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令和2年6月4日参議院法務委員会 嘉田由紀子議員質疑

嘉田由紀子議員の離婚後の子の養育に関する質疑を文字起こししました。


嘉田由紀子議員

いつもの通り一貫して父母の離婚後の子の養育に関する問題とりあげさせていただきますけれども、4月10日に公表されました、24カ国海外法制調査結果を踏まえてですね、先ずは子どもの居住地を移動する事、ここは共同養育の中で大変大事な事柄とされております。日本の中ではあまり理解されていないんですけれども、海外では相手の了解を得ずに、監護親が勝手に居住地を移動する事は禁止、あるいは制限されている国が多い事がわかりました。子どもの居住地を地理的に移動させる事で面会交流条件悪化させる、或いは、子どもにとって意義のある交流の実効性が下がってしまう、これを防ごうと言う事で御座います。あの今コロナの問題で面会交流、先程、柴田議員が紹介下さいましたけれども、当事者の調査によりますと80%近くの方たちがコロナによって面会が十分に出来ないと言う実態も御座います。まぁそんなところで、この日本のように離婚後の面会交流の軽視はもとより、婚姻中は共同親権でありながら、DVなどが無い場合であっても片親親権制度であるが故に離婚後の親権を書くときに有利だからと言う事で、子どもを連れ去るような事案も頻繁に起きております。これは片親の都合で勝手に居所、住居を変えられ、そしてもう片方の親は交流を遮断されると言う事で、子どもにとっては、かなり大きな被害になるわけで御座います。これが海外からの子どもの拉致国家とさえ言われ、ハーグ条約の違反とされる実態が日本国内でも未だ横行していると、その実態法務大臣は勿論ご存知だと思います。

先ず最初に法務大臣いお伺いしますが、片親親権制度であるが故に、父と母が子どもの親権を奪い合って、そして離婚裁判で先に連れ去った方が有利に親権を与えられると言う継続性の原則を実務とする裁判結果が大変沢山出されております。親権が獲得するために連れ去り事件が後を絶たない、今こそ民法819条片親親権制度を変える時だと思います。法務大臣の覚悟と見解をお伺いいたします。

森法務大臣

いつも申し上げている事で御座いますが、父母の離婚後も父母の双方が適切なかたちで子の養育に関わる事、それは子どもの利益の観点から非常に重要であると考えています。この点については離婚後も父母の双方が子の監護の責任を負うべきであるとして、離婚後も父母がともに親権者となる制度を導入すべきであるとの意見があることや、他方でこれについて慎重な意見があることも承知しております。父母が離婚をした後の、子の養育の在り方については現在法務省の担当者も参加する家族法研究会において検討されており、この中で離婚後共同親権制度の導入の是非についても議論されています。法務省としては子の利益を図ると言う観点から様々なご意見に耳を傾けながら、引き続きしっかりと検討を進めて参りたいと思っております。

嘉田由紀子議員

ありがとうございます。今回の24カ国調査の中で離婚時に面会交流及び養育費について法的義務を付与しているところは韓国、オーストラリア、オランダなどの数は少ないこともわかりましたけど、同時に様々な他の義務を課すことによって実質を上げようと言う事が増えておることもわかりました。まぁそういう中で、今法務省さんも努力をしていただいておりますけれども、面会交流と養育費の取り決めを丁寧に説明をしたパンフレットが御座います。今日皆さんに御配りしておりますけれども、このパンフレットが今、どれぐらい具体的に有効的に活用されているか、その点を法務省さんの方、お願い致します。

小出民事局長

お答え致します。委員ご指摘の通り、法務省では平成28年から、養育費及び面会交流に関する合意書のひな型を及び記入例などを含めて掲載したパンフレットを作成して、全国の市町村において、離婚届けの用紙と同時にこれを配布するなどの周知活動に取り組んでおるところでございます。また他方養育費や面会交流取り決めが未だ十分に行われていない現状、或いはパンフレットの内容が詳細であり読みにくいといった指摘があることなどを、踏まえまして法務省では離婚を考えている方々が、考えておくべき事項を整理したホームぺ―ジを本年3月に新たに開設するなどを更なる周知活動にも取り組んでいるところでございます。何れにいたしましても、養育費や面会交流等、離婚後の子どもの養育の問題、重要な問題であるものと認識をしております。引き続き周知活動にしっかり取り組んで参りたいと考えております。

嘉田由紀子議員

有難うございます。私もあの、前回法務大臣からご示唆をいただいて、ホームページ見せていただきました。大変わかりやすい、離婚を考えいるその段階から行く行くどうするのかと言う事を導入する、大変わかりやすいホームページになっていると思います。前々回だったでしょうか、明石市の事例も紹介させていただきましたけれども、こうして各自治体も含めてですね、この問題をより具体的に広報していただくことが大事だと思っております。

併せてやはり法的な問題、法務省ならではのところで展開していただきたいと思っているんですけれども前回から申し上げていますけれども、協議離婚の要件が本当に日本の場合には弱い。例えばこのパンフレットでも養育費、面会交流の事を予め決めましょうとありますけれども、それを決めてなくても離婚は認められますと言う事が書いてある。事実そうなんです、全然何の取り決めもなくても役場にハンコ一つついて、そして持っていったら離婚が認められてしまうと言う、世界的にみても極めて緩い離婚制度になっているわけでございます。そういう中で民法766条では養育費と面会交流条件の合意を作ってきた訳ですけれども、これを義務化をすると言う方向をお考えいただけたらと思います。また具体的に養育費の額面、面会交流の日数などについては国民の権利義務に関係するものです。法律で養育費の金額、面会交流の日数の最低限度を定めた上で、別途その最低限度よりも高い基準で当事者が合意できるようなガイドラインを政府として作成することが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。法務大臣にお伺いします。

森法務大臣

未成年の子を有する父母が離婚する場合に面会交流や養育費の取り決めがされる事は重要なことで御座いますが、取り決めの義務化となりますと、様々な課題があると言う風に認識をしております。現在協議離婚の場合に、取り決めをしていない事が多いと言う現状も御座いますが、そのような現状に対する指摘も踏まえて、先程申し上げた家族研究会で未成年の子を有する父母が協議離婚をする場合に面会交流や養育費に関する事項等の、子の養育に関する計画策定しなければならない事とすることなどについて、検討されている最中であると言う風に承知をしております。

また他方で養育費の額や面会交流の日数については、具体的な事情や個々の親子関係等を考慮しなければならない事がありますので、義務化と言う法律やガイドラインによって基準を定めていく事等については、検討すべき課題も多いものと考えております。

養育費及び面会交流の取り決めに掛かる規律の在り方については委員の問題意識も踏まえまして、関係省庁とともに、引き続き検討して参りたいと思います。

嘉田由紀子議員

有難うございます。前向きに検討していただけたらと思います。その中で具体的にですね、先程の24カ国の海外調査報告でも公的機関による面会交流についての支援制度が大半の国にあります。ここが具体的に進める時の大事なポイントだろうと思います。支援の中身としては先ずカウンセリング、また面会交流が適切に行われるよう、監督する機関の設置等が御座います。

そこで質問ですが、子の面会交流が適切に行われるよう監督する機関を設置している国において、どのような条件下でこのような監護機関が利用されるのでしょうか。特に日本のように監護親が監視付き面会交流以外認めない。この監視付きと言う言葉がちょっと固いので、私はこれを支援付き面会交流と、あの同時に使った方が良いかと思っておりますけれども、この面会交流を大変条件づける監護親、普段暮らしている親ですね、が多いと言う日本の状況の中で、非監護親、つまり子どもと暮らしていない親と子供が面会会交流以外の選択肢を奪われるような仕組みを採用している国はあるでしょうか、法務省さんの方にお伺いします。

小出民事局長

お答え致します。今回の海外法制調査の結果によりますと、面会交流の際に第三者が監督または同席すると言う支援を行う機関が接地されている国といたしましては、例えばカナダ、イギリス、オランダ、スイス、ドイツ、オーストラリアなどが挙げられます。またこれらの国のうち、カナダ、イギリス、オランダでは第三者の監督の下で面会交流を実施するなどの支援を受けるためには両親間の対立が激しいため、面会交流を行う事が困難であるなどの要件を満たす必要があるといった回答が得られております。また議員ご指摘の監護親が監視ないし支援付きの面会交流以外は認めないと言うだけで、監視ないし支援付きはの面会交流以外の選択肢がなくなるような制度を採用しているか否かにつきましては運用の問題は別と致しまして、そういった形での制度を採用しているといった回答はございませんですね。

嘉田由紀子議員

ありがとうございます。この辺かなり細部に入るので、理解し難いところもあるかと思いますが、面会交流と言う仕組み自身が日本では今まであまり、馴染みが一般的にないので、少し詳しく説明、また質問続けさせていただきます。

今実は離婚に至る父母の中でも、8,9割はDVや虐待のケースではない、かなりお互いにフレンドリーで議論ができるとデータが御座います。一方で1、2割は児童虐待だったり育児放棄だったり薬物中毒など問題のある特殊なケース、あるいは大変高葛藤の親、ここのところが共同親権に対して大きな問題だと言うことで慎重な意見が多いと言う事で御座います。それも十分に理解した上で裁判所が監視付き面会交流が必要と命じた場合に、この交流を認めるべきと考えますが、そのためには具体的に面会交流センターを少なくとも、各都道府県、府県指定都市ぐらいの地理的な分布で、設けるべきだと考えます。私は自治体を担っていた立場からいしますと、住民にとっては今までハンコ一つで簡単に離婚出来たのにそんな面倒くさい、養育費とかあの面会交流とかと言うような事でついつい、父や母は安易な方法をとってしまうかもしれませんが、子どものためを思う時にやはりここは、あの壁を超えると言う意味で地理的にその都道府県範囲、あるいは政令指市の地理的な範囲くらいで新センターなどを作ると言う法制化ではないのかと思っております。

併せてですね、この面会交流の水準を維持するためには、法務省による認証制度、様々な認証制、前回はADRのことを伺いましたけれども、認証制度を設けたり、あるいはこの格付け、面会交流の実施率やあるいは満足度、カウンセリングなどのサービス提供を行うなどの制度的補償が必要だと思います。特にこれまでのあまり広がってなかった分野ですので、このあたり、自治体の担当者との理解を深めるためにも制度的補償が必要だと考えますけれども法務省さんいかがでしょうか。

小出民事局長

お答えいたします。面会交流の実施につきましては当事者間のみで面会交流を実施することが混乱の場合があり、そのような場合には面会交流を支援する機関が必要であるとの指摘やそのような支援を置くなう機関が法的な裏付けのない、民間団体は不十分であるといった指摘があることは承知しております。この点につきましては家族法研究会では面会交流の取り決めの実行性を楽しめる方策として、面会交流の支援機関に対する公的支援の拡充や公的機関による認証を与える制度等についても検討される予定と承知しております。いずれにせよ、面会交流が適切に行われる事は子どもの健やかな成長にとって重要であると考えており、引き続き委員の問題意識も踏まえ、しっかりと検討して参りたいと考えております。

嘉田由紀子議員

有難うございます。最後に法務大臣にお伺いしたいんですけれども、やはりあのじつは、離婚の前に結婚とは何かと言うことも含めて、夫と妻のまぁ在り方のようなところが教育プログラムが必要だろうと常々私たち思って参りましたけれども、未成年者がいる父母で離婚する場合には面会交流、養育費の取り決めを含めてですね父母の教育プログラムを受講する、その受講したあと、一つのこれをまぁ離婚の要件にいれて、そして受講そのものも法律で義務化をするというような事も大事だろうと思います。

この事は直接に対応する市町村、市区町村ですね。どもいろいろあの問題は出てくると思うんですけれどもやはり法律支配、それが子どもにとって大事な後ろ盾になるということで、この辺り、あのプログラム父母の教育プログラムの受講法律で義務付けすると言う事について法務大臣のご意見いかがでしょうか。

森法務大臣

議員がいつもあの教えてくださる海外の教育プログラム制度については承知をしております。まぁそういった海外の制度は我が国の離婚後の子の養育に関する法制度の在り方を検討する上で参考になるものと考えています。この点については家族法会でも一定年齢以下の子の父母が離婚する場合に公的機関等による離婚後の子育てに関するガイダンスの受講を義務付ける事の当否が論点として挙げられ、検討の対象となっているものと承知をしています。私としては担当者に対し、議論に積極的に参加するように指示をしておりますので、引き続き議論の推移を要注意して参りたいと思います。

嘉田由紀子議員

有難うございます。いつも申し上げますが、本当に子どもたちが法的に守られていないと言う中で出来ない理由はいっぱいあります。新しい事をやるのには特に現場で出来ない理由はいっぱい出てくると思うんですが、必要性がある、そして法制度のサポートを求める子どもたちがいると言うところで、やる意思を固めていていただけたらと思います。ありがとうございました。これで終わります。








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