先に摘まれる花を羨み
失望と、故のない希望によって
乾いた鼓動が草原に響く

草原の上の黒く澄んだ空は
自身の身勝手な共有を許す代わりに
摘まれた花を、決して分けてくれない

見つかっていない花を探そう
花瓶にさすことのない花、
一途な妄想の中に咲く花を

無自覚のジレンマに洗脳され
花をもとめる毎日は
覚醒した本能によって麻痺している

花も草原も鼓動も、黒い空も
花瓶だけの花瓶も、妄想も
一本の線の上で生きている証

#創作大賞2022










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