見出し画像

日経平均株価の「実力」

日経平均株価が2月22日にバブル期の高値を約34年ぶりに上回り、3月22日には4万0888円の最高値をつけた。その後は4万円を下回り3万8千円台から9千円台で推移している。報道も最高値以外はニュースにならないでまったくふれようとしない。

3月22日に最高値をつけた後はジリジリ下がっている。最高値のニュースに沸いたのはわずか1カ月だ。

私は株はやらないし、まったく興味がないので細かいことはわからない。専門家とされる人や証券会社の人は、「これが日本株の実力だ」とか、「失われた30年を取り戻した」とか、「モノづくり日本の復活」などと賞賛する声ばかりだが、はたして本当にそうなのか。

私たち「庶民」にはその恩恵はまったく感じない。有識者なる人たちは、これから賃金アップや生活の中でその恩恵が徐々に表れるというが、春闘の満額回答は大企業だけであり、実質賃金は23カ月連続のマイナス。沸いているのは一部の投資家と大企業、証券関係だけであり、庶民には何の関係もないし実感もない。

そもそも、本当の日本経済の実力とは何か。本当に実力があるなら、NYダウの影響を受けて下落などという表現は使わないだろう。本当に実力があるならば、日本株は世界株のインフルエンサーになっているはずだ。日経平均とNYダウは相関関係にあるとされるが、相関どころか影響を受けまくっているだけで、影響はまったく与えていないと言っていい。

私は株の各論はわからないし、勉強する気もない。株価の変動要因は、リーマンショック級の世界規模のものでない限り、投資家がその時の利益を確保するために売ったり、将来的な値上がりを期待して買ったりしているだけであり、投資先として日本に狙いをつけているだけであり、日本経済や株の実力なんてものはないと思っている。長期的に見れば、日本株が下がっている状況の中では投資先には選ばないという選択肢はあるのかもしれないが、それでもそれは日本ではなく個別の企業であり、分野であり、投資先=儲かるか否か、でしか見ていないと思うからだ。

日経平均株価が34年の歳月をかけてようやくバブル期の最高値を更新したと騒いでいるが、その間にNYダウは13倍にもなっている。

いや、これからだと沸いている人たちは、客観的に世の中を見れない人だと言っていい。なぜ日本経済がこんな状況になってしまったのか、日本経済の落ちこぼれぶりを示すおかしな事象は山のようにある。和と前例踏襲を是とし、他人を批判せず、出る杭を打つ日本人にはわかるまい。自分たちが犯してきた細かい選択のミスが積み重なって、こんな社会になってしまったのだ。日経平均株価が日本の経済の実態を表しているとするならば、日本はアメリカより13分の1の実力だということだ。

もう過ちは許されない。おかしいことはおかしいときちんと言い、間違っている政治家は一掃しなければ、日本は沈没する。いや、もう沈没しているが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?