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2020.11.19_参議院議員法務委員会_嘉田由紀子さん質疑

参議院議員法務委員会の嘉田由紀子さんの質疑を文字に起こしました。

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嘉田由紀子さん

そういう中で毎回お伺いをするんですけれども、この生殖補助医療2003年から20年近く方向が見えなかった。同じ事が、この離婚後の子どもの親権の問題、これももう20年近く前から、議論されながら、中々出口が見えない。その間に片親ロスになる子ども、毎年20万人ほど。十年で200万人もと言う事で、ここも放置できないと私自身は毎回家族の問題として、取り上げさせていただいておりますけれども、離婚後の単独親権制度の違憲性を争う訴訟が、今3つ提案されております。今日新聞資料を出させていただいておりますけれども、一つは2019年11月22日、8都道府県、男女12人による東京地裁の訴訟です。二つ目は2020年10月21日男女6人による、これもやはり東京地裁。そして3点目がつい最近です。2020年11月11日の離婚後の面会交流制度が不十分だとして、国家賠償を求める訴訟です。最初の二つは原告が父や母や祖父母など大人ですが、3番目の11月11日に提訴された裁判には、3人の子どもさんが原告として、含まれております。そのうちの二人の声について紹介をしたいと思います。と言うのは本当に日本の場合には、子どもの声を代弁する母体、或いは政治家も大変少ないので、ここはきちんと、子どもさんの声、ちょっと長くなりますがご紹介させていただきたいと思います。

先ず原告のN君です。

「今13歳です。僕のお父さんとお母さんは離婚して、僕はお母さんと一緒に暮らしています。お父さんとは月に一回会っていましたが、僕のお父さんは普通のお父さんです。僕はお父さんの事が大好きです。お父さんと会っている時は楽しいです。お父さんとはゲームの話をしたり、一緒に映画を見たり、お母さんとはしない遊びをして過ごすからです。

ここが実は大変重要なんですね。あの外遊びとか、私は自然教育を専門に、かなりして参りましたけれども、やはり父親がいないと、どうしても自然教育が疎かになる事もございます。補足ですけれども。

「僕が小学校5年生の頃からお父さんとは会えない事が増えました。お父さんに電話やメールで次に会える日を訪ねても、返事が1カ月ぐらいもらえない事もよくあります。お父さんに会いたい、もっと会いたいと言って、無理だと言われたり、会う回数が減ったら嫌だなと思ってお父さんに直接言った事はありません。次はいつお父さんに会えるのか、とても気になります。それだけではなく、本当は僕はもっとお父さんに会える回数を増やしたいのです。お母さんがお父さんに会えるように、裁判所に手続きをしてくれました。僕は裁判所の調査官に会いました。調査官からお父さんとこれから、どうしたいと5回ぐらい聞かれました。会いたいですと答えました。お父さんと会えるようにしたいのに、どうして何回も聞くのだろうと思いました。調査官の報告書にはお父さんが面会交流に消極的だから現状を変える必要はないと書かれていました。」

ここにこの、僕の当人の失望があるわけですね。あの実は調査官の聞き取りとか現場では大変な色々問題を、あの聞かされておりますけれども、この13歳の子どもさんでも、そのことに気が付いている。

僕はお父さんに会えるようにするために、裁判所に行って調査官に話をしたのに、最低限の月に1回、お父さんに会えるのかもわからない状況。変えてもらう事も出来ないのだとわかりました。出来るなら毎週末土日にお父さんと会いたいです。お父さんと会えるなら、他の予定より優先します。もっと沢山会いたいけれど、せめて必ず月に一回は会える約束を守ってもらえれば、もう少し安心してお父さんに会えるのに。今は不安がいっぱいです

なぜ、離婚、親の離婚がこんなに子どもさん、父子を分断してしまうのか。父子の正に今、生物学的な親子の話がありますけれども。父子の生物学的な、或いは情愛は変わらないわけです。ですからこの生殖医療の話と、ある意味で近い問題。本当に本来の親子を何で法律のたった一行で、民法819条で、こういう風に子どもさんと離してしまうのか。で、お互いに不幸になる。私は今の単独親権は子育て三方悪しだと言っております。子に悪し、親に悪し、そして世間に悪し。もちろんDVや虐待で、共同養育・共同親権を阻止しなければならないケースはあります。でもそのケースがあるからと言って、残り全てを、共同養育・共同親権を否定すると言うのは、国民の願い、正に今、N君のような子どもさんの願いを、踏みにじっていることになるのではないでしょうか。

次に原告Pさんです。11月11日訴状を出した、原告Pさんです。

「既に20歳になっていますが、過去10年の事を想い起こしならが声を上げています。今でも私は過去10年、北海道の母と、千葉県の父の間を行ったり来たりしていた事がPTSDにおけるフラッシュバックなど悩まされています。それ程、強烈な影響を受けました。子どもが居る家庭で離婚を検討中の方々がいましたら、今一度考えていただきたいと思います。殆どのケースでは離婚と言う選択肢は子どもに悪影響しか及ぼしません。影響は大小様々ですが、0歳でも子どもは人間です。夫婦喧嘩などがあれば、怖いと思いますし、兄弟が居れば離れ離れになると寂しい思いを常に抱えることになります。考えられる悪影響はたくさんありますが、それは一生続く、不治の心の傷として残る可能性も十分あります。なので離婚する前によく考えて、考えなおしてください。そして仮に離婚するとしても、母、父にはいつでも会えるようにしておく事、兄弟姉妹がいるのなら決して離れ離れにしないこと。子どもは基本的に生まれ育った家族と一緒に過ごしたいと思うものです。母父問わず甘えたい、頼りたい、相談したい、感謝の気持ちを伝えたい瞬間て言うのはいつ訪れてもおかしくありません。誰も争いたくありません。平和が一番なのです。このために私は一番最初にお話ししました、未だに時々離婚していなかったらと想像して、父と母がいる幸せな日々が欲せられ、そして願ってしまうと言う事が今でもあります。最後にこの場を借りて、一生懸命面倒を見てくれた父に感謝しています。有難うございます。私の話は以上です。」

と言う事で子どもさんの例を二つお話させていただきましたけれども、あの上川大臣にお聞きします。今国が被告となっている訴状、裁判ですので、コメントは困難かと思われますけれども、このような子どもさんの声を聞かれて、どう思われるでしょうか。可能な限りで結構です。ご感想いただけたら幸いです。

上川法務大臣

ただ今、委員から個別の訴訟に関してと言う事で、あに二人のお子さんのと言う事でご紹介をいただきました。あの大臣と言う立場上、個別の訴訟に関して、まぁ意見を述べるという事は差し控えさせていただきたいと思います。その上でと言う事で、あの感想をと言うお尋ねでございますので、少し申し上げたいと存じますが、まぁ離婚後に子どもと会う事が出来ない事によりまして、大変辛い思いを抱かれていらっしゃる親が、親御さんがいらっしゃるという事、また親御さんに会えないと言う事によって、悲しい思いをしていらっしゃるお子さんがいらっしゃると言う事。まぁ大変傷ついている心の部分を、今あのお話の中で触れることになりました。私も人の親として、大変あの、心が痛むこうした心情をおうかがいしたところでございます。特に子どもさんの思いにつきましては、離婚後の子の養育の問題といたしまして、チルドレンファーストと言う観点から、重く受け止めなければならない問題であると言う風に考えております。あの父母の離婚後の養育の在り方を検討するにあたりましても、こうした方々のお声にもしっかりと耳を傾けると言う事が重要でありまして、家族法研究会におきましても当事者の方々、支援団体の方のヒアリングを実施するなどをしてきたものと承知をしておりますが、今後とも様々な声にも十分に耳を傾けたうえで、子どもの最善の利益、これを図る観点から、引き続きしっかりと健闘してまいりたいというふうに考えております。

嘉田由紀子さん

有難うございます。大変お立場が難しいところ、お心聞かせていただき、感謝申し上げます。今回の生殖医療の問題も、或いは共同親権の問題など、これまで法は家族に入らずと言う事である意味で、時代の変化に合わせてきちんと民法も、そして制度が出来ていなかった。最初に申し上げました。あのそれこそ海外でなんで共同養育・共同親権困難なところも子どものためにと言う事で、過去30年、40年皆やってきたのか。日本だけが出来ていない。で、今回の生殖医療もそうですね。オーストラリアの例など、もう海外では20年前、30年前に法整備が出来ている。日本が出遅れている。この日本が出遅れている事が結果的に子どもの不幸や、或いは家族の幸せが作れなくなっていると言う事で、是非今回の発議者の皆さんと共に、子ども家族のための立法の責任、行政の責任、果たせていけたらと思っております。皆さんどうも有難うございました。

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