で不安要素かもしれんが、何故もそこまでネガティブに言うのか疑問でしょうがなかった。鋼の意志を見せて欲しいのだろうか?と思いながらも受けて(時には止めておくと進めたくせに止められた事もある)、企業側から説明を受ける。そのまま面接を受けて「どんな仕事も大丈夫です」と言っているが、あの職員の言葉が頭を掠める。

次第に職員へと書類を持っていくたびに腹痛や頭痛がしてきて、青ざめながら面接をこなすが全滅だった。いや、これが悪かったと言いたいわけじゃない。『粗利が合わないなら、こんな事で悩む前に別の方向へ変えた方がよかったのだ』と今更ながらに思う。

しかし当時の私は、『もっと自分に価値を出そう』と就活しながら資格の勉強してみたが、ペンを持っても覚えられるのは1ヶ月で10行程度。むしろなぜ今まで学校のテストをクリアしてきたのだろうと思う程に物覚えが悪かった…。

そんな時に昨年の8月に就寝中の脱水症状と熱中症で倒れ、数日後に顔と腕が蔦類の被れで腫れ上がったという珍事件が起きた。顔の腫れと腕の治療後に熱中症の時からか足の痺れ(膝に水が溜まっていたらしい)が起こり、2か月ほどはほぼ自宅で療養生活となった。

11月に応募しても苦い顔をされ、1月2月は新入が多いからと止められ、3月、4月と行くたび行くたびに落ち続けて、就活落選エリートと化した。その間に在宅仕事をいくつかこなしてきたが、親は職場についてほしいと視線を送ってきたので、いっそのこと家から飛び出して地方にでも…と思った。

ところが、先日から保険の営業の勉強会に誘われ受講することになった。この試験が受かれば本採用らしい。テストか…と不安になっている私に、先生は笑みを浮かべながらホワイトボードを指した。

「大丈夫、車の免許と一緒だから」

と軽々しく言ってくれるが、車の免許でさえ3回も落ちた人間が本当に合格するのだろうかという一抹の不安を抱えながら試験勉強をしている。

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