「反撥」(1965)

イギリス映画「反撥」(1965)はロマン・ポランスキーの「水の中のナイフ」に次ぐ長編二作目。

美容院で爪の手入れを担当しているカトリーヌ・ドヌーヴは、とても内向的。彼女の精神状態が悪化し、殺人を犯すまでに至るという話をストレートに語っており、しかも面白い(しかも低予算)。ドヌーブの一人称映画で、最初から最後まで出づっぱり。壁にひびが入ったり、壁から手が出てきたりと、彼女の心のイメージが映像化されています。ただ、時計の音、鏡にうつる見知らぬ男など、細かい演出のほうに感心します。

陰影のきいた白黒映像はギルバート・テイラーが撮影しており、映画が進むにつれて広角レンズの使用を増やしてドヌーヴの顔をゆがませています。音楽は「水の中のナイフ」のクリシュトフ・コメダではなく、チコ・ハミルトン。

2013年9月15日

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