真海

痩せたい時はミネストローネを食うことで罪悪感を滅ぼす。

真海

痩せたい時はミネストローネを食うことで罪悪感を滅ぼす。

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ピアスの話

入社採用試験に「能力テスト」と記載があり、体力なら馬鹿な私でもどうにかなるぞと体育着を持参したら、一般教養筆記だった。 そんな私は奇跡的に販売職に就くことができ、暇な時はパートさんと駄弁ってる。 先に言うが、この話に関してはずっと勤務中だ。あろう事か給料が発生している。 高校を卒業したからにはピアスを開けてみたいが勇気が出ないと話していたら、パートのオバチャンが「私娘の開けたことあるからできるわよ!今やる?」と自信に満ちた表情で言った。 友達には経験者が居なかったので、こ

    • 人見知りの話

      私の人見知りには起源がある。 保育園の頃、新しくきた子がお母さんの後ろでモジモジしていた。 そうか、初めて会う時は隠れるのか。 そんな間違った認識をした上に真似までしてしまい、修正の施しようが無いほど人見知りをこじらせた。 私の担当をした美容師は、累計2人だ。 予定は無いが結婚したら電報を貰おう。 話さず目が合わず緊張感が相手にまで伝わる。 コミュ障の三猿。 もはやエヴァ第14使徒ゼルエル。 コアを何層もの膜でおおっており、攻撃(会話)されても効かない地獄の硬さ。

      • 異動の話

        「ほんとうですか」 私が他店舗に異動すると伝えると、パートさんが泣きながら寂しそうに言った。 プッシュ式ボディクリームを出す時、どれほど射精感を演出できるか試行錯誤する私にここまで懐いてくれるなんて。 内示の電話を上司から貰った時に、「当日は誰にも言っちゃいけないから」と念を押されたにも関わらず、今の店を離れる寂しさで売場に戻った瞬間泣いた。 パートさんは困惑、隣の店の人から慰めの煎餅を貰った。 店長の私が休憩から戻ったら泣き始めるなんて怖すぎるので、禁止令が出てたが異動

        • レイヴの話

          「どう言えばいいか分からないことを、まなちゃんが言ってくれる。話しやすい。」 そう言ってくれた子と、電車で別れる時泣きそうでそっぽを向いたのを悔やんでる。 初めてのレイヴは緊張と恐怖で2枚分買ったが、一緒に行ける友達もいないので1人で行った。 2人分楽しまなければと鼓舞するが、昂りすぎてバス出発時間1時間半前に駅についてしまう。 「ゆるふわのバスってここですかね」 話しかけてくれた女の子にバスを教え、1人で行く緊張と初めてのレイヴが共通し話は盛り上がった。 タイムテーブ

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        ピアスの話

          変化の話

          失恋でうつ初期状態みたいになって、2ヶ月で7キロも痩せて靄がかかった初夏。 大好きで大好きで大好きだった彼氏に、大好きで大好きで大好きでいてもらいたくて不安になって、結果迷惑をかけて別れてしまった。 好きでいてもらえてるか不安なエゴが強まるほど、相手はそれにちゃんと気づいて気持ちが離れていった。 男性への不信感が実を生して腐り落ちた。 喧嘩も無かったけど、なるべくしてなった結果。 自分に問題がある事は重々承知してたので、別れたあと自分を変えたくて図書館に籠って勉強した。

          変化の話

          小心者の話

          「私は蜘蛛が好きだ」 「よく見たら小さくて可愛いじゃないか」 「止まってる時は大丈夫だ」 ラーメン屋のレンゲの上で踊る蜘蛛を見つめ、自身に洗脳をかける。 休みの日は早くて安くて美味いラーメンを昼飯としてよく食べる。 行列ができるラーメン屋は論外だ。 食券を先に買うか後に買うか分からなくて怖い。 高円寺の「空いてるから」と入ったラーメン屋は食べログの評価が4.0で不味くも無いだろうと、中華麺の食券を出した。 ラーメンが来るまでの間カウンターで気づいた。 器にレンゲが10個

          小心者の話

          ベンチの話

          土曜日の霞ヶ関(東京)の交差点を渡ったら、20人いたオフィス格好の人達が一斉に振り返った。 恐ろしくて固まっていたら、交差点を渡る撮影をしてるところに遭遇してた。 言えよ。怖いだろ。 霞ヶ関に行く要件は日比谷公園の野音しかない。 アイドルのライブだ。 1ヶ月前にも野音に行ったのに、土日の飲食店営業が皆無なのを忘れてた。オフィス街なので、コンビニすら営業してない。 昼飯を食わねば。 屋台がある。白いテント屋根だ。 虫のように誘われた私が入ろうとしたら、「スタッフですか?」

          ベンチの話

          歓送迎会の話

          コロナ禍になってから2.3年振りだろうか、会社の飲み会に行ってきた。 この2.3年で変わったことと言えば、染めた髪を注意されて私はカツラを被ったことぐらいだ。 月に一度開催される、人の話を聞くだけの会議が16時半に終了した。 久しぶりの歓送迎会、東京駅で18時からか。 移動時間含めて、少し時間が余る。 そうだ。 プリキュアストアに行こう。 何を言おう、私は幼少期好きだったプリキュアを今年ふと見てハマったのだ。 ちなみに今年はご飯をテーマにした「デリシャスパーティプリキ

          歓送迎会の話

          脱水症状の話

          新宿駅構内にて雨が降ったと思い、濡れた踵を見るとオッサンの痰がかかっていた。 白くにごった痰付きサンダルを、エスカレーターの壁に擦り付けて朝の電車に乗った。 飛沫防止の時代で直に受けたのは私ぐらいだろう。 朝から不調だと、大抵丸一日不調。 朝から腹痛と下痢で、その上痰をかけられてた絶不調の日に友人と鎌倉に行った。 後から分かったが、この時カンピロバクターの胃腸炎だ。 鎌倉はトイレが少ないので、飲料を持ち歩かないでなるべくトイレに行く頻度を少なくするのが肝だ。 その肝を下痢

          脱水症状の話

          病室の話

          小学6年生の頃の記憶。 日曜日のご飯を食べた後の昼間、母は「肩が重い」としきりに言い続けた。 肩こりは常日頃だったが、その時の言い方の異変に気づいた兄は救急車を呼んだ。 母はくも膜下出血だった。 これを書いてる私は今、6月に季節外れの胃腸炎で脱水症状を起こし1週間入院している。 病室を見ると記憶が蘇る。 あの時はまだ父もいた頃だったので、毎年家族で夏は軽井沢に泊まるほど仲が良かった。 くも膜下出血は脳にこぶができ破裂し出血をする、突然死も有り得る病気だ。 兄の発見のおか

          病室の話

          山梨の話

          なぜ私は山梨にまで来て人の首を締めなければならないのだろうか。 VIPルームのラブホの外ジャグジーに沈む相手は、首を締められてるのに変に整った顔をしてる。 揺れる髪がやけに柔らかい。 炒めつける残暑に、Tinderで会った。 携帯を変えたばかりの私はiPhoneケース探しに付き合わせ、カフェでケーキを食べながら音楽の話をした。 ピアノ教室に行くらしく、夕方で解散をした。 私にしては珍しく健全なデートだった上に、ピアノ教室に同い年で通う姿は少し興味が沸いた。 後日遊びの予定

          山梨の話

          服の話

          服を買いに行けない私は、人から貰った服で生活をしている。 元カレ達、今はもう会えない友達、母の友達の娘のニートギャル、母、服を買いすぎる友達。 こうなるとジャンルもクソもない。 自分で唯一嬉々として買った服は赤い太極拳服。 コスプレじゃないか。 基本的に店員さんと話せない。 知らない人と目を合わせられない。 友達と買物に行った際は、友達の顔を見て店員さんと話すので、さながら翻訳家を携えるVIP外人だ。 1人で意を決して服屋に入った時は、2時間彷徨いて吐き気と頭痛に悩まさ

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          兄の話

          私の家族は恋愛で人生を終わらせてる。 父は行方不明浮気、母はバツ2、私はTinder沼。 兄も例外ではない。 ビンゴカード全部穴空いたんですが、景品どこですか。トラウマですか。 母の初婚相手は社長で兄を産んだ。 「気持ち悪い」という謎の理由で離婚し、再婚をして私を産んだ。 私もこの理由で彼氏と別れた事があるので、血が悪いと開き直る。 そんな私と兄は11歳歳が離れているので、距離のある仲の良さだ。 今から10年ほど前、当時25歳の兄はマックでバイトをしておりそこでパート人

          兄の話

          ノーブラの話

          あぽろ【アポロ】 ①株式会社明治のイチゴチョコとミルクチョコの組み合わせが可愛い三角型のチョコ。 ②まな板の上にアポロが乗っている様な貧相な胸を比喩した一語。あだ名。 (例)アポロおはよ〜え?ブラ忘れたの? アヤちゃんが付けた天才的なあだ名。 貧乳好きのTinderの人には1番だよと褒められたが、嬉しいはずはない。悲しき栄誉。 他にもマイナスzカップの異名を成長期の中学から手にしていた私。 時は経ち、高校では楽そうだからとバドミントン部に入部をした私は、アップで体育館の中

          ノーブラの話

          人妻の話

          1回目は「まだ2時間しか会ってないから」。 2回目は「彼女は今いらないから」。 3回目は告白をしていないが、貸した本の感想を聞いたら主人公に気持ちが重なったのか「実は好きな人が人妻なんだよね」。 私は1つの片思いで数回振られるサンドバッグ。 江國香織さんの『東京タワー』が大好きでオススメとして貸したら、3回も読んだらしい。 私以上に気に入ってたので、もうあげてしまった。その後本屋で同じものを買った。 告白をして振られ、気づけばセフレになってたので理由を聞いたら人妻。 「2

          人妻の話

          乾燥草の話

          HideyoshiのJitsuryokuを聴く。 「小さく砕いて丸めて吸う」 乾燥草を持ってた当時の彼氏に、おふざけで凍頂烏龍茶を透明の袋に入れて見せたらびっくりしてたのを思い出した。 砕く前は似てるのだ。 数年前に Tinderで付き合ったベンチャー企業の社長は、本郷三丁目の風呂なしトイレ共用のボロに住んでいた。 電車が無い時間に会いたいと電話で話し、深夜に15キロ自転車を走らせて彼の元に会いに行ったこともある。 私にかかれば愛の力で競輪選手にもなれる。 彼が仕事で中国に

          乾燥草の話