ラオス/パクセから世界遺産の町ルアンパバーンへ シニア夫婦の個人世界旅行 托鉢(たくはつ)体験
ルアンパバーンの空港は、パクセ空港に比べるとかなり大きい感じです。日本のローカル空港くらいはあるでしょう。
前回のパクセ世界遺産の観光はこちらに投稿済
空港建物には、ボーディングブリッジも数機設置されていました。パクセから乗った飛行機は、小さなプロペラ機なので空港建物から100m位離れた場所に止まりました。
空港建物までは、徒歩で移動です。パクセの空港でもありましたが、ここルアンパバーンの空港でも日傘のサービスがありました。飛行機を降りたところに、多数の日傘を入れたカートが置いてあります。空港建物まで歩くときに、この日傘は自由に使用できます。
空港出口には、ホテルから迎えに来た車の運転手が待っていました。2時間近く飛行機が遅れて到着しているのに、遅れるのは当たり前だという感じです。何かトラブルでもあったのかと聞きもしません。ラオス航空は、遅れるのが当たり前なのでしょうか。
ルアンパバーンのホテル
2024年3月5日ラオス国内に入ってから4日目です。
ルアンパバーンでの宿泊ホテルは、四ツ星で(予約サイトには五ツ星で掲載されている)サトリ・ハウスホテルです。
ジュニアスイートで43㎡の部屋です。このホテルは料金がべらぼうに高いので驚きです。街中のホテルはどこも同じような値段設定がされています。それでも世界遺産の街の中にあるので、需要と供給の関係で高くてもお客さんが泊まるのでしょう。
このホテルに5泊します。朝食付きですが、メニューは卵の料理方法が違う程度で、ほぼ毎日同じです。(毎日同じメニュー表から選びます)
ホテルの敷地内には多くの建物があり、それぞれの建物がほぼ独立しています。プールもついています。
貴族の屋敷だった建物を改装したホテルで、建物は相当古く内装も備え付けの家具類もとても古そうです。
古いというよりは、アンティーク調という表現が適切かもしれません。ベットは天蓋付きです。
隙間も多くあり、このホテルにも部屋に「やもり」がウロウロしていました。夕方には、殺虫用の噴霧器を配ってくれます。
照明の数はたくさんありますが、どれもこれも薄暗く文字を読むのも難しいくらいです。部屋は広く浴槽もついていますが、お湯は浴槽1回分貯めると2回目は水になります。
妻が風邪気味になって6日目、私が妻から風邪がうつって3日目になります。
二人ともホテルに入ってから2日間は、ほぼ部屋にこもって寝たり起きたりの状態でした。
ここルアンパバーンでの予定は、小さな町全体が世界遺産なので、ツアーなどの計画を入れていません。洗濯をしたり、街中を歩いて回ったりする予定でした。結果的に体調不良でダウンしても、行程にはそんなに影響はありませんでした。
托鉢の見学とお布施体験1
ルアンパバーンについて3日目の朝、ようやく観光に出かけるくらい体力が回復しました。3月8日の早朝5時に起きて、お坊さんが行う托鉢の見学とお布施体験をしました。
一番大規模な托鉢が行われる場所に行くことにしました。まだ薄暗い5時40分に托鉢が行われる場所に到着です。
托鉢は、市内に数か所あるお寺の近くで、それぞれの修行のお坊さんが行います。
托鉢は、想像していたものとは大違いでした。お坊さんたちせいぜい10人くらいが街中を歩き、地元の人が食物などをお布施するのだろうと考えていました。
実際は、お布施をするのはほぼ全員海外からの観光客です。しかも数百mにわたり、お布施をするために座る、小さな腰掛が用意されています。
お布施をする品物は1組50000キープ(360円)で、お坊さんが来るまでに購入しておきます。
お布施の内訳は、炊いたモチ米(ご飯)3合くらいと小袋にはいったお菓子が10個ほどです。
お布施用の腰掛は、お布施用の品物を売る業者が、場所を決めて準備しているようです。
お坊さんの人数も、想像をはるかに超えていました。50人を優に超える人数です。年配のお坊さんから、小学校の低学年に見える、子供のお坊さんまでいます。
そのお坊さんの列が、延々と連なって目の前を通りすぎます。
お坊さんの持っている托鉢入れ用のお釜と、布袋に次々とお菓子やご飯を入れていきます。
ご飯は、事前に小さなおにぎり程度に丸めておくと、お布施の時にスムーズです。
ビニールの手袋をはめて、ご飯やお菓子をつかんで、お坊さんの持っている托鉢入れに放り込みます。
ただ、托鉢入れの中は、ご飯もお菓子もごちゃ混ぜに入っています。ご飯も丸めてあるものだけでなく、手でただつかんだだけで、そのまま放り込んだものが混ざっています。
本来は、お釜のほうにご飯、布袋には袋に入ったお菓子やお金を入れるのでしょうが、観光客はよく考えずに入れているようです。
お坊さんは、ほとんど誰もこちらを見ません。ただ、お布施をする人の前を歩いていくだけです。
10mおきくらいに、お坊さんが受け取ったお布施を入れるカゴが用意されています。お坊さんは、歩きながら次々とかごの中に品物やご飯を入れていきます。放り込んでいるという表現が正しいでしょう。
立ち止まりもせず、投げ入れているようにも見えます。こぼれてもそのままです。
何百人もの観光客が次々とご飯とお菓子を入れるので、お坊さんの托鉢入れはすぐに満杯になります。10mおきに移していかなければならないのもよくわかりますが、なんだか複雑な感じです。
本来の托鉢とお布施ではないように感じました。托鉢が完全に観光行事化しているようです。
托鉢の行進は数百m真っすぐ進み、角を曲がったところで終了します。
角を曲がったところから10数mほどには、大きなカゴやビニール袋を持った地元の子供たちが座っています。
お坊さんたちは、托鉢したものをその子供たちに分け与えていました。ただここでも、あまり目にしたくないことがありました。
ご飯やお菓子を子供たちに分け与えていますが、立ち止まって子供の持っている、カゴや袋に入れるお坊さんは少なく、歩きながら放り込むという状況です。
どうしてもカゴや袋からこぼれてしまいます。小袋に入ったお菓子はともかく、ご飯は地面に落ちると誰も拾いません。転がったり踏まれたりと散々な状態です。せっかくお布施したものが、残念な扱われ方をされています。
昔からこんな感じだったのでしょうか、それとも観光事業化したからでしょうか。
50000キープでお布施用の決まった品物を、観光客に売る業者。
買った品物をそのままお坊さんにお布施(ただ渡すだけ)する観光客。
世界遺産になり、国も業者もお坊さんもみんなうるおい、よいことなのでしょう。
本来の托鉢の意味などと、考える必要などないのかもわかりません。
托鉢の見学2
3月9日の早朝5時、今日は昨日とは別の場所の托鉢場所に行きました。観光客があまり多くない場所です。
この場所でも、観光客用のイスや敷物があちこちに置いてあります。お布施用の品物も売っています。
違う点は、地元の人もあちこちに托鉢のお坊さんを待っています。
観光客用に用意されている場所は、照明が明るくともされ、写真写りもよくなっていますが、地元の人がいる場所は、照明はなく薄暗くなっています。
夜が明けきっていないので、照明がないと薄暗く写真も撮りにくい状況です。自宅前にろうそくやお花を飾り、その前で托鉢を待っている人もいます。
お坊さんがくると、ラオス観光局がネットに掲載している通りの作法で、お布施をしています。
お坊さんもお布施をする人のほうをちゃんと向いています。
まだ完全に観光事業化されていない、托鉢の様子を見ることができました。本来の姿も残っていることがわかり、なぜかほっとしました。
ただし地元の人は少なく年配の人ばかりで、若い人は見掛ませんでした。
同じお坊さんの一団は、観光客用のお布施場所の前も通過します。観光客の前を通過するときは、地元の人の前の通過とは明らかに違います。
昨日と同じように、観光用のセレモニーになります。
観光客が多い場所と少ない場所の両方を、体験したからわかったことです。
昨日の観光用の托鉢だけでは、がっかりしておしまいでした。ただの観光用のセレモニーとして楽しむのか、本来の信仰を見学するのか、ツアーだけの観光では味わえない個人旅行です。
明日の3月10日は、ラオスの首都ビエンチャンに、空路で移動します。ルアンパバーンでは、数日間風邪でダウンしていましたが、予定していた洗濯も、ホテルのすぐそばに見つけたランドリー屋さんで済ますことができました。
旅行の予定期間は、まだ10日以上残っています。
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