書評『ゲーデル 不完全性定理』(岩波文庫)
ゲーデルですゲー出る。映画で話題のオッペンハイマーが「人間知性の限界を示した定理」と大間違いな賞賛を送ったという、あのゲーデル不完全性定理の書物です。
ゲーやんの原論文の翻訳と、その訳者解説の二部構成です。
原論文の日本語訳は数十ページで、残りは訳者コンビによるながあい解説です。
この訳者解説がなかなか読ませる。いい味です。ゲーデル論文についての解説として、むしろダフィット・ヒルベルトの数学思想遍歴を語っていくのです。
私が担当編集者だったら「ここ、たぶん読んでる方の