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表現再考:雪の画布に、緑を一色添えて

 昨日から大寒で、その初候は、款冬華で、ふきのはな さく と読みます。
款というのは、よしみを通じるとか、何かに刻み込む、印を押すのような意味もあるようです。借款という熟語の<款>というのがそういう使い方なんでしょう。

 ふきといえば、蕗と書くのが馴染みがあるのですが、款冬でふきのようです。私も今回初めて知りました。雪積もる冬の中で、兆しのように現れるフキの姿を白い紙に押された印のように見たのでしょうか。

 款冬華は、本朝七十二候ですが、ふきのとうさくと呼んでいますが、漢文では、<華>というのは、動詞としては使わないようですから、雪景色の中で、鮮やかに見えるふきの様を輝くようなイメージで華として表したのでしょう。

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