1級建築士『学科試験を突破するたった一つの法則』

■はじめに

学科本試験一週間前、私の通う資格試験学校にて最後の模擬試験が行われました。総得点は80点。

得点内訳は

計画13点/環境・設備14点/法規20点/構造18点/施工15点

順位は3340人中、1400番代始め、評価は「努力圏」

正直いい気分である筈ありません。

一週間前に夏季休暇を取っていたので翌日から「おそらくここがツボだろう」と立てていた仮説に従い見直しをかけました。

その結果、学科本試験では総合点100点

内訳は

計画17点/環境・設備19点/法規25点/構造24点/施工15点

試験翌日に貰った個人分析票では4729人中270位代まで上げた。

合格どころか順位が大きく上がったのは嬉しかったのと同時にとても驚きました。
験前に取った夏季休暇と「おそらくここがツボだろう」と立てた仮説が見事にワークした訳です。
その後製図の授業に進み二次試験も(なんとか)合格しました。

学科試験の出題範囲は極めて膨大であり、全てを満遍なく学習することは現実的ではありません。(やってしまう人もいますが)
なので私は学科試験突破を一つのプロジェクトと見立て、効率良く得点を伸ばし合格するにはどうしたらいいか?と常に考えていました。
12月の合格発表後、しまった資料を引張り出し「仮説」の検証を行い極めて汎用性が高いと判断。'16/12/31にnoteにて公開しました。

('17/05/07改稿)('17/05/25追記)

('17/07/4「■私が試験1か月前・一週間前にやった事」追記)


※注意 以下の方は恐らくワークしないのでお勧めしません。

・ほとんど勉強していない方
 (一発大逆転の美味しい話ではありません。)
・構造力学が苦手で構造は文章題で得点しようとしている方
 (力学はボーナスポイントで得点必須。耐震構造問題の方が難解です。)
・過去問題を丸覚え学習している方
 (試験元は角度を変えて投げてくるので丸覚えで合格は困難です。テキスト等で確認は必要です。)

※汎用性は極めて高いのですが、個人的には以下の勉強環境をお勧めします(私の勉強環境)

・大手資格学校に通っている。
 (あるいは独学で大手資格学校のテキストを入手している。)
・学科試験一週間前に夏季休暇を取る。
・大手資格学校の直前夜間講習を受講する。
 
では行きます。


■『学科試験を突破するたった一つの法則』とは?

私の通った学校では、学科試験直前に3回、模擬試験が行われます。
初回の模擬試験終了後。事務局員から捕捉説明がありました。

「え~、今日の結果で正答率5割未満で出来なかった問題については、もう手を付けなくて結構です。
 試験まで残された時間が少ないので、これから手を付けても身に着くとは限りません。
 正答率5割以上で出来なかった問題を解けるようにしてください。」

日々授業後の何気ないコメントである。

そして試験1か月前のこの何気ない

「正答率5割以上の問題を得点する」

これが「学科試験突破するたった一つの法則」である。

以上!

皆さん2017年は学科突破して下さい。Good Luck!

、、、、、、、、、、では済まないので、ちょっと分析してみましょう。


■正答率5割以上の問題を正解すれば合格できる?

これを聞いてお読みの皆さんの感想はどのようなものだろうか?
以下想定してみました。

ケース1:「なんだ、これだけかよ!こんなことで金取りやがって!」
ケース2:「え?正答率5割の問題正解出来れば、合格できるの?」
ケース3:「、、、、知ってる、けど、、、、届かなかった、、、、」


■ケース1,2の方はこんな感じでしょうか?

・2016年度試験終了後、学校の回答速報・調査を受けていない。
・2016年度試験終了後、学校の回答速報・調査を受け、個人分析票を貰ったが特点数だけ見て破棄した。
・2016年度試験の正答率5割以上の問題数と問題/出題分野を当然把握していない。
・2016年度試験の自分の正答率5割以上の正答数と問題、分野及び正答できなかった問題/出題分野を当然把握していない。
・にもかかわらず、学校に通おうか悩んだ末、来年も独学で頑張ろうと思っている。
あるいは
・これから初受験です。

「羅針盤を持たずに大海原に出航する」とは正にこのことでしょう。
もう来年の結果がありありと見えますね(笑)

私が学科試験突破はひとつのプロジェクトであり、事業であり、ビジネスセンスが必要だと書いたのはこういう事です。


■では2016年度学科試験のはどうだったのか?

各科目の「基準点」は以下の通りです。ですがこれは各科目の足切点です。
Ⅰ)計画 11点+Ⅱ)環境・設備 11点+Ⅲ)法規 16点+Ⅳ)構造 16点+Ⅴ)施工 13点
合計67点

2016年度の合格点は90点でしたので、各学科基準点では当然合格できません。

それに対し正答率5割の問題数はいくつか?
私の学科試験の個人成績表から引用します。(サンプル数は試験直後の約4729人です。)



Ⅰ)計画        16/20
Ⅱ)環境・設備     18/20
Ⅲ)法規        22/30 
Ⅳ)構造        21/30
Ⅴ)施工        18/25

合計         95/125

初めて見た人は驚くでしょう。
正答率50%の問題を落とさなければ、二人に一人が解ける問題だけで合格できる、ということです。
学校や、2ch界隈の方々がやたら複雑に吹聴していますが、正答率5割の問題だけでも確実に得点すれば合格できるのです。
また試験元はそのように問題を作成して独学の人も合格できるように作ってある、とも読めますね。


■総合得点は100点を目指す

恐らく70点後半-80点後半の得点を試験を落ちた人は
「もうちょっとだったな。あと○点だけか。来年頑張ろう」という方が多いように感じます。
(以前の独学の私もそうだった)
ですが、そんな低いマインドでは合格は困難でしょう。来年も似た点数で落ちるでしょうね。
(以前の独学の私もそうだった)

正答率50%の問題を全て得点出来れば合格出来る事が分かりましたが、現実ドンピシャ!と言う訳には行きませんし、マークミスというあってはならぬことで実力を発揮できず失格する人は残念ながら毎年います。

総合得点は100点を目指しましょう!
「今年85点だったから、あと5点頑張ろう」ではダメです!突き抜けて下さい。

総得点100点の内訳としては

Ⅰ)計画        14/20
Ⅱ)環境・設備     14/20
Ⅲ)法規        28/30 
Ⅳ)構造        25/30
Ⅴ)施工        19/25

合計         100/125

こんな感じでしょうか。

また、試験元は本来得点すべき科目を得点し難くする、というような「傾向を変える」ことを行います。
(今年H28年度は法規が点数伸びていない)

私の総合点評価は100点でした。
100点あれば基準点の変動リスクを気にせず製図試験へ集中できますし、何より精神衛生上圧倒的に健全です。
(実際は結果発表までマークミスの不安で一杯でした。この点数でも、、、、、です。)


■以上、H29年度学科試験合格を目指し、年末年始を返上して勉強している方々が効率良く勉強するために、「キモ」の部分を急遽書いてみました。

今後、点数が伸びない方々が陥りやすいマインドなどを追って書きたいと思います。

※一度ご購入された方々は追加部分も含め追加課金なしで閲覧出来ます。

             

           ----------------5月25日追記---------------------

■模擬試験と本試験での正答率の乖離
5月中ですから、模擬試験も行われた筈です。
「難し過ぎるのでは?」「易しかった?」など色々意見があるようです。

では難易度の正解は何か?

昨年度本試験のデーターはベンチマークになると思います。
昨年度本試験では正答率50%の問題数が95問と書きました。
では、私がこのnoteを書くきっかけとなった本試験一週間前の模試ではどうだったか?

計画15点 + 環境設備14点 + 法規24点 + 構造15点 + 施工 17点
合計85点

本試験の正答率50%出題が95点ですから、総得点で-10点です。

大手資格学校は本試験での難易度なんて研究済でしょうから意図的に難易度を上げているだろうというのが予想出来ます。

資格学校は高額の授業というサービス商品を販売している。
その価格に見合う様に「盛ってしまっている」感が否めません。
(そういった方向、無駄な事をする事が合格に繋がるとミスリードさせてリピートを狙っているのでは?と疑ってしまうような学校もあります。)
それを真に受けてしまうと、模試で解けなかった難易度の高い問題(低い正答率の問題)も習得せねばならない!と捉えてしまう人も多くいると思います。ですが、正答率の低い問題も修得する勉強方法にしてしまうと足元をすくわれます。

この試験は資格学校でしか教えない難易度の高い問題を解かないと合格しない試験ではなく、高正答率の問題を多く解いた人が合格する試験です。

ブレないで正答率の高い問題を確実に得点する様に勉強しましょう。
※ところが施工はどれも正答率低いので要注意!


■「じゃ、正答率50%の問題を攻略すれば楽に合格できるんだな!」

と、文面読めばその通り。

が!それを1週間前に夏季休暇を取って攻略した結果の「私のサンプル」を今一度よく見ましょう。
当たり前ですが、正答率50%の問題を100発100中で正答出来る筈がありません。
正答率50%を落としつつ、35%位の問題も拾いながら得点源にしてます。

つまり
「35%までちゃんとやろうね」です。

※某大手掲示板でこのnoteの影響か「50%抑えればいい」という話も出てますが、今50%だけ抑えたら落ちますよ。出題125問が正答率50%じゃありませんから(笑)

学校に通っている方は、そろろ応用問題も出題される頃でしょう。
つらい時期ですが正答率35%の問題もテキストを復習して「なぜこうなるのか?」「なぜ出題されるか?」と意識を持って勉強しましょう、逆に言えばそういった勉強は今しかできません。

仕事をしながら膨大な量の勉強は大変ですが、今は変に要領だけ良い勉強はしない方がいいでしょう。分からないところはちゃんとテキストで復習しましょう。


■学科試験前に夏季休暇を確保しましょう

まずは学科試験を突破せねばなりません。

夏季休暇というリソースを試験1週間前に前投入することをお勧めします。

そのための調整を今からしておきましょう。


■私が試験1か月前・一週間前にやった事

大手学校に通われている方は試験前の強化期間に入り演習演習、、、です。
しばらくすると分かりますが「同じ傾向・同じ問題」が繰り返し出題されます。
さすが大手学校、ここらがちゃんと出題されるのですね笑
凄いことに。
日程最終の頃はクラスの平均点は95点くらいまで生徒の精度が上がります。
だったらクラスの合格率はザックリと50%くらいにはなる筈です。
ところが製図の授業で再会する顔はもっと少ない。恐らく3割程度ではないかと思います。

なぜでしょう?

「皆、問題を丸覚えするから」です。

週の半分夜遅くまで、膨大な問題を出し続けられると、皆単純に点数上げたいから丸覚えするのですね。

これは学校の授業でも一緒で丸覚えすれば成績上位になれます。

ですが、こういった方は落ちる人が多いようです。


大方予想はされていらっしゃるでしょうが、私が試験1か月前・一週間前に行った勉強法を書きます。

① まず強化期間に出題された正答率50%の問題を攻める

「ココは完璧に解ける」ならOK
「単純に覚える問題で忘れてしまった、おぼろげだな」なら問題集の解説とテキストに戻ります。


「今更テキストなんて効率悪い!」と思うでしょう。

「ココは完璧に解ける」ならOKです。が、そうでないなら一旦ここでテキストに戻しましょう。
テキストの各章の頭に、概略が見開き2ページになっている筈です。
実は正答率50%程度の問題はここにまとめられています。(もちろん法規は使えませんが)

つまり学科試験は125問の出題中、正答率50%の95問の問題で点数を稼ぐのですが、
その正答率50%の内容はテキストのこの概要ページにほとんどまとまっているという身も蓋もない話でかつ、強化期間の出題分野からかなり出ます。さすが大手です。(学校事務局に言っても否定しますが、、、、)

私がやったのは
 ・法規を除くこの概要ページを縮尺69%でコピーを取り、A5の2穴ファイルにまとめる
 ・強化期間で落とした正答率50%の問題の「分野」(←ココ重要。学校が当てに来るのはドンピシャの問題でなく出題分野なので出題問題の周辺もテキストに戻って復習!!)を、このファイルで復習する
 ・復習中、このファイルを見て忘れた所を見てしまったら、それもこのファイルで復習する
 ・授業の演習問題・模試の正答率50%で落とした問題を、このファイルで復習
 ・復習中、このファイルを見て忘れた所を見てしまったら、それもこのファイルで復習する

※このファイル作りはけっこう面倒ですが、試験当日に「各教科1点上げてやるぜ!」という意気込みで臨むのにかなり役に立ちます。お勧めします。

 
②正答率35%の問題を攻める

私の個人成績シートやご自身もそうでしょうが、現実は正答率50%の問題をキレーに得点するなどできません。
なので強化期間の問題を中心に会得できていない正答率35%までの問題も復習します。
 
・強化期間で落とした正答率35%の「問題」(←ココ重要。40-35%くらいは問題でいい)を、テキストに戻って復習
・授業の演習問題・模試の正答率35%の「問題」を解説を見て復習。分からなかったらテキストに戻る


③自分を追い込む(試験1か月前)

夜遅くまで授業があり、膨大な出題がされると「丸覚え」に走ります。
ここで最後の踏ん張りで自分を追い込みました。
私は学校を夜の22:00-22:30過ぎに出て、その後自宅最寄り駅のカフェやファミレスで01:00-01:30くらいまで勉強しました。それくらいの時間を割かないと丸覚えでない復習は出来ません。
夜の12時くらいにマクドナルドにいると、1級の勉強をしている人が他にいたりします。
頑張っているのはあなただけではありません。今こそ頑張りどころです。


■決してやってはいけないこと

・問題の丸覚え
 繰り返しになりますがやってはいけません。
例えば施工でタイルが出たらタイル全部、耐震改修が出たら耐震改修全部です。

構造で
 「設計用一次固有周期Tが0.8秒の時、振動特性係数Rtは第二種地盤より、第三種地盤の方が大きい」
という問題なら、Tが0.8秒だけでなく、0.4秒と0.6秒の時にどうなっているのか?もちゃんと抑えろ、という事です!(ちゃんと抑えてます?)

その問題だけ取得しても当然ダメです。
試験元は角度を変えて投げてきますので、ほんとに単純な事でも丸覚えだと対応できません。
なので強化授業で成績優秀でも落ちたりします。

・強化授業で高得点を狙う
終盤は95点/100点くらいまで上がります。クラスがそういう熱を帯びると、自分も点を上げなければとなり、結果丸覚えに走ります。

ですが合格するのにそんなに点数は要りません。85点/100点で十分です。
 
本質は
 ・正答率の高い問題は落とさない。
 ・当てに来た問題の分野の基礎を抑える
です。

何度も繰り返しますが、丸覚えの高得点など何も意味も成しません。

夏らしくなり発狂しそうだと思いますが、あともうちょっとです。
頑張れ~

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