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2010年代ベストアルバム 50-41 @もそそ

こんばんは~前回の記事がこちらです。
今回からいよいよトップ50に入ります。100位からもそうだったけど、どれも名盤で褒めるしかないんだ。

50. School of Seven Bells - Ghostory (2012)

School of seven bellsはニューヨーク拠点を活動にする3人組のバンドであったが、一人は2010年に抜けてもう一人が病気で亡くなってしまった後に解散した歴史を持つバンド。2012年に出た今作は二人とは思えないほど、広大なスケールを持つインディーロックとなっていて、個人的にはちょっとベールに包まれたヴォーカルの声や、そのスケールの大きさから「海」を想像させる。この作品で気に入ったところは、そういう世界観の広さだけじゃなくどの曲も案外聴きやすいところにあって、単純にかっけえな~ってふうに感じてしまうんだよね。アップテンポな曲もエレクトロサウンドのノリの良いビートで踊れるし、スローテンポな曲も神秘的な雰囲気があって素晴らしい。ほんとに二人で作ったとは感じられないダイナミックさと曲のテンポの良さや、アレンジなど自分好みだったので、これは名盤かなと感じた。

49. Vince Staples - Big Fish Theory (2017)

好きなラッパーの基準として単純ながら超重要要素の一つとして、「声」なんですよね。非ネイティブとしてシンプルに歌詞が入ってこないので、こうした声の良さってのが好きになるかならないかの判断にあるわけですけども、Vince Staplesは、とにかく声がカッコいい。ちょっと粘り気の交わった声は聴いたら忘れにくいし、おまけにこの人のラップのフロウはソリッドが効いているというか、結構固めな印象があるんですけど、そんな声と今作のエレクトロ、ハウス基調なビートとぴったり合いまして、キレッキレでカッコいいっていう感想になる。それと何人かのゲストは作品の雰囲気を邪魔しない貢献をしてまして、あくまでもVinceが主役って感じがして存在感の大きさを感じる。ポップすぎず、実験的すぎず淡々とこの作品は進むという印象を抱えているんだけど、そんな余計なことをそぎ落とした作風の中で、Vinceのラップが光っているなあと毎度聴いていて思う。

48. Alvvays - Alvvays (2014)

Alvvaysは調べてみるとカナダの凄い右のところの出身のバンドで、そこがカナダの都会がどうかは知らんけど、この人達は下北沢好きそうだなあとイメージさせる感じだし、下北沢好きな人はこういうの好きなんだろうなあと妄想してしまう。どこかちゃんとした大人になることに抵抗感を感じてそうで、あくまでも青春と共に人生を謳歌したいと感じてそうで、そんな一面を作品を聴いて思った。ローファイなドリームポップなサウンドは哀愁があって、ノスタルジックがあって、こう遠くを見ながら聴いていたいというか、これがメジャーなアルバムのように綺麗にミックスされたら魅力が半減してしまいそうだ。
だからこそ敢えてサウンドを崩すことによって、「未完成の美しさ」や郷愁感を感じるというか、こういった音の工夫次第で、遠い何かを思い出すというか、それは青春だったり辛い思い出だったりするのだけど、でもそれ音楽の素晴らしさの魅力の一つに気づく。そんなことをこの作品を聴いて感じるのであった。

47. the 1975 - the 1975 (2013)

今や2010年代を代表するロックバンドとなったデビューアルバムである。この頃はまだ「インディーロック」の括りに入る作風であった。今はもう世界規模のバンドであるが、この1stの頃は当然ながらまだ身の回りを歌にしているというか、そう言った所がインディーロックたる理由ではあるんだけど、よく見るとロックだけではくくれなく、R&Bだったりポップだったり、ちょとファンクっぽさもあったりと器用な一面も見受けられる。でもまあ1stの頃は全然このバンドの器用さに気づけなかったわけだけど、当時は兎に角「曲がいい」という理由で好きになってたな。イギリス特有のニヒルなクールっぽさが全面的に雰囲気に出ていて、聴いててカッコつけたいとかそういうムードに浸りたいってのに合う位置付けにあった。メディアもまだぽっと出のバンドと認識してたのか、NMEが後々掌を返すことになるのは結構有名な話だけど、現在の彼らの活躍を踏まえると、この作品にはそういうポテンシャルの高さを感じられるような、デビューアルバムにして青臭さと器用さが見られる作品となっている。

46. Azealia Banks - Broke with Expensive Taste (2014)

アゼーリアバンクスと言えば、数々の暴言や悪行で、お騒がせ有名人の中でもとびきり悪い意味の偏差値の高い人間っていうイメージがあって、寧ろ音楽を聴かなかったのでそういうイメージのままだったんだけど、いつしかAnna Wintourっていう曲を聴いてめちゃくちゃかっけえじゃんと思ったのをきっかけに作品を聴いてみた。そしたらあまりの出来の良さにびっくりして、なんでこの人こんな才能に溢れてるのに性格悪いんだろう勿体なさすぎると思ってしまった。まあ本人からしたらめっちゃ余計なお世話って思いそうだ笑。 この作品の凄さはポップスとしても成立する聴きやすさとヒップホップとしても成立する作品で、それはAzealia Banksのスキルの高さあってこそなんですよね。自信の大きさを伺えるような強気なラップはカッコいいし、普通に歌っても上手いから曲が映える。かつGimme a Chanceのベースラインのカッコよさであったり、こういうラッパーとは無縁そうなAriel Pinkの曲をカバーしたりと、センスの高さに感銘を受けるというか、多分本人もすごい自信家で、自分が歌ったら良い曲になるっていう自信に溢れているんだろうね。そんなイメージを感じるほど、この作品はAzealia Banksの良い意味でのエゴを感じるわけで、それに伴った聴きやすいかつカッコいい曲が証明してるなってのは聴いてて感じる。ロック好きがヒップホップでなんか聴いてみたい!ってなったらこの作品薦めたいね。

45. Angel Olsen - My Woman (2016)

2016年は兎に角傑作が出まくった年ではあるが、シカゴ拠点のAngel Olsenのこの作品も傑作。今年出た作品もとても貫禄のあり、クオリティの高いバロックポップ調の作品となっているが、個人的にはこっちのほうが好きである。今年の作品も評価高い一方で、ジャンル違いのこの作品もかなりすごい評価されているのを見ると、Angel Olsenもとても才能のあるアーティストなんだなと驚く。この作品ではローファイなインディーロックであり、カントリーっぽさもある。ギター以外の音は最小限の音作りになっており、Angel Olsenの歌声とギターの音の存在感が大きくて、彼女の少しかすれた声が郷愁的なイメージを想起させる。ロックなアップテンポな曲もあるが、全体的にはトーンが落ち着いている印象。しかしながら、後半からが特にお気に入りの展開になっていって、7分あるSisterという曲の後半のギターソロがめちゃくちゃ良かったりと、静かなトーンの中にも熱さをしっかりと伝わってくるのがこの作品が好きだなと思う部分になっている。なんというか空白の多い幻想的な世界の中でしっかりとメッセージを伝えるAngel Olsenの技量に驚かされる作品だ。

44. The 1975 - I Like It When You Sleep, For You Are Beautiful Yet So Unaware Of It (2016)

実はこの作品が出る前に解散騒動などあったりと落ち着きのないところがあったthe 1975のこの作品、最初はそこまでうまく飲み込めないままだった。なぜならこれは1stのインディーロックという枠からは結構違ってるし、比較的長い収録時間のあるアルバムだったし。しかしながら2017、2018年の音楽シーンを体験した結果、この作品はバンドの一年二年時代を先取りした作品になっていると思う。SNSを中心としたthe 1975の評価を自虐のように切り取ったthe SoundのMVなど今の時代で考えたらかなり近しい距離感を感じるし、80年代を意識したお洒落な曲は洋邦問わずロックバンドの仲で一大ブームメントになったと思う。その音楽性は誰が一番に流行らせたか?という問題ではなく、the 1975の時代を意識した嗅覚って2010年代のアーティストやバンドの中で兎に角すごかったし、それを自らの音楽に良い曲として還元していたのがこの作品であり、そして映画のように展開の抑揚があるアルバムの流れはよく練られていて、知れば知るほどすごいなと感動してしまう。

43. Foals - Holy Fire (2013)

Foalsの作品にハズレは存在しない。どのアルバムも好きだし、2010年代のバンドの中で確実にトップ5に入るくらい気に入っているバンドではあるが、特に一番好きな作品はこれ。ここの作品は3rdアルバムとなっているが、2ndぐらいから人気がどんどん上がっていき、音楽フェスでも引っ張りだことなっていたのだが、その成長ぶりと世界への意識が遺憾なく発揮された音楽性となっており、具体的にはポップネスと彼らの良さであるグルーヴ感が上手くかみ合っており、具体的には気軽に踊れるポップさもあるが、重たいグルーヴも存在しており、それが「ロック」的にめちゃくちゃかっこよい。Inhalerのサビで爆発力であったり、My Numberのダンス調を支える演奏隊のセッションなど、曲調としてはポップで聴きやすいという印象であるが、よく聴くと支えてる重たいグルーヴィーな演奏がかなりカッコよく、ロック作品として信頼して聴き入ってしまう。「俺らは他のバンドとは違うぞ」という自信が見えてくるような独自の創造性の進展など見てもロックバンドとして信頼を置きたくなる。世界的バンドへと成長と自信が見える良いロックアルバムだなと思う。

42. Arctic Monkeys - Suck It and See (2011)

こちらも世界トップレベルに有名なロックバンドであるが、よく見るとアルバムごとにスタイルを変えていて、1stと2ndはスタイルとしては似ているところがあるが、3rdからヴォーカルのアレックスターナーの気分かどうか知らないがしっかりとキャラ立ちした作品を作っているように思える。そんな中で出た4thとなるこの作品は、アレックスはかなりポエティカルな思いを詰め込んでいて、Arctic Monkeysの作品の中でも、かなりロマンティックな作りとなっている。詳しくは知らんが、どうやらArctic MonkeysはレコードのA面B面を意識しているのか、前半の流れはこう、後半の流れはこうと綺麗にまとまっていて、この作品の前半は、ライブ映えするようなロックな曲もあってカッコいいのだが、特に自分が気に入っている後半はとりわけメロウでロマンチックでポエティカルなセンスが光っており、一々歌詞が詩的ですごい表現が際立つ。自分がこの作品に思い入れがあるのは、こういった歌詞をかなり読んでいた時期があったので、その中でアレックスターナーの比喩表現を紐解いていくと、こんな事言いたいのかなとか、こんな表現があるのかと何度も何度も驚かされたのが兎に角記憶に強い。それに伴って曲調もメロウで聴きやすく、歌詞も次第に覚えていったので曲に合わせて口ずさんだりと、完全に「思い出の強い」作品となったのだ。

41. David Bowie - Black Star (2016)

数々の傑作を残したDavid Bowieの生前最後のオリジナルアルバム。私はDavid Bowieの作品を全部追えているのではないが、この作品を聴いていると、ボウイの聴いてきた作品を思い出すというか当たり前なのだがすごい「ボウイらしい」作品だなって思う。そしてNick Cave and the Bad Seedsの作品でも似たようなことを書いたが、死を察したボウイの見える景色は自分のような人間とはかけ離れた人生体験の集大成の一つの表現をただただ感じさせる。終始暗い雰囲気ではあるが、その中でもサックスだったりギターだったりと結構自由に暴れているのを聴くと、流石一流のアーティストだなと素直に感動してしまう。7曲と短い曲編成となっているが、一曲一曲パンチの効いたずしりずしりとひしめく存在感の重さを感じ、非常に充実感の深い作品だ。死と向き合った結果、暗い雰囲気になったりするのだが、最後には優しさを感じるのがすごい安心する。この作品自体、アート性の高いものとなっているが、David Bowieもロックというジャンルの一つのアート作品だなと感じた。

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