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一隅を照らす、これすなわち国宝なり

天台宗の開祖、最澄の言葉に

『一隅を照らす、これすなわち国宝なり』

というものがあります。

一隅とは、字の通り隅を指していて、自分が置かれた場所や役割、環境を指しています。

日本中の人がそれぞれの置かれている環境で、自分が天命と感じたことを全うすることで、一人ひとりの力は一見小さいように見えるけれども、その集合体が世の中全体を照らすことができる。それこそが実はこの国において最も尊いことであるという意味です。

この言葉が持つ意味を感じさせてもらえる機会が最近増えているように思います。

今日は2024年の仕事始めのタイミングでしたが、霞ヶ関で働いている友人が弊社の活動について話を聞きたいということで連絡をくれました。

彼と知り合ったのは約10年も前のことで、大学の共通の友人の結婚式で一緒に余興をやったことで親しくなり、余興メンバーで遊びに行ったり、時々近況を連絡し合っていました。

実際に仕事の話を彼とすることはなかったのですが、SNSでの教育プロジェクトの発信を定期的に見てくれていたらしく、大変ありがたいことに、弊社の研修プログラムのことまで認知してくれていました。

前職時代から様々なご縁があって省庁で働く方々の話を聞く機会がありましたが、非常に頭脳明晰な方々が多く、その上でとてつもなくハードに働くということを耳にしていました。

そして身を粉にして働くことが本当に国家の為になる、日本国民のためになると信じて止まない人たちで集まっている。だから単純な長時間労働の削減だけでは根本的な解決にはならないという話を働き方改革を担当されている方から聞いたこともあります。

その話を聞いたのは2018年頃のことで、世の中の働き方もここ5年で大きな変化があり、官僚の方々の働き方も徐々に変化はあったのではないかと思います。

他方で、今日お会いした彼は此度の地震対応のためにこれから深夜早朝休日を返上して対応しなければいけないということで、今この瞬間にもハードな時間を過ごしているかと思います。

そんな超多忙な彼がわざわざ時間を取って、『キャリア教育の文脈でヒアリングして勉強させてもらいたい』ということで午前中の時間を取ってわざわざ近くの駅まで会いにきてくれたのです。

お話を伺っていくと、これまでも本業とは別にクラウドファンディングで資金を募って地元の岩手県に働く大人の話を地元の公民館の場所で100名もの人を集めて、中高生向けのキャリアイベントの機会を提供したことがあり、そういったプロジェクトの共通項があって話を聞きたいと思ってくれたようです。

上記イベントに参加した岩手県の高校生から「今日のような話を今まで聞いたことがなかった」と感激してもらったフィードバックをもらったと。

2019年当時、自分一人の力ではなく、日本人全員の力を集結させて日本の教育を変えたいと思って教育プロジェクトを立ち上げました。数年間活動する中で、当時の未熟な自分で見えていた範囲内では、まだまだ本気で日本の教育を変える為に動いている人が少ない印象を持っていました。

でも決してそんなことはなかった。

実は自分が気付いていなかったところで、活動を見て応援してくださって、更には実際のアクションにまでうつしてくれていたんです。

人は時に何かに挑戦しようとする時、実際に動き始めた時、目標達成に向けて直走る時、自分自身の存在の小ささに愕然とする時があります。そして時に無力感を感じてしまうこともあるでしょう。

でも実は決してそんなことはないんです。

あなたが何かに向けてアクションしていることは間違いなく、あなたの輝きでこの世を照らしていて、その光は目に見えない素粒子レベルで実は周りに影響を与えています。

そして気づいていないところでも間違いなく世の中を変えていっています。

これこそが一隅を照らすの意味そのものなのではないかと思うのです。

一見、小さな光に思えるあなたの心の灯火は、気付かぬうちに世の中全体に少なからず影響を及ぼしていて、そんな光を灯す人たちが日本中に溢れることで、いつの間にか日本中が尊い光で溢れるだろうと。

あなたの心にある情熱とそこに存在する小さな光こそが、この世の宝物そのものなのだと。

だから、世の中がどんな状態にあっても、どんな時代が来ても、

一人ひとりがその人らしさを100%発揮することで、明るい未来を創っていくことができるんだと。

省庁で働いている人、会社員として働く人、自治体で働く人、学校や大学で働く人、起業家として働く人、それぞれの一隅は全く違いますが、それぞれの道で日本を照らしていけるんじゃないかと。

年始からそんなポテンシャルを感じてしまう友人との再会に感謝です!!

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