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海外事例研究 | イスラエル インセンティブを伴う移動時の「買い物」サービス


はじめに

近年、日本では大手鉄道会社や航空会社等による、決済などの金融ビジネスと、交通や日常生活での買い物、旅行などの既存分野の結びつきを強める動きが促進されています。
さらに、生活者の公共交通の利用を促進し、地域内での消費を喚起する動きが強まっています。

イスラエルのEnroute社は、交通サービスと、オンラインショッピングを掛け合わせ、公共交通の利用及び移動中のオンラインショッピングを促進するサービスを開発しました。
本記事では、Enroute社の取り組み及びその効果についてご紹介します。

背景

英国の経済コンサルタント会社、CEBR社の調査結果によると、朝の通勤時間帯に20%以上の人々が、公共交通の利用中にオンラインショッピングを行っていることが分かりました。
同社は、携帯電話内の速度感知機能を利用して算出した、オンラインショッピングサイトへの通勤時間帯における、移動中のアクセス数をもとに、調査を行いました。

Enroute社は、同調査結果を受け、生活者に対するインセンティブを導入することで、交通サービス利用時の消費行動を促進するプラットフォームの開発に取り組み始めました。

Enroute社の取り組み

Enroute社は、オンラインショッピングサイトのeBayや、Aliexpress、スポーツメーカーのNIKE等と提携して、交通サービスを提供する企業向けに、主に以下の3つのサービスを開発・提供しています。

  1. 位置情報をベースにしたEコマースプラットフォーム

  2. 利用頻度やオンラインショッピングでの購入額に応じて利用者に特典を与えるロイヤルティプログラム

  3. 乗車運賃の割引に利用可能なポイントを獲得するゲーム機能

図:「Enroute」のシステムを導入したアプリのイメージ
出典:Enroute. Shop. Earn. Ride For Free. Enroute社HPより

本サービスは、Uber社、Lyft社などライドシェアリングを提供する企業のアプリや、ドイツの鉄道会社のDeutsch Bahn社における電車内のWi-Fiを通じてアクセス可能なWebサイト上で導入されています。

Enroute社のシステムを導入したアプリやWebサイトでは、通常のショッピングを行うWebサイトに加えて、ユーザーの位置情報及び過去の移動情報に基づく目的地周辺店舗での買い物をオンライン上で行うことができます。
交通サービスの利用者は、移動中にオンラインで買い物を行うことで、報酬としてポイントを獲得し、同ポイントを利用して、次回の乗車運賃を割引できます。

図:Enrouteを利用した小売店での買い物のイメージ
出典:Enroute. Shop. Earn. Ride For Free. を基に当社作成

Enroute社の取り組みがもたらす効果

Enroute社の取り組みは、①交通サービスの利用者、②小売店、③交通サービスの提供者の三者にそれぞれ好影響をもたらしています。

①交通サービスの利用者
●   報酬ポイントによる移動の割引及び無料化
②小売店
●   新規顧客の開拓
③交通サービスの提供者
●   リピーターの増加、サービス利用者層の分析

周辺環境でみると、公共交通及びライドシェアリングサービスの利用を通じた渋滞緩和や、温室効果ガスの排出量削減等の効果が期待されています。

最後に

ここまでご覧いただきありがとうございました。

本記事では、イスラエルのEnroute社による交通サービスの利用時のオンラインショッピングにインセンティブを提供する取り組み及びその効果についてご紹介しました。

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