好き好き 大好き! ⑥都市対抗野球


東京ドームは海外アーティストのライブと日米野球と
都市対抗野球でしかじつは行ったことがありません。

いよいよ2023年の都市対抗野球が開幕します!今年は7月14日から25日まで、東京ドームで全31試合が行われます。私が愛して止まない「オトナの甲子園」について、その魅力や楽しみ方についてご紹介したいと思います。

思い起こせば私と都市対抗野球との出会いはプロ野球ファンになった中学生の頃。生まれて初めてファンになった選手が、社会人野球からドラフト1位でプロになった選手だったため“社会人野球って何?”と「選手きっかけ」で注目するようになりました。
しかし、間もなく残念なことに社会人野球は社会情勢の変化の中で縮小する時代を迎えました。まだ子どもだった私は社会人野球まで追いかける経済力もなく、実際社会人野球を観戦するようになるまでには30年以上の時間が経過してしまいました。実際球場で都市対抗野球を観戦するようになって、じつはやっと10年経ったくらいです。

1.都市対抗野球とは
社会人野球は「企業の硬式野球」のことをいいます。全国でさまざまな企業が硬式野球部を持っていて、さまざまな大会が春から秋まで全国各地で開かれています。
社会人野球において年に2回、全国規模の大きな大会があり、特に夏の大会を「都市対抗野球」といいます。夏の大会の会場は伝統的に東京開催。後楽園球場を経て現在は東京ドームが会場。私は自宅から1時間くらいで駆けつけることが出来るため“夏専門”の社会人野球ファンとなりました。私にとって都市対抗野球はもはや「年中行事」です。大会は都市対抗の名称のとおり「郷土の代表として」「企業の団結」を野球とともに競う場でもあります。またプロ野球のシーズン同様に、大会各個人賞やチーム対象の応援賞もあり“より多くの人を巻きこんでいる面”が学生野球やプロ野球との違いであり、多様な楽しみを含む都市対抗野球は「日本の文化」と言っても過言ではないと私は思っています。

2.「その後の選手」に会えること
最近は高校野球をじっくり観ることが減ってしまい、夏の甲子園で印象に残るような選手はかなり限られるのですが、社会人野球で「甲子園で活躍した選手」に再会出来る場合もあります。また大進学後、ドラフトにかからず社会人野球に進みチャンスを待つ選手もいます。
プロ野球で活躍した選手が社会人野球で中心選手として再ブレイクすることもあります。社会人野球を盛り上げる存在として、その役割は選手にとどまらずコーチや監督としても拡がっています。

高校野球や学生野球から社会人野球に入った選手は、プロ入りを目指してドラフトを待つことも多いので、各チームは毎年“ドラフトで主力が抜けること”が避けられない面もあります。毎年チームが“いかによりよく生まれ変われるか”が都市対抗野球出場の成績も左右するし、反対に地区予選を勝ち抜いた自信がドームで花開き“大会で育つチーム”が出てくることも過去に多々あったと感じています。
社会人野球は飛び抜けた選手がいること以上に、チーム力の向上を重視した“総合力で勝つ野球”が主流に感じます。「チームで強くなること」に重きを置く野球だからこそのおもしろさが、社会人野球の魅力であり、そんなチームの頂点を決める“一発勝負のトーナメント戦”だからこそ観客も熱くなってしまうのかもしれません。

3.応援にも夢中♡
“都市対抗野球を現場で観たい!”そう思ったのは、応援の進化があったから。中学生の頃にテレビで観た応援は、会社の関係者の方が音頭を取って慣れないながらも応援をリードするという感じでした。現在は応援部を持っている会社もあり、会社の特色や地域の伝統なども取り入れ、日々研究し工夫を凝らした「魅せるための応援」になっていると感じます。
コロナ禍で“応援自粛”を経て、昨年やっと応援が復活しました。ただし応援団しか声が出せなかったので、今年ようやく全員参加の応援が復活…!
「都市対抗野球の本来の風景」が完全復活するようです。
それに伴い、大会の応援賞も復活するそう。外部に応援の一部を依頼しているチームもあるようですが、企業という団体に所属する個人が、ある者はプレイで・ある者は応援で「ひとつに繋がる風景」は圧巻です。
チアリーディングの上手いチームやプロと言ってもいいレベルのブラスバンドを持っているチーム。都市対抗ならではの「応援団のいる風景」を、毎年本当に羨ましく眩しく眺めています。

私はスコアブックをつけながら野球を観ることも好きなのですが、都市対抗野球は絶対に出来ません。試合も応援も夢中になって観るので、とてもではありませんが忙しくて手が動きません。都市対抗野球の風景や空気は、記録するよりも“しっかり心に焼きつけたい!”と毎年ドームで観戦できたときは特に強く思っています。

4.「地域と郷土あってこそ」の精神
ドームの外では出場チームの地元から物産販売も出張してくるので、ちょっとした旅行気分も味わえます。また、応援団に近い席を選ぶと応援団の皆さんの「お国言葉」もかすかに聞こえることがあり、さらに旅行気分が増して楽しいです。
応援団席をよく観ていると、社員さん同士やお仕事繋がりで観戦をコミュニケーションの場にされてる様子なども見かけます。名刺交換をした後、一緒にビールを片手にネクタイも緩め、楽しそうに盛り上がっている姿に“都市対抗の夏”を感じます。
私を含めて、家族には硬式野球部を持っている会社の関係者はいないので、関係者席での観戦は未体験。(住んでいる地域のチームはあるのですが、来年からはホームタウンが移転とのこと。地元チームがなくなることが本当に寂しく残念です。)
息子の母校(高校)からも数名、社会人野球に進んだ選手がいるので、彼らのチームも応援しています。息子が野球部外者でも、息子と同じくらいの歳の選手が全国区で頑張っていることがより社会人野球を身近にしてくれています。プロ野球界はより狭き門ですが、社会人野球は「就職」でもあり、そこで“野球も継続”という選択は十分あり得ると思います。皆さんのまわりにも、もしかしたら母校の後輩が社会人野球でがんばっている可能性があるかと思います。一度探してみてはいかがでしょう。

今年のJABA(日本野球連盟)のポスターは『全員二刀流』というキャッチコピーが掲げられています。ちょっと“寄せ過ぎ…”とも思いますが、社会人野球は「まさに二刀流の先駆け」です。私がキャッチコピーをつけられるなら、さしずめ 『とっくに二刀流』です。
働きながら野球も出来ることは、とても恵まれたことだと思います。本人の努力ももちろんですが、社会人野球は企業の理解やサポートが不可欠です。JABAでは地域への社会貢献活動が顕著なチームや企業を表彰する制度もあります。高校野球や大学野球、プロ野球よりも先行した理念も社会人野球には存在します。より多くの選手が長く野球を続けることも、社会人野球があるから可能にしているところもあります。社会人野球の社会貢献にも注目してもらえる機会でもある都市対抗野球。私は社会人野球を「楽しんで観ること」で、全国の社会人野球チームを応援したいと思います。

試合前後の応援団によるエール交換が私の特に好きな『都市対抗の風景』です。
この大会を愛する、社会人野球を支えるすべての人に、私も毎回感謝と敬意をこめて、涙が出そうになりながら力いっぱい拍手を送っています。

今年も1試合は観戦確定。日程調整がつけば、もう2試合くらい観戦予定です。
それではドームでお会いしましょう!

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