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令和5年5月23日 参議院内閣委員会 上田清司議員 養育費受領率の達成目標と法制審議会家族法制部会の審議関係、こども家庭庁と親子交流について質疑

上田清司議員

国民民主党新緑風会の上田清司です。小倉大臣。日本は1994年に国連子どもの権利条約に批准をしておりますが、内容を遵守してるとはなかなか言い難い部分がありますが、例えば、子どもの権利条約の第7条 子どもは両親から愛され、養育される権利を持っています。同じく9条 子どもは両親の離婚などにより、どちらとも引き離されることなく、離れて暮らすパパやママと定期的に会える権利を持っています。私はできればこの7条、9条ですね。実態的になるような形にしていきたいという、そういう思いを持って質問に立っているものの1人であります。小倉大臣におかれましても、多分この国連子どおの権利条約は、日本にとってもですね、重いものだというふうに受け止めていただいているものだと思いますが、いかがでしょうか?

小倉内閣府特命担当大臣

はい。上田委員ご指摘の通りですね、子ども権利条約、児童権利条約、我が国は批准して久しくなります。児童権利条約に書かれている様々な物、例えば子どもや若者の意見表明の権利これをしっかりと権利の主体者として尊重し、そして伺わなければいけないこと、ちょうどあの今年の4月超党派で作っていただきました、子ども基本法も施工されました。そこにも、この事が明記をされております。そういった諸々のことを踏まえて、設立をされたのが、こども家庭庁でございますので、その児童権利条約に書かれております事、確かにそれを個々の条項の事を国内として取り組むかどうかにつきましては、国内まざまな議論があるかと思いますが、全般的にこの子ども権利条約に関しましては、政府として、こども家庭庁としてしっかりと受け止めていかなければいけないものと認識しております。

上田清司議員

ありがとうございます。4月25日にこども家庭庁の責任者として、養育費受領率の達成目標を発表されました。養育費などの取り決めをしている場合の受領率を2031年までに70%に引き上げたい。また、養育費などの取り決めの有無に関わらない、全体の受領率を40%に達成目標としていきたいとこのように記者会見で述べられたんですが、一方、法務省法制審議会の家族法制部会で、離婚後の子の養育についての審議が行われております。とりわけ、共同親権がそのテーマになっています。またパブリックコメントも8000件集まり、2年かけて審議が行われておりますし、場合によっては来年にも法改正が行われるなどとも言われておられる日程の中、あえて従来の路線のままの形で推計をされてですね、養育費受領率2031年の達成目標を発表されると言う事は、法制審議会の議論やパブリックコメントをですね、ある意味では無視されてるんじゃないかと私なんか、穿った考え方を持つんですが、そんなことはないんですよね。大臣。

小倉大臣

ご質問に対してはそんなことないということをお答えしたいと思いますが、ややちょっと詳しめに、答弁をさせていただければと思います。今こども家庭庁の大臣としてと言うお話でございましたが、これを発表したのはですね、男女共同参画担当大臣として発表させていただきました。ご指摘の養育費の受領率の達成目標は、昨年に策定しましたが、女性活躍男女共同参画の重点方針2022におきまして、養育費の受領率に関する達成目標を設定することが明記されたことを踏まえ、これを設定したものであります。そしてこの目標はですね、法制審議会を所管する法務省も含めた関係省庁間で協議の上で設定したものでありますので、法制審議会の議論はですね私どもとして無視したものではないということをご理解をいただきたいと思います。

上田清司議員

法務省に伺いますが、今の大臣の答弁だと、法務省ともしっかり協議したと。しかし、今のテーマになっています共同親権が制度化されれば、養育費の受領率などは過去のデータは全く参考にならないですね。ある意味では、8年後の目標など意味のないものになると私は思いますが、法務省とこども家庭庁と今回の達成目標についてですね、どんな協議をなさったんですか。ある意味では、もし、法改正が行われればですね、これまでの趨勢とは全く関係のない状況が生まれるんではないでしょうか?にも拘わらず、どうしてわざわざ今までの趨勢に合わせたものをね、同調されたのか。私ちょっとそれはわからないんですが、政務官、教えていただきますか。

高見法務大臣政務官

お答えをいたします。今委員からも御指摘ございました、養育費の受領率についての達成目標でありますけれども、今、小倉大臣からも御答弁がございましたように、法務省も含めた関係府省庁間の協議を経て策定をされたものでありまして、法務省としましても、政府の一員として、目標の達成に取り組む所存であります。そして、この今議論をされております親権制度との関係のお尋ねもございましたけれども、養育費の受領率の達成目標は、親権制度について家族法制部会における、特定の結論を、あの前提とするものではありません。今委員からの御指摘はその結論によっては数字が変わってくるのではないかというお話でございましたけれども、それもまだ親権の問題、法制審で議論をしていただいている最中でございますので、それを所与の前提として、今回目標を立てている訳ではないという事でございます。

上田清司議員

令和3年の厚生労働省の調査で全国ひとり親調査。統計ですが、養育費の取り決めのない場合の受領率、例えば母子世帯では28.1%ですがある場合には、57.7%で2倍に膨らみます。父子世帯では8.7%が25.9%ですので3倍近くに跳ね上がりますね。ご承知の通りです、現時点でも取り決めができればですね、受領率はダーンて上がるんですね。これは、統計上、28年にこの全国1人親調査をやられたときも同じような結果が出てますので2回連続同じような結果が出てるっていうのは、多分に、こういう推計になるんだろうという事が予想されます。そういう事を考えてですね、例えば法制審の家族法制部会の参考人で北村晴男弁護士が、提出された案、この案によれば、改正案ですね。離婚時に共同養育計画の作成が義務付けられて、つまり離婚後の子どもについて、確実に養育費の取り決めがなされなされるようになるはずですね。当然作成が義務づけられるわけですから、取り組めるってことですから、先ほども別に両者で取り決めたらバーンと跳ね上がるわけですから、養育費の受療率がですね、これを法的に保障してきちっとですね、義務化させれば、バーンと上がる可能性が高いと。しかも、北村案はですね、共同養育計画を公正証書とすることを義務付ける。そうすると、支払わない不届きな片親に対してですね、裁判所より強制執行の手続きがなされるわけですから。全く払う意思がないというよりも、払うことができないような、お立場というんですか、所得がほぼ無いとかですね。例えば所在が確認できないとかですね。そういう立場の方以外はですね、まさしくもう殆どこれは、養育費が支払われる。つまり受領がされる、つまり受療率がアップするということでありますが、こういう案が法制審議会の家族部会でなされてるわけですから、こういう時に、なんで今までの趨勢で、目標達成率をですね、法務省側としてですね、こども家庭庁と合わせてそういう背景の議論がどんどんどんどん進んでるときにですね、なされたか私には、腑に落ちないんですが、政務官、こういう北村弁護士のですね、これは通告もしておりますので、改正案のですね、主軸になったとすれば、こういうことは言えるわけですから。これも踏まえるといかがなものかと思っておりますが、いかがでしょうか?

高見政務官

お答えをいたします。重ねてになりますけれども、今回の達成目標というのは、特定のその親権制度の結論をですね、前提としたものではないこと。という事は申し添えたいと思います。その上で、養育費を履行確保していくという事は、子どもの健やかな成長のために重要な課題であるというふうに考えております。今委員からご指摘ありましたように、法制審議会家族法制部会におけるヒアリングの際には、北村晴男参考人から、父母が離婚する際には、養育費の取り決めも含めた共同養育計画を必ず作成しなければならないものとすることや、この共同養育計画を公正証書により作成することなどを提案するご意見が示されたということを承知しております。一方で養育費の履行確保も含めまして、父母父母の離婚後の子の養育のあり方につきましては、現在法制審議会家族法制部会において、ヒアリングの際述べられた複数の参考人のご意見や、パブリックコメントの手続きにおいて寄せられた多くの国民の皆様のご意見も参考にしつつ、調査審議を引き続きしていただいております。法制審議会における調査審議のあり方につきまして、政務官として具体的な意見を述べることは差し控えたいと思いますけれども、いずれにしても法制審議会においては、引き続き子の利益の観点から充実した調査審議が行われることを期待をしております。

上田清司議員

もう1回確認させていただきますが、政務官ですね、正しく北村弁護士の提出案の概要については、十分認識もされていると、それも含めていろんな議論がなされていると。問題はですね、どうすれば養育費の受領率を上げられるか、つまり、OECD加盟国35カ国の中で子供の貧困率34位。これはご承知の通りです。この原因は、どこにあると思いでしょうか?大臣と政務官両方にお聞きしたいです。

小倉大臣

ちょっとですね、前提として先ほど来上田委員は現状のトレンドと言うふうに仰っておりましたけれども、あの実はですね、我が国の受領率というのは、2003年から2011年までわずか2%程度しか増えておりませんでした。そこから、委員ご指摘の通り、養育費の取り決め支援をですね、政府を挙げてやった結果ですね、2011年から2021年にかけては、10%近く受領率が上がりました。どのトレンドを引き延ばすかに当たっては、この2003年から遡ってトレンドを決めるのではなくて、まさに集中的にこの受領率を上げるための取り組みが政府が行った過去10年間のトレンドをもとに、将来推計を行った上で、その推計を上回る目標値として今回定めてさせていただきましたのでかなり高い目標それ自体今回掲げさせていただいたということは、どうかご理解をいただきたいと思います。その上でこども家庭庁も含めて、関係省庁がこの高い養育費の両立を達成をするために、夫々の知恵を振り絞っていくということだろうというふうに思っておりますし、法務省におかれましては、法制審の家族法制部会におきまして、適切に審議がなされているものと想定をいたしております。

高見政務官

はい、養育費の履行の割合がなぜ低いのかというお尋ねだったと思います。端的に申し上げて、養育費の履行に関する取り決めがなされていないケースが多いという事が一つあります。それから履行が取り決めがなされていたとしても、実際の支払いが行われていないケース。この原因には、経済力が伴っていないですとか、その離婚後のそうした関係を持つことをためらうケースがある。そういうことが背景にあるというふうに認識しております。

上田清司議員

大臣と政務官の御指摘もある意味では正しいわけでありますが、子どもの貧困のですね、やっぱ一番のやっぱり原因というのですね、日本の場合、世界にも類のない、単独親権。両方で面倒を見ていない。事実上片親で子どもを育てるという。この仕組みがある意味ガシッと固まっててですね、家にご案内の通り、女性の1人、所得が男性と比べて低い。あるいはまた、子育て中はなかなか正規で働けない、非正規がゆえにまた所得が低い。故に子どものですね、貧困率が高くなるというこの悪循環を作ってるわけですから、まさに、今、あえて法務省の家族法制部会の中で議論されている、離婚後の養育負担を決める共同監護計画の義務付けなどはですね、今までの日本の単独親権の在り方からですね、一気に世の中を変え、子どもたちの幸福度を上げる仕組みじゃないかと。いろんな議論がありますよと、いろんな議論がありますよじゃなくてですね、子どもにとって何が大事かという議論で、最終的に結論を出していくことが大事だというふうに私は思っております。したがって、4月25日の目標決定はですね、国際社会から批判されている日本の単独権制度がですね、何か存続していくような、あるいは共同親権制度が出来ても骨抜きになるようなものを前提にしてですね、推計をされたように、私は穿った見かたで見ておるんですが、正にこども家庭庁が、「こどもまんなか社会」への根底をですね、あえて潰そうとしてるんじゃないかと、なぜ私はあえて思ってるところなんですけども、まさかそんな事はないだろうという事ですけども、私はやっぱり、この目標というのはですね、何故こういうふうな目標になってくるのか。例えば、親子の交流をですね、これだけ達成しなければならないというような目標を作られるんだったらともかく、何かそういうふうに思えないんですが、時間がもうありませんので、是非、大臣にはですね、こども家庭庁として、必ずですね。まさに親が離れて暮らしてもですね、子どもとは常に交流が出来るというような仕組み作りについてですね、より側面的にですね、応援できるようなですね、正々堂々審議会あるいは家族法制部会の議論とは別個にですね、こども家庭庁としてもですね、そういうものを支援するような仕組み作りについてですね、ご尽力していただきたい。工夫をしていただきたいということですね。あえて申し上げ、何か大臣としてですね、こういう事についてこういう努力をしてますよというようなものがあれば教えていただきたいと思います。

小倉大臣

繰り返し恐縮ですけれども、親権のあり方につきましては、法務省の所管でございますし、先ほど申し上げたように法制審で適切に審議が進められているものと承知しております。こども家庭庁としては、4月から厚労省よりですね養育費の取り決め支援等の引継ぎをしましたので、それは加速度的にしっかりと支援の充実を図ってまいりたいと思いますし、ひとり親世帯への支援の観点からは、児童扶養手当等による経済的な支援ですとか、あるいは親の就労支援、こういったものをしっかりと遂行することによって、ひとり親家庭の子どもたちのウェルビーイングが向上するような政策に努めてまいりたいと考えております。

上田清司議員

もうひとり親の支援は当然なんです、そうではなくてですね。親子両方とですね、交流ができるような仕組みに、こども家庭庁としてですね、そういう仕掛けはできないのかという事を言っているんです。それぞれ1人ずつの親にですね、応援をするというのはいいんですが、もう一方とは会えてないんです。大半の場合は統計上ですね。だからそういうのが会えるような仕組み交流ができるような仕組みというのは考えられないのかということを聞いてるんです。

小倉大臣

家族のあり方はそれぞれだと思います。こども家庭庁として重要なのはですね、どのような家族形態のもとでも、子どもの権利擁護をしっかりとはかっていくと言う事でございますので、こども家庭庁として与えられた職責を担当大臣としてしっかり全うしていきたいと考えております。

サポートは別居や離婚を経験した子どもの支援に活用させていただきます。宜しくお願い致します。