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自分を信じぬく力

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はじめに断っておくと
今年から対局を観戦しだしたタイプの人間です


2021年を思い返したときに
目を惹いて
心打たれて
動かされた存在

藤井聡太


さん、先生、竜王です
敬称も定まらないほどに今年成長しかしていないかた

去年までニュースで見聞きした活躍ぶりに注目はしていたくらいで
熱心にというほどではなかったんですけど、
王位戦第2局が地元旭川での開催が決定したことをきっかけに大変楽しく心に残るものをもらった
一年になった

対局会場となった花月会館は
明治創業の老舗花月が破たん後市内建設会社が名を引き継ぎ新たに開業、そのこけら落としとして見事開催という流れの模様
いまいまの藤井対豊島戦を呼び込んだこと、
たぶんすごい凄いことなんだろうだね?

老舗料亭ののれんをなくすわけにはいかない、
花月会館建つ中心部から賑わいを!
王位戦で旭川に盛り上がりを!!!

熱さ

それはそれとして
じゃあ私にできることは?
空港でうちわか横断幕を持って出迎える?
ピカピカしたうちわを藤井さんに向かって一生懸命振ってうつむきながら通り過がれたい
一切視線はくれない、シャイなかただから
まぁそれは平日で無理なんですけど(あとちなみに空路ではなく電車で札幌より旭川入りされてました、車窓を楽しまれたようでよかった)
2日目、退社後花月へ向かいました

着いたはいいけど、
中には関係者と大盤解説参加者以外入れない
わかってはいたけどきてみたかった
この建物のなかでいままさに対局している
見えないけれど、この建物の2階でふたりが指している
妙に現実的で興奮よりも澄んだ気持ちになった
ちょっと不思議な感覚だった
姿を見ることはできないけどここであの何億手の読み合いをしていると

もし知能の消費エネルギーがGoogleマップの混雑度みたいに可視化されるとしたら
いま日本でいちばんここがどす黒くなってるだろうなと思った

みたいなことをひと通り考え終えて帰ろうかなとしてひとつ、
お店の入り口に立っていた警備員さんに

「藤井さん、ここ(入り口ののれん)を通ったんですか?」
「その時々で違うんですよね、でも自分は背中だから一切見れないです」

たしかに。
ただ藤井さんを守っている警備員さんの言葉を聞けただけで嬉しかった
満足して駐車場まで歩きながらスマホを見たら

“藤井王位勝利”

実は
退社後中継やブログを見ていた
けど、藤井先生が終始劣勢で今日は負けてしまうのかな…とちょっと心細くなっていた

でも勝ってた

勝っていた
負けそうなことに勝手に寂しくなって
現場に出向いてもそれで満足していて
藤井さんは最後までより良い手を考え、考え抜いて勝利していたのに
なにをやってるんだ私は
藤井さんの自分を信じる力
それを目の前で見せてくれた

自分を信じる力

建物の中にいるのを感じただけで満足なのか私は
旭川に藤井聡太が来てる、次にくるのはいつなのか?
タイミングが合えばいつか会えると思い込んでそれを言い訳にして今日は帰ろうとしていないか?

!!!信じる力!!!

乗り込んだ車を花月の通りにハンドル切った
もう陽は落ちて暗い
さっきまでいた花月会館の前には若干の人だかりができていた、若干
いわゆる出待ち
いつ出てくるかはわからない、出待ちとかやったことないから全部がわからない
何度かグルグルして帰ろうか待とうか帰ろうか
信じる待つ!!!
遠くに車を停めて待機
警備員さんごめん、不審な車が遠くに視界に入って警戒度上げさせて本当申し訳ない

数十分待機したところでワゴン車とタクシーが通り抜けていって
“ん?”
なにか…これは…
と店の入り口に横づけしたのをみて直感的に私も車から飛び出した


お店の前に人が増えている
なんとなくさっきの警備員さんとの会話から
入り口より隣の勝手口の正面に位置取りをしたところで警備員さんがキッとテンション変わって

「道路から出ないでください!」

ザワザワと慌ただしい雰囲気でこれはもうくるやつを場の全員が確信(なんでわかるんだろう)
入り口に視線が集中するなか扉が開いたのは

隣の勝手口

私の正面の扉がひらいて
奥の明かりのなかから姿が

藤井聡太さんの姿が…!!

タクシーに乗り込まれ行かれました
続いてみえた

きゅんきゅん

同じくタクシーに乗り込まれ行かれました
ちなみにきゅんきゅんとは豊島将之先生の界隈での愛称とのこと、とよぴーとも呼ばれている模様

数秒だったけど、
藤井さんの佇まいが“謙虚”という印象でインタビューでみていたままでした
豊島先生もサッとしたカッコ良さだった
これが棋士の方たちなんだな
藤井さんがまったく視線も向けてくれなかったことが想像通りで嬉しかった
豊島さんもまったくこっちを見なかった
すごいよかった

という感じで藤井聡太さんに会えてしまった
こういうことだったのか
自分を信じる力
これが自分を信じ抜くということ
どんなに劣勢でもそのときの最善を常につくすこと
今年一年ふたりの対局を16倍速リピートも観て学んだことです

そしてそれがひとりでも駄目なんですよね
同じように最善を考え尽くす相手もいてくれないと成り立たないこと
それが凄く尊いというか、
尊敬とかかけがえのなさを感じられて魅力的な世界だなと惹き込まれました


この王位戦第2局まで藤井さんは豊島先生に7敗していて、
この対局での勝利から最年少4冠まで駆け抜けていくことになり
この一年の豊島先生との対局のなかで

課題を見つけ
克服し
タイトルを獲得と

冒頭にも書きましたが成長しかしていない
きっとすごいスピードで時間が流れているんだろうな

2021年始に【初心】と書初めた藤井先生、
先日の竜王就位式では【昇龍】と竜王に掛けた揮毫でウィットさもお持ちという

特集だったかな、
解説のひとが言っていたなかですごく印象的だったのが

「藤井さんは将棋という宇宙のなかの星を
いまの自分ではそのきれいな星を見られない、
取り出せない、みんなに見せてあげられない
と思ってるのでは」

というようなことを言っていて
藤井先生たちは
この勝ち負けのもっと外側にあるものを作ろうとしているんだって知ってから本当に興味深くて
芸術家みたいだ

すごいな

すごい
カッコいいな

花月会館、ありがとう
藤井聡太先生
豊島将之先生
新しい世界を楽しませていただきました
本当にありがとう〜〜〜〜〜〜!!


好きな言葉がある
何か悩んだり考えたりして落ち込みそうなとき

『藤井聡太に比べたら全然頭つかってない』

だいたいのことはこれでもうちょっと頑張れる
そんないまパソコンが起動しなくなってなんとかしようと頑張ってるけど藤井先生に比べたら頭停止してるかな
頑張ってるんだけどな

信じる!

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