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0116 天才と対話するための探求学習


1.はじめに

私の好きな探求学習は「考える」を学ぶことです。
何を学ぶって?「思考法」と言えば伝わりますか?

2.なぜ「考えること」を特別視するか?

さほど難しい話ではありません。私が名探偵になりたいからです。
実際、名探偵たちはみな信じられないほど細かく物事を見ているのです。他人の所有物から恋人関係を割り出したり、その人の職業を言い当てたり……私は彼らの見えている世界に興味があったのです。
ですが、彼らの世界を知ることは容易ではありませんでした。他人を観察しようとしてもずっと見続けるのは相手に対して失礼に当たるかもしれないと考えて中断してしまったり、近くにある者にはいまいち興味を持てなかったりして、楽しいと思えなかったのです。高校生、大学生とそのような中二病のようなことを考えて、いつの間にか社会人になっていました。
そして、社会人になってから始まった書店通いの趣味が転機となりました。

3.天才アリストテレスとの出会い

2023年1月、私はある本と出会いました。その本の題名は『天才アリストテレスが史上もっとも偉大な王に教えた「6つの知恵」 賢い人の秘密』です。私が心惹かれたのは「史上もっとも偉大な王に教えた」という文言だったのです。この題名をご覧になった方ならばすぐに想像がつくと思いますが、この偉大な王の名は「アレクサンダー1世」、ヨーロッパの小国マケドニアの唯一絶対の名君です。彼の家庭教師がアリストテレスだったということを世界史の授業で習って覚えていた私はこの本を見つけた瞬間、天才の一端に触れられると知的好奇心を刺激されたのです。
この本を買った私は車の中や家の中でどこでも節操なく読み漁りました。その結果、私は「パッケージ思考法」という思考法を学ぶことになったのです。

4.「パッケージ思考法」とは?

ここからは私のイメージの話なので、皆さんに分かりやすく伝えられるか正直あまり自信はありません。ですが、伝わるように頑張りますので、皆さんも一緒に考えてください。そのために、次の質問に答えてください。

「みなさんにとって、名探偵と呼べる人物は誰ですか?」

一般的にはシャーロック・ホームズ、エルキュール・ポワロなどの古典的な探偵や江戸川コナン、金田一一などの漫画の探偵など有名な方が浮かぶと思います。その一方、『謎解きはディナーのあとで』の影山や『大いなる眠り』のフィリップ・マーロウなど、主人公ではない探偵やハードボイルドに力を入れたちょっとジャンル違いな探偵など風変わりな人が浮かぶ人もいるでしょう。

名探偵の箱(プレゼントボックス)

このように、他人の中に「名探偵」と名前の付いた箱があると仮定します。そして、その箱の中身を推測するのです。「この人にとって、名探偵は誰?」と。
例えば、時代によっては事件を解決する探偵よりも刑事の名前を挙げる人もいるでしょう。火曜サスペンス劇場や十津川警部など刑事ドラマに育てられた世代にありそうです。それはその人の生まれた年代や読んでいる小説などから推測できます。
このように、人の中にキーワードが書かれた箱があり、その中身はその人の生まれや口癖、会話のネタから推測するのがパッケージ思考法なのです。
この思考法の便利なところはそれだけではありません。皆さんはこの箱の色も人によって変えることができるのです。例えば、シャーロック・ホームズと答えた人の箱の色を「茶色」、コナンと答えた人の箱の色を「青」と考えましょう。(青の理由?コナン君、初期の間ずっと青色のジャケット着てたよね?)そうすると、その割合や人数がどのくらいか割り出すこともできるので、「誰もが知る名探偵」といえばだれなのかをそれで推測することまでできるのです。
ただ、これには相当な母数が必要なこと、友人関係など狭い範囲内で聞いても正しいと言えると限らないという弱点があるので、そこまでは難しいと考えるべきでしょう。

5.されど、学びは続く。

この本1冊で、名探偵のメソッドに近づけたかと言えば、意外とそうとも言えません。なぜなら、私には「頭でっかち」という大きな短所があるからでした。
その短所を補うきっかけになったのは、これとは全く異なる本でした。その題名は「アウトプット思考」という本です。この本には「はなから学ぶつもりで、生かすつもりで情報を選びなさい」ということが書かれていました。私はそれを読んだとき、目の前がぱあっと晴れたような心地がしました。なぜなら、今まで学んできたことのほとんどが「志望校に受かりたい」「天才に近づきたい」などはっきりとした目的があってやってきたことだったからです。このつながりに気づいたとき、私は自分が今まで行動で来ていた道理が理解できた気がしたからです。実際、これを読み始めてから、せいぜい金田一の感想本に過ぎなかったnoteに本腰を出すようになったのです。
なお、「自分」と書かれた箱の中には「好奇心が動けばすぐに読まない本を買ってしまう」、「部屋の汚さに頓着しない」癖があるという短所が存在しています。(前者の場合、長所とセットなので、直すのは大変ですが)私はまだまだ学べることがあると思って、今も探求学習を続けているのです。

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