歓送迎会の話
コロナ禍になってから2.3年振りだろうか、会社の飲み会に行ってきた。
この2.3年で変わったことと言えば、染めた髪を注意されて私はカツラを被ったことぐらいだ。
月に一度開催される、人の話を聞くだけの会議が16時半に終了した。
久しぶりの歓送迎会、東京駅で18時からか。
移動時間含めて、少し時間が余る。
そうだ。
プリキュアストアに行こう。
何を言おう、私は幼少期好きだったプリキュアを今年ふと見てハマったのだ。
ちなみに今年はご飯をテーマにした「デリシャスパーティプリキュア」だ。
勿論エンディングを踊ることができる。
東京駅なんてそうそう行くことは無いんだから、人生2回目のプリキュアストアに5センチヒールを鳴らせて走った。
何やら整理券を配っていた。
限定グッズの発売日で混んでおり、貰った紙には19時と記載されていた。
終わった。
ガンガンに飲んでる最中じゃないか。
トイレと称して合間に買いに行くしかない。
そう決めた私は飲み会のテーブルに、マネークリップにクレジットカードと整理券を挟み歓送迎会が始まるのを待った。
席は自由席で人と絡みたくないので、端の席で暇をしてたら目の前に部長が座った。
終わった。
部長の目を盗んでプリキュアストアのショッパーを下げて戻るなんて無理だ。
結局トイレには行けたが、プリキュアストアには行けなかった。
小心者なのだ。
歓送迎会が終わる頃、プリキュアストアも閉店しており、ヤケクソになった。
カツラを被っていることを認知している部長と課長に「お疲れ様でした」と言い、カツラを帽子のようにヒョイと上げ挨拶した。
赤ちゃんのようにキャッキャしてた。上司が。
私はこの2.3年で着実に大人になった。
趣味を捨て社会性とユーモアを選びとった。
風呂に入らず不貞寝した。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?